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映画『武士の一分』作品情報
今回の絶対おすすめ映画シリーズは『武士の一分』です。
山田洋次×藤沢周平×木村拓哉ということで公開当時とっても話題になった『武士の一分』。
大ヒット作品で評判もとてもいい映画なので、観たことある方も多い作品だと思います。
公開当時木村拓哉さんの演技をバッシングする声もありましたが、個人的にはまったくそんなことは事は思いませんし、山田洋次監督が使いたくない俳優を使うわけないですし、納得のいかない演技にOKを出すはずもありません。
実際木村拓哉さんの演技に感動する作品となっています。
それでは『武士の一分』の映画紹介です。
映画『武士の一分』は2006年公開の日本映画です。
上映時間は121分。
原作は藤沢周平による時代小説『隠し剣秋風抄』。
監督は山田洋次監督。『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』も監督していて、『武士の一分』は時代劇三部作の完結編と言われています。
出演は
三村新之丞…木村拓哉
三村加世…檀れい
徳平…笹野高史
波多野東吾…岡本信人
滝川つね…左時枝
滝川勘十郎…綾田俊樹
波多野以寧…桃井かおり
木部孫八郎…緒形拳
山崎兵太…赤塚真人
加賀山嘉右衛門…近藤公園
樋口作之助…小林稔侍
島田藤弥…坂東三津五郎
ほか。
映画『武士の一分』ネタバレ・あらすじ
三村新之丞(木村拓哉)は藩主の毒見役を務める侍で、妻の加世(檀れい)と共につつましくも幸せに暮らしていました。
中間の徳平(笹野高史)とも軽口を叩き合える中で生活の中には笑いがありました。
新之丞は早くに隠居をして剣術の町道場を開きたいと加世に話していました。
新之丞は身分に関係なく、そして体の弱い者にはその弱い者にあった方法で剣術を教えたいと考えていて、ただ厳しくするだけの風潮の剣術の稽古に以前から疑問を持っていました。
徳平が「百姓にも教えてくれるですか?」と尋ねると新之丞は「当たり前だ」と答え、新之丞はそんな平等な剣術道場を夢見ていました。
ある日、新之丞はいつものように藩主の毒見役として毒見を行っていましたが、ほどなくして新之丞は異変を訴え倒れ込んでしまいました。
新之丞は高熱を出し命の危険も噂されましたが、一命はとりとめました。
新之丞の毒見のおかげで藩主は毒の入った食事を寸前で食さずに済みましたが、毒を盛った人間がいるのではと城内は騒然とします。
結果的に原因は新之丞の食したつぶ貝の毒であることが判明し、毒殺を狙ったものではないとわかります。
しかしそのような危険な食材を料理に使った作之助(小林稔侍)は責任を取らされます。
新之丞は意識を失ったまま自宅へと戻されますが、医者はもう命の心配はいらないと加世に告げます。
3日目に新之丞は意識を取り戻し加世は泣いて喜びます。
しかしなんと新之丞は目が見えなくなってしまっていました。毒の影響で失った視力は、もう戻らないと医師から告げられました。
視力を失くした新之丞は生きる気力を失いかけますが、加世のおかげで生きる気力を取り戻します。
しかし毒見役など仕事をできなくなった新之丞はこれまでの生活はできないだろうと覚悟します。
親族でこれからの新之丞と加世の生活をどうするかを話し合いますが、なかなか解決策は出てきません。
そんな中、加世が藩番頭の島田藤弥(坂東三津五郎)と顔馴染みである事がわかり、新之丞の叔母の以寧(桃井かおり)は是非力になってもらえるように頼みなさいと進言します。
藩の新之丞の処遇が決定し、新之丞は今までと変わらぬ三十石という結果を受け、そのままの処遇になるとは思いもしなかったので驚き、深く感謝します。
そんな中、叔母である以寧が新之丞を訪ねてきます。以寧は加世が男といるのを旦那の東吾(岡本信人)が目撃したことを新之丞に報告します。
『家の中のことまで見えなくなっているんじゃないのか?』と以寧は新之丞に問いかけますが新之丞は以寧の心の醜さを冷静に説き、すぐに出て行かせます。
以寧の言葉を忘れられない新之丞は、徳平に加世の後をつけるように言います。
徳平は加世に限ってそんなことはあり得ないと思っていましたが、後をつけていると加世が番頭の島田と通じているところを目撃してしまいます。
『これは悪い夢だ』と自分に言い聞かせる徳平でしたが、加世は徳平が事実を知ったことをわかっていて、自ら新之丞に真実を打ち明けます。
