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映画『来る』作品情報
今回の絶対おすすめ映画シリーズは『来る』です。
映画『来る』は映画館で観てきました。一人で観るのは怖いなぁと気が引けていたのですが、誰かと予定合わせてとか待ってられなくなってしまい、「いいや観ちゃえ!」という事で観てきました。
しかもレイトショーで。自転車で行ってたから観る前は帰り大丈夫かな~と心配していましたが、映画『来る』はいい意味で予想を裏切ってくれて面白かったです!
それでは映画『来る』の映画紹介です。
映画『来る』は2018年公開の日本映画です。
上映時間は134分です。
原作は澤村伊智の『ぼぎわんが、来る』です。
監督は中島哲也監督。『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』『告白』『渇き。』などの監督です。そして80年代の『バカヤロー!』シリーズも撮ってたんですね、これは知らなかった…。
キャストは
野崎和浩…岡田准一
田原香奈…黒木華
比嘉真琴…小松菜奈
比嘉琴子…松たか子
田原秀樹…妻夫木聡
津田大吾…青木崇高
逢坂セツ子…柴田理恵
高梨重明…太賀
店長…伊集院光
ほか。
映画『来る』ネタバレ・あらすじ
祖父からそれへの対処法を教えられていた秀樹(妻夫木聡)。
それとは三重県のある地方に伝わる妖怪・ぼぎわん。
それが来たら決して戸を開けてはいけない、声に反応してはいけない、そうしなければお山に連れ去られてしまうというもの。
秀樹はこのぼぎわんと幼少期に出会っており、ガラス越しに灰色の物体を目撃していた。その時はそれ以上姿を見ることはなかったが、その後に祖父の銀二は他界する。
また幼少期の女友達が「私はもうすぐ連れ去られる」と秀樹に言っていて、その女の子は謎の死を遂げていた。そしてその女の子は秀樹にこうも言っていた。「あんたも連れ去られるよ。嘘つきだから」と。
時は流れ秀樹は結婚し妻の香奈(黒木華)と家庭を築いていた。子供にも恵まれ二人の間には娘のちさが産まれます。
ちさは順調に成長し2歳となりますが、秀樹の元には確実に不穏な影が忍び寄っていました。
イクメンとしてブログを更新し、理想の父親像を目指す秀樹でしたが、妻・香奈との間には深い溝が出来ていました。
秀樹は世間体やブログの作り上げた父親像だけに固執し、実際にはお世辞にもいい父親とは言えない状態で、香奈はストレスを募らせます。
そしてある夜、秀樹が帰宅すると、自宅にあったお守りたちは切り刻まれ、荒れ果てた部屋でちさを抱いた香奈が床にへたりこんでいました。
響く鳴き声の中、秀樹は激しく動揺しながら尋ねます。「何か…来たのか?」と。
秀樹の心の中には、ずっとあの少女の言葉が住み着いていたのです。「あんたも連れ去られるよ。嘘つきだから」という言葉が。
ある日、会社の後輩・高梨(太賀)が会社の下で秀樹に用のあるという人に話しかけられます。「ちささんのことで話がある」と言われたと告げる高梨ですが、秀樹が下に降りると誰もいません。
高梨はこの後謎の死を遂げる事となります。肩には乱杭歯で噛みつかれた不審な跡が残っていました。
それが来たのだと思った秀樹は、民俗学者で大学に務めている親友の津田(青木崇高)に相談します。
津田はオカルトライターの野崎(岡田准一)を秀樹に紹介し、三人は野崎の車である場所へと向かいます。訪れた部屋には霊能力を持つキャバ嬢の真琴(小松菜奈)がいました。
秀樹を霊能力で診察した真琴は秀樹に「奥さんと子供を大切にすればそれは来なくなる」と告げますが、この言葉に秀樹は怒り部屋を出ていってしまいます。
