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映画『ラストレシピ』作品情報
今回のおすすめ映画シリーズは『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』です。
二宮和也さん宮崎あおいさん西島秀俊さん竹野内豊さんはじめ豪華なキャストが出演している『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』は田中経一の小説を映画化した作品です。
絶対音感のような絶対味覚を持つ主人公と別の時代を生きた男の人生がクロスする物語となっています。
それでは『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』の映画紹介です。
映画『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』は2017年に公開された日本映画です。
監督は滝田洋二郎監督。
『コミック雑誌なんかいらない!』『陰陽師』『壬生義士伝』『阿修羅城の瞳』『おくりびと』などを監督しています。
原作は田中経一の小説『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』です。
キャストは
佐々木充…二宮和也
柳澤健…綾野剛
楊晴明…笈田ヨシ
鎌田正太郎…伊川東吾
鈴木太一…大地康雄
ダビッド・グーデンバーグ…ボブワーリー
山形幸…広澤草
吉田加奈…菜葉菜
辰巳静江…青山眉子
山形直太朗…西島秀俊
山形千鶴…宮崎あおい
鎌田正太郎(青年)…西畑大吾
三宅太蔵…竹野内豊
楊晴明(青年)…兼松若人
山形幸…庄野凛
ヨーゼフ・グーデンバーグ…グレッグ・デール
鈴木料理長…竹嶋康成
ほか。
映画『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』ネタバレ・あらすじ
口にした物の全ての味を記憶する事が出来る絶対味覚の舌を持つ天才料理人の佐々木充(二宮和也)は、依頼人から依頼された人生最後の料理を提供するという仕事を生業にして高額な報酬を得ていました。
依頼人の思い出の料理を再現する事は絶対味覚と天才料理人としての腕を持つ充だけにできる仕事です。
そんな充は『最期の料理人』と呼ばれていました。
依頼は全国から来ていて、充は依頼主の元へと全国へ赴いていました。
充は元々は自分の店を持っていました。
幼い頃に両親を亡くしている充は施設で育ち、同じ施設で育った柳澤健(綾野剛)と共に持った店でした。
料理の味は完璧で評判となりますが、充は一切妥協を許さない性格で他人を信頼する事が出来ない事から、働く料理人への要求は非常に高いもので相棒の健でさえもそのやり方についていけなくなっていました。
納得のいかない料理をお客に提供する事を頑なに拒む充は料理を待っているお客を帰らせてしまいます。
そんなやり方でお店が続くはずもなく、店は立ち行かなくなります。
店は潰れ多額の借金だけが残りました。充はその後借金返済のために『最期の料理人』として働いていました。
充と健が育った施設の施設長が亡くなります。葬儀に顔を出さない充を健は電話で叱責します。
2人にとっては父親代わりと言える存在でしたが、充は最後に仲違いをしていて、葬儀にも顔を出しませんでした。
充の元に『最期の料理人』としての大きな仕事が舞い込んできます。
依頼してきたのは中国料理人の中で重要なポジションについている楊晴明(笈田ヨシ)でした。
充への依頼は満洲で日本人の料理人が考案したというレシピを再現して欲しいというものでした。
『大日本帝国食菜全席』と呼ばれるフルコースでした。
この『大日本帝国食菜全席』を開発した日本人の料理人は山形直太朗(西島秀俊)という料理人で、充と同じ絶対味覚を持っていると言われた日本人でした。
しかし山形は太平洋戦争が始まる前に消息不明となっていて、大日本帝国食菜全席のレシピも行方がわからなくなっていました。
充は破格の報酬を提示されます。依頼を引き受けた充はレシピの手がかりを掴もうと山形の足取りを追い始めます。
山形は元々宮内庁で天皇の料理番として活躍していました。
そんな山形に日本軍の三宅太蔵(竹野内豊)から命令が入ります。
満州に来るように指示を受けた山形は妻の千鶴(宮崎あおい)と共に満州へと向かいました。
あまり要領を得ないまま満州国に入った山形は出迎えた三宅から自分が満州に呼ばれた詳細を聞きます。
山形は『大日本帝国食菜全席』というコースの料理を作るように頼まれます。
天皇陛下が満州に来た際にこの『大日本帝国食菜全席』でもてなすという事がこのコース料理を作り上げる目的でした。
そしてその内容は中国の満願全席を超えるものであって欲しいとのことでした。
山形は若い料理人の鎌田正太郎(西畑大吾)と中国人の料理人楊晴明(兼松若人)と共にこの大日本帝国食彩全席を作り始めました。
『大日本帝国食菜全席』の開発は簡単なものではありませんでした。
山形は懸命に取り組んでいきました。家族よりも料理に情熱を燃やす山形は若い料理人たちにも厳しく高い要求を出し続けました。
しかし他人を信頼することの大切さを知った山形は力を合わせて『大日本帝国食菜全席』を完成させようとさらに懸命に取り組んでいきました。
天皇陛下が満州を訪問した際にもてなすための料理、そのように聞いていた山形でしたが、実はこれには大きな陰謀が隠されていました。