島田に家禄の処遇について話をしに行った際に、悪いようにはしないがタダというわけにはいかん、と身体を預けたこと。怖くて声を出すことも抵抗もする事も出来なかった事を告げました。
この話を加世から聞いた新之丞は、加世を離縁しました。なんの事情も知らずに家禄について喜び安堵していた自分を恥じ、加世にそんなことをさせてしまった自分を責めました。
しかし数日後、新之丞は同僚の加賀山嘉右衛門(近藤公園)から、今回の家禄の温情は藩主様の新之丞への感謝の気持ちから決まった処遇だということを聞きます。
この情報に間違いはないという加賀山嘉右衛門の話を聞いて、新之丞は島田がさも自分が動いたかのように見せかけて加世を手篭めにしていたことを知ります。
これを知った新之丞は島田に果たし合いを申し込みます。
新之丞は自分の剣術の師匠である木部孫八郎(緒形拳)の元を訪れ、剣術の稽古をつけてもらいます。
見えない目で必死に稽古に精を出す新之丞のただならぬ空気感に孫八郎は何があったかを尋ねます。
しかし新之丞は師匠に対しても頑なに口を閉ざし、『武士の一分としか申し上げられません』とだけ告げます。
島田との決闘は激戦の末、新之丞が島田の左腕を斬り勝利を収めます。
新之丞はとどめを刺すことはしませんでしたが、後に島田は切腹をして命を落とします。
加世のいない、徳平との2人の生活を続ける新之丞に、ある日徳平が飯炊きの女性を雇ったと告げます。
その夜、その料理を食べた新之丞は雇った女性を呼べと徳平に言います。
徳平はそんな必要はないと断りますが、新之丞は徳平に早く呼ぶようにと語気を強めます。
飯炊きをしていた女性の正体は…?
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映画『武士の一分』感想・評価
過去に何度も観ていて、久しぶりに観返したのですが、全然色褪せないですね!変わらずに最高でした。
というか昔に観ていた時よりもさらに感動しました。
自分自身が年月を経たせいですかね、映画は観るタイミングで感じ方が変わるからまた素晴らしいですよね。
この記事の冒頭でも書きましたが、木村拓哉さんの演技がバッシングされる理由がわかりません。
この『武士の一分』でも大いに感動させてくれていますし。心に響くセリフが沢山あります。
脚本の良さもありますが、セリフが心に響くのは役者が良いからです。表情もまた素晴らしくて、目の演技で魅せてくれるんです。
檀れいさん演じる加世が島田に手籠めにされたことを知った時の木村拓哉さんの目なんかもう…すごいことになっています。
その目のまま『俺にお前は見えてない』というセリフを言うのですが、これが心にめちゃくちゃ刺さるのです。寒気すらします。
個人的には特に緒形拳さんとのシーンが大好きでして、『何があったんだ?』と聞かれた新之丞が『武士の一分としか申し上げられません』と答えるシーンは、男のカッコよさもとっても感じるのですが、同時に胸がとっても痛くなります。
それも木村拓哉さんの表情が凄まじいからなのです。
悲しみと悔しさが入り混じっているような…そしてそんな状況にいながらも師匠への礼節は忘れていなくて、『武士の一分としか申し上げられない』と言っている木村拓哉さんの表情が心に鮮明に焼き付きすぎて、この先もずっと忘れることはなさそうと思うぐらいです。
全体を通して素晴らしいわけですが、バッシングするなら納得できる理由を言ってほしいなと思います。僕は『武士の一分』の木村拓哉さんすごく好きです。
そしてこの映画、さすが山田洋次監督といった映画でハートフルなのはもちろんですし、しっかり笑いも入れてくれています。
こういうストーリーでも笑いを入れてくる山田洋次監督は本当に最高です。
笹野高史さんと木村拓哉さんの掛け合いはほっこりしながら笑えてとても好きです。
桃井かおりさんもやっぱりすごいなぁ~って改めて思い知らされました。
存在感と残す爪あとの深さが半端なじゃいと言いますか…。まさに大女優ですよ。
そして緒形拳さんはやっぱり素晴らしくて。
なんだか緒形拳さんを見ていると目頭が熱くなってしまいました。
そして木村拓哉さんとのお芝居も本当に最高なのでなおさら目頭が熱くなるのです。
久しぶりに観返して、本当にいい映画だと改めて思いました。観ていない人は絶対観るべき映画です。おすすめです。
映画『武士の一分』
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