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映画『十二人の怒れる男』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『十二人の怒れる男』です。
法廷ものの名作として今もなお光輝いている映画で、舞台でも数多く上演されている名作です。
元々はテレビドラマから映画にリメイクされた作品で、息を呑む展開に自然と引き込まれてしまう映画です。
演劇や俳優をやっているなら特に『十二人の怒れる男』を知らない人はいないのではないかと思うぐらい、名作として君臨し続けています。
それでは『十二人の怒れる男』の映画紹介です。
映画『十二人の怒れる男』は1959年に日本公開されたアメリカ映画です。
上映時間は96分。
監督はシドニー・ルメット監督。
『狼たちの午後』『デストラップ・死の罠』『評決』『旅立ちの時』『セルピコ』『オリエント急行殺人事件』など社会派ドラマを得意としている巨匠です。
キャストは
陪審員1番…マーティン・バルサム
陪審員2番…ジョン・フィードラー
陪審員3番…リー・J・コップ
陪審員4番…E・G・マーシャル
陪審員5番…ジャック・クラグマン
陪審員6番…エドワード・ビンズ
陪審員7番…ジャック・ウォーデン
陪審員8番…ヘンリー・フォンダ
陪審員9番…ジュセフ・スウィーニー
陪審員10番…エド・ベグリー
陪審員11番…ジョージ・ヴォスコヴェック
陪審員12番…ロバート・ウェッパー
裁判官…ルディ・ボンド
守衛…ジェームズ・ケリー
係官…ビリー・ネルソン
映画『十二人の怒れる男』ネタバレ・あらすじ
貧困地区に住む17歳の少年がナイフで父親を刺し殺すという事件が起きます。
その少年を裁くために十二人の陪審員が陪審員室に集います。
もちろん無造作に選ばれた陪審員たちです。季節は夏。うだるような暑さの中で、早く終わらせて帰りたいという空気が陪審員室には自然と漂っていました。
証拠は揃っているように見え、また少年の住んでいる地域が貧困層の地域だったこともあり、そんな先入観も手伝って審議は少年の有罪ですぐに終わるものだと誰もが思っていました。
しかし多数決を取ると結果は11対1という結果になり審議はあっさり終了とはなりませんでした。
陪審員の規則で全員一致にならなければならないという規則があるため、審議を続行されることになります。唯一無罪を主張していたのは陪審員8番(ヘンリーフォンダ)でした。
早く終わらせたい他の陪審員たちは陪審員8番を責め、自然と陪審員8番は孤立してしまいます。
陪審員8番は少年の無罪を主張し続けます。
貧困地域の少年なのだから嘘を言っているに決まっていると一人の陪審員が陪審員8番に問いかけますが、陪審員8番は少年の犯行だと証言している女性も同じ貧困地域に住む女性であり、その女性の証言は信じるというのは矛盾しているのではないかと論破します。
陪審員8番は裁判での尋問のやり方や証言の少なさにも疑問を持っていて、証拠と言っても状況証拠しかなく、それだけで有罪と決めてしまうのはおかしいと主張します。
陪審員8番は「疑わしきは罰せず」という考えを主張しました。
もちろん陪審員8番は容疑者の少年に特別な感情を持っているわけではなく、疑問点があったり証拠が不十分な中で簡単に有罪と決めてしまうのはおかしい、もっと話し合うべきだと主張しているだけでした。
苛立つ他の陪審員と陪審員8番は、一から犯行に使われた凶器や犯行の流れなどを再び整理することにします。
議論が続いていく中で陪審員8番は周りの陪審員の執拗な責め立てに辟易し、もう一度多数決を取って自分以外に少年の無罪を主張する者が誰もいなければ、自分も周りの意見に従うと宣言しました。
これでやっと終わると再び多数決を取った他の陪審員たちでしたが、いざ票を開けてみると無罪票が一票増えていました。