山形は政治的な陰謀に巻き込まれていたのでした。天皇陛下が訪問した際に『大日本帝国食菜全席』を提供する際に、料理に毒を盛ってほしいと山形は三宅から極秘に命令をされます。
毒見役がいるため天皇陛下の身に危険が及ぶことはないことを前提に、三宅は話を続けます。
中国人の楊晴明に毒を盛った濡れ衣を着せることが目的でした。つまり中国人が天皇陛下を毒殺しようとしたという事実を作るために山形は利用されていたのでした。
従順に山形に従ってきた鎌田は山形を見張るためにレシピ開発に参加していたのでした。
この事実を知った山形は楊晴明に対しお前はスパイだと疑いをかけて追い出しました。
そしてついに『大日本帝国食菜全席』を披露する日がやってきます。
計画が実行されると思っていた三宅の前で、山形は自分が考案した『大日本帝国食菜全席』に毒を盛るなどという行為はさせないと言い、来賓の前で『大日本帝国食菜全席』のレシピに火をつけて燃やしました。
正義を貫いた山形は三宅から銃殺されてしまいました。
鎌田は山形の亡骸にすがり付き謝罪をしながら泣き叫びました。
レシピは燃えてしまいましたが、千鶴が書き損じていたものを基にして制作したレシピが残されていました。
そのレシピは山形が関係を持っていたホテルの支配人に預けられていましたが、終戦後に楊晴明がホテルの支配人に頼まれ山形の一人娘の幸を探し出してこのレシピを返しました。
山形が亡くなった後に、幸は満州の日本軍の厨房で料理長を務めていた鈴木料理長(竹嶋康成)に育てられました。
そして成長した幸は料理人と結婚しますが、その夫に先立たれてしまっていました。幸は一人息子を授かっていました。
レシピを譲り受けた幸は山形の考案した『大日本帝国食菜全席』のレシピを元にお店を開店します。
しかし開店早々このお店は隣家の出した火が原因で火事に遭ってしまいます。
幸はレシピをどうにかして取り戻そうとして帰らぬ人となってしまいます。
その幸の一人息子、実はそれが充でした。
その後に充はレシピと共に施設に預けられ、健ともそこで出会い、育っていったのでした。
今回レシピを充に渡すにあたって、ただレシピを渡すだけでなく、そのルーツを充自身に感じてもらう事が大切だと考えた健たちのアイデアでした。
健は充が人間関係や借金返済の追われて諦めたような人生になっていることを心配していました。
そんな充を思ってのアイデアでした。
レシピの最後には幸が加えたメニューが記してありました。
果たして幸が加えたメニューとは…?
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映画『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』感想・評価
『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』は上質な映画といった表現が似合う作品だと思います。
ストーリーに僕は非常に美しさを感じました。壮大なスケールで繰り広げられる物語ですが、一人の人間のルーツを探る旅と再起を促す内容になっています。
かなりの感動作となっています。
少し醒めることを言って申し訳ないのですが、一番最初は映画を観ながら『うん?ニノがあんまり出て来ないぞ?』と思ったのが正直な気持ちです。
映画のジャケットなどではかなり中心に据えられていてがっつり出番があるのかと思いきや、満州編がかなり長いので時間的な出番はさほど多くはないのです。
しかし確かにニノ演じる佐々木充の物語なので、こういった宣伝の扱いになることも自然ですし、何より二宮和也を全面に出すことの宣伝効果が絶大であることは誰でもわかることなので、こういった形になったのでしょう。
しかし少ない出番ながらさすがの演技を魅せてくれるあたりは本当にさすがです。
相変わらず怖いぐらい自然な演技を魅せてくれる二宮和也さんですが、面白いなと思ったのがそんな二宮和也さんの演技につられる形で、綾野剛さんの演技も他の映画に出演している時よりも非常に自然に見えました。
演技ってこういうところが面白いんですよね。
しかし二宮和也さんのあの演技している感じがまったくない演技は本当に唯一無二だなと今回の『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』でも怖いぐらい感じました。
こういった少し仰々しい作品であってもなんらいつも通り変わらず演技してしまうあたりが、評価の高い俳優で居続ける一つの要因なのだと思います。
簡単そうに見えて本当にこういう演技って難しくてやろうとしてもできないんです。
でもそんな演技を二宮和也さんはいとも簡単そうにやってしまうんですよね。
西島秀俊さんも宮崎あおいさんももちろん良かったのですが、個人的には竹野内豊さんが好きという事もあり、今回の軍人役もいい感じのヒール感を出していて僕は好きでした。
毒のことを山形に話すシーンの表情はかなり秀逸だったと思います。
感動できる非常に上質な映画です。おすすめ映画です。ぜひ。
映画『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』
天才料理人は『最後の一皿』に何を託したのか。
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