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映画『アンダードッグ』ネタバレあらすじ感想

映画アンダードッグネタバレあらすじ結末と感想評価

映画『アンダードッグ(前編後編)』ネタバレあらすじ感想

今回の絶対おすすめ映画は『アンダードッグ』です。

映画『アンダードッグ』は森山未來さん主演、北村匠海さんや勝地涼さんらが出演する、実力派俳優が集結した骨太な作品です。

重厚感のある作風と森山未來さんの上手すぎる演技がマッチしていて、とにかく見応えのある映画になっています。

元ボクシング世界チャンピオンの竹原慎二さんや佐藤修さん、プロボクサーでもあるお笑い芸人ロバートの山本博さんなども出演していて、ボクシング好きにはたまらない映画でもあります。

前編と後編があり、どちらも2時間以上のかなりの大作です。

内容が重たくて濃いので、前編だけでお腹いっぱいになる感じもありますが、前編を観たからには絶対に後編を観てほしい映画です。というか後編を観たくなるはずです。

それでは映画『アンダードッグ』の映画紹介です。

映画『アンダードッグ』は2020年に公開された日本映画。

上映時間は前編が131分・後編が140分。

監督は武正晴監督

『100円の恋』『嘘八百』などを監督しています。

【キャスト】

末永晃…森山未來

大村龍太…北村匠海

宮木瞬…勝地涼

明美…瀧内公美

美紅…新津ちとせ

末永作郎…柄本明

末永佳子…水川あさみ

末永太郎…市川陽夏

大村加奈…萩村みのり

宮木幸三郎…風間杜夫

山崎愛…冨手麻妙

木田五朗…二ノ宮隆太郎

新田兼子…熊谷真実

田淵玄…上杉柊平

田淵真由美…秋山菜津子

竹原慎二

佐藤修

友近

山本博(ロバート)

徳井優

ほか。

 