これで帰れると思っていた他の陪審員たちはあからさまにうんざりした様子を見せて、一体誰が無罪に票を入れたのかと問い詰めました。
有罪から無罪に票を変えたのは陪審員9番(ジュセフスウィーニー)でした。
陪審員9番は陪審員8番の異論に納得する部分を感じ、考えを改めて有罪から無罪に票を変えたのでした。蒸し暑い陪審員室に重苦しい空気が漂います。
議論は一時中断となり休憩を挟んで再開されることになります。
再開され、陪審員8番はこれまでの証言を洗い直します。細部にまで渡る陪審員8番の証言の指摘に他の陪審員たちは「そこまでやる必要があるのか」と問いますが、陪審員8番は「人間の人生がかかっている。
細部まで突きつけるのは当たり前のことだ」と反論します。そして陪審員8番を中心に証言を洗い直していくと、段々と疑問点が見えてきました。
裁判で繰り広げられた証言に矛盾点を感じ始めた陪審員たちは次第に有罪から無罪へと考えを変えていきます。
ある程度の洗い直しが終わったところで改めて票を取り直すことになりました。結果は有罪が3票、無罪が9票という結果になり、無罪優勢の結果となります。
この結果に対して、有罪に票を入れた陪審員10番(エドベグリー)が激しく反論します。陪審員10番は少年の生い立ちや貧困層だということ執拗に責め立てます。
その場所で生まれ育っただけで生まれつきの悪党で危険で嘘つきだと人格を攻撃しますが、この陪審員10番の意見は他の陪審員たちに相手にされず無視されます。
陪審員10番は自分の意見が誰にも聞いてもらえていないことに気付き、自分の意見の愚かさを知り、意見するのをやめて黙りました。
その後、同じく有罪に票を入れていた陪審員4番は証言の矛盾点に納得して無罪へと考えを改めます。
最後まで有罪を主張していたのは陪審員3番(リーJコップ)でした。
陪審員3番は論理的な意見は言わず「こんなガキは有罪でいいんだ」とまくし立てていました。やがて有罪を主張しながら泣き出してしまいます。
陪審員3番は自分の子供の写真をとり出して破ります。
陪審員3番は子供と喧嘩をして別れたままになっていました。
自身の子供と容疑者である少年を重ね、公私混同で有罪を主張していたのでした。陪審員3番は観念したように、少年は無罪であると考えを改めました。
評決は全員一致で「無罪」となりました。任務を終えた陪審員たちは陪審員室を後にします。
1人の陪審員の正義感と行動力が一人の少年の未来を救ったのでした。
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映画『十二人の怒れる男』感想・評価
1つの陪審員室だけで繰り広げられる物語で、緊迫感と映画を観ている者にまで夏の暑さが伝わってくるようなそんな映画です。
ストーリーとしても正義とは何なのか、人の人生を裁くという事はどんなことなのかを教えてくれる映画だと思います。
日本でも裁判員制度が取り入れられているわけで、昔よりもさらに身近にこの『十二人の怒れる男』を感じられる結果になっているのではないかと思います。
そしてこの『十二人の怒れる男』、俳優であれば一度は演じたいと思う作品だと思います。
舞台では蜷川幸雄さん演出の『十二人の怒れる男』を観劇したことがありますが、中井貴一さんを筆頭に西岡徳馬さんや品川徹さん、筒井道隆さんに辻萬長さん、田中要次さんに斉藤洋介さんなどなど、実力のあるベテラン俳優が出演されていて、蜷川幸雄さん演出ということももちろんあるとは思いますが、やはり『十二人の怒れる男』は出演したいと思う俳優が多いのだろうなぁと個人的には感じていました。
そのうち藤原竜也さんや小栗旬さん、吉田鋼太郎さんなんかで上演されそうな気がしないでもないです(笑)
非常に見応えのある映画で、昔の映画ではありますが今も語り継がれるだけあって普遍的なテーマを持った光り輝く作品です。
おすすめ映画です。ぜひ。
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