映画『アンダードッグ』(前編・後編)ネタバレ・あらすじ

末永晃(森山未來)はかつて将来を期待されたプロボクサーだった。

ランキング1位に躍り出た後に日本タイトルに挑戦し、日本チャンピオンと激闘の末、惜しくも敗れ去った。

末永晃の日本タイトル挑戦は多くのボクシングファンの記憶に残るほど、人々の胸を打ち感動を与えた試合だった。

しかし、晃が輝いたのはこの試合までだった。

プロボクサーとしてリングに上がり続けてはいたものの、噛ませ犬としてリングに上がることが多く、晃本人もボクシングへのモチベーションを保てずにいた。

しかし、それでも晃はボクシングを辞めることができないでいた。

晃には妻の末永佳子(水川あさみ)がいて、息子の太郎がいた。試合のトランクスには「太郎」の文字が入っている。

しかし、佳子は太郎を連れて出ていき、現在は別々に暮らしていて、晃は父親の作郎(柄本明)と2人で暮らしていた。

晃は昔からの友人である木田五朗(二ノ宮隆太郎)が店長を務めるデリヘルでドライバー兼用心棒として働いて、生計を立てていた。

晃は深夜にジムに来て練習するのが日課になっていたが、ある時ジムに1人の若者が侵入してくる。

若者はこれからプロテストを受ける大村龍太(北村匠海)という男だった。

龍太は養護施設の出身で、かつて晃がジムのみんなと訪ねた時に出会っていて、晃の日本タイトル戦もスタンドで観戦していた。

しかし、晃はもちろん覚えておらず、龍太も晃の日本タイトル戦を観たことだけを伝えた。

この日から龍太は晃がジムにいる深夜に頻繁に訪ねるようになり、2人は言葉を交わすようになる。

と言っても晃は常に無愛想だったが…。

龍太は晃の現在の状況に不満を持っているようで、晃を奮い立たせるような、煽るような発言も繰り返していた。

龍太は所属しているジムにも期待されているボクサーで、結婚していて妻は出産を控えていた。

龍太は過去に不良として名を馳せていたことがあり、その時に田淵玄(上杉柊平)という男を下半身不随になるまで痛みつけていた。

晃がドライバーを務めるデリヘルで働く明美(瀧内公美)が、仕事で田淵玄の相手をするようになり、ここでも晃と龍太と明美と田淵の運命が奇妙に交錯していく。

そしてこの運命の交錯はひとつの悲劇を起こすきっかけにもなってしまう。

噛ませ犬としてボクシングを続けていた晃に、TV番組の企画のオファーが来る。

お笑い芸人の宮木瞬(勝地涼)のエキシビションマッチの相手をしてほしいと、破格のギャラを提示された晃は、ジムの会長から最後に金を稼いで引退するように促される。

晃はこのオファーを受けることにする。

誰もがお遊びのスパーリングと思っていたが、お笑い芸人の宮木瞬も事情を抱えていて、人生をかけてこのエキシビションマッチに挑もうとしていた…。

晃と宮木瞬の戦いの行方は、予想外の展開となり、晃はかつて日本タイトルをかけて戦った元チャンピオン(佐藤修)から、引退を勧告された。

ボクシングをやめようと踏ん切りをつけようとしていた晃のもとに、プロボクサーとなった龍太から試合のオファーが届く。

龍太はある事情を抱え、並々ならぬ決意で晃に挑戦状を叩きつけてきていた。

龍太との試合に向け、近年にはありえなかったストイックさで練習に励む晃。

そんな晃の姿勢に、呆れ続けていたジムの会長もミットを持ち出し…。

そしていよいよ、龍太と晃の試合のゴングが鳴り…。

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映画『アンダードッグ』(前編・後編)感想・評価

個人的にボクシングが好きなことと、俳優・森山未來が大好きだったことが映画『アンダードッグ』を鑑賞したきっかけでした。

東映の制作ということで、近年は少し微妙な作品が多い(あくまで個人的な感想です)だったので、「せっかくの森山未來のボクシング映画なのに!東宝が良かったな」と観る前は正直思っていたのですが、実際に鑑賞してみると、その辺りはあまり気になりませんでした。

ABEMAが一緒なのも大きかったのかもしれません。

キャスティングもかなり良かったように感じました。

ストーリーは正直、大衆受けする内容ではありません。

人生のリアルというか、目をそらしたくなるようなシーンもありますし、生きることの辛さや大変さも描かれていて、ヒットになりやすい中高生が好きな恋愛映画とは対極にいる映画と言えると思います。

『アンダードッグ』は、特に中年男性以上の年代が大好きな映画だと思います。

映像もフィルム感があるし、テンポも軽快ではなくずっしりと重たい感じでストーリーが展開していきます。

軽快さがまったくないのは、監督が意図して作っているせいでしょう。

勝地涼さんの芸人のシーンは若干テンポがいいですが、勝地涼さんも心に抱えているものがあり、軽快さのおかげで思いシーンがより切なかったです。

勝地涼さんってやっぱりいい俳優さんだなぁって改めて思いました。

そしてやはり森山未來さんは、もう半端じゃないですね…。

森山未來さんの出演作品って観終わった後に、「この役を森山未來さん以外の人が演じてるのイメージできない」と思わされるんですよね。

映画『アンダードッグ』の末永晃も、見事に森山未來さん以外の俳優が浮かばなくなっています。

いまさら言う必要もないと思いますが、本当に名優ですよね。演技がとにかくリアルで、大げさに演じたくなるシーンでは抑えて、決して派手に動いてないのに感情がすごく伝わって来たり…アンダードッグでも神演技をたくさん披露してくれています。

特にデリヘル店長と言い合になるシーンの演技がすごく良かったです。「実生活だとたしかにこうなるよね」って感じで、怖いぐらいリアルでした。

森山未來さんって今でもちゃんと評価されてる俳優だと思いますが、もっともっと評価されないとダメだと思います。

本当にすごい俳優だと心から思います。柄本明さんとのシーンとか、ただの生活を撮ってると錯覚するぐらいでした。

そんな森山未來さんの相手役を務めた北村匠海さんですが、若さあふれる感じで役柄にもマッチしていて、とっても良かったです。

実際に運動神経もすごく良いんだろうなと思います。(森山未來さんも運動神経めちゃくちゃ良いです)

演出でもあったと思うのですが、森山未來さんのような深みのある演技はあまり見ることができなかったかなとは少し思います。

もちろん年齢的に北村匠海さんはまだまだ若いですし、演じた龍太という役はどちらかというと軽快さを求められていたので、見せる機会がなかったとも言えます。

北村匠海さんの出演作品を結構鑑賞しているのですが、演技もうまくて魅力的で普通に好きな俳優なので、映画『アンダードッグ』に出演していると知った時にも嬉しかったぐらい好きな俳優です。

ただ顔がかわいいので、龍太役は本来であれば難しかったとは思います。腕のタトゥーも正直似合ってなかったので。そんな中でも観客に違和感を感じさせずに演じきってしまったのは、北村匠海さんの演技力の高さがあってこそでしょう。

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ロバートの山本博さんもめちゃくちゃ良かったです。というか演技こんなに上手かったのかとかなりびっくりしてしまいました。お笑い芸人さんって演技上手い人多いけど、山本博さんもとっても良かったです。すごくナチュラルで、本業が俳優の人たちより演技うまいと思います。

元ボクシング世界チャンピオンの佐藤修さんも、演技上手くてびっくりしました。結構い大切な役柄で、しかも難しいシーンなのに、すごく自然に観れちゃいました。

一方、同じく元ボクシング世界チャンピオンの竹原慎二さんは、映画『アキラとあきら』の時の方が良かったという印象です。

なんだか懐かしの『ガチンコ』を観ている感じでした。竹原慎二さんと畑山隆則さんのジムでも撮影していて、竹原慎二さんは会長役でそのままでいいはずなのに…なぜか違和感がすごかったです。

自分のジムでの撮影が逆にやりにくかったのかもしれませんね。そう言えば、勝地涼さん演じる宮木瞬が竹原慎二さんのジムで練習しているのですが、ちゃんと所属ジムが『T&H』(竹原慎二さんと畑山隆則さんの本当にあるジムの名称)なのも、粋な演出だなって感じました。

前編と後編があり、合わせると5時間近くになる大作ですが、俳優陣の素晴らしい演技と重厚感のある演出で、長く感じることなく楽しめる作品です。

まだご覧になっていない方はぜひ鑑賞してみてください。

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