ところが秀樹が帰宅すると、野崎と真琴が秀樹の家に来ており、香奈とちさと楽し気に遊んでいました。事態が呑み込めない秀樹に野崎が真琴が現場を見たいと言って聞かなくて仕方なくと秀樹に告げます。
そして野崎と真琴が秀樹の部屋に訪れている時にそれはやってきました。抗戦する真琴ですが力尽き床にへたりこみます。それも一時は退散したようでした。その時真琴の携帯電話が鳴ります。姉の琴子(松たか子)からでした。琴子は真琴に秀樹と電話を替わるように言い秀樹に話します。
「あなたに迫っているものは非常に強大な力です。真琴では手に負えないでしょう。逆に足りない力で応戦して却って刺激してしまったようです。私は他の案件を抱えているためそちらにはいけませんが、ある人物を紹介します。」
琴子は絶大な力を持つ霊能者で真琴がもっとも尊敬しまた恐れている姉でもありました。
琴子から紹介された霊能者はテレビにも出ている人物で、しっかりとした能力を持つ逢坂(柴田理恵)でした。
逢坂と野崎と秀樹で中華料理屋で落ち合いますが、その時に秀樹の携帯電話が鳴ります。それからの着信でした。
逢坂は電話に出るように言い、好きなだけ喋らせなさいと秀樹に言います。
しかし電話の声は秀樹に変わり香奈に浴びせた心無い言葉でした。
秀樹は逆上し反応してしまいます。その時それは中華料理屋にやってきて逢坂の片腕を食いちぎってしまいます。
野崎は秀樹にすぐに家に帰るように言い、野崎は香奈にちさを連れて家を出るように指示し、自身もタクシーに乗りこみます。
自宅を目指していた秀樹でしたが誰もいない自宅に戻っても仕方ないことに気付き、どうすればいいかもわからなくなっていると、携帯電話が鳴ります。相手は琴子からでした。
琴子はそれの目的はあなただから一人で自宅に戻るように言い、呼び寄せるための準備をするように秀樹に指示しました。
お椀に水を入れて廊下に並べ、家にあるすべての鏡を割るように言い、自宅にある刃物もすべて包んで引き出しか押し入れに入れるように指示しました。
秀樹は必死に言われた通りにし、玄関を開け放ちそれが来るのを待っていました。
すると自宅の電話が急に鳴り出します。琴子は自宅の電話に出てはいけないと秀樹に言います、ところが留守番電話の応答メッセージに対して喋り出したのは琴子でした。
携帯電話で琴子と話している最中の秀樹はわけがわからず、そのまま自宅電話にかかってきた琴子の声を聞きます。
「それは鏡と刃物をひどく嫌います。鏡の前で刃物を持っているようにしてください」と。携帯電話にかかってきた琴子の指示によって、刃物は引き出しにしまい、鏡はすべて割ってしまっていました。
携帯電話で秀樹が話していた琴子は、それが琴子になりすまして秀樹と話していたのでした。
気付いた秀樹でしたが時はすでに遅く・・・それは悠々と秀樹のもとへやってきて秀樹を襲いました。
次の瞬間には、胴体から下がなくなった秀樹が横たわっていました。
これでそれの影響はすべて終わるかに思われましたが、この出来事はまだ序章に過ぎなかったのです…。
香奈は娘を育てるためにスーパーでパートを始めますが、娘の知紗は身体が弱く保育園から呼び出されることも多くパートを早退する頻度も増え、スーパーで肩身の狭い思いをしストレスを募らせていき育児ノイローゼになっていきました。
そんな時に津田から連絡があり香奈は悩みを相談するうちに男女の関係へと発展してしまいます。
真琴に知紗のお守りを頼んで津田に会いに行った香奈は津田とベッドで関係を持ちますが、その時の津田の背中には異様な傷が存在していました。
香奈の家にいた真琴は香奈の家にあるお守り札がそれを呼ぶこむものだと気が付き破り捨てます。
香奈は帰宅すると真琴に対していきなり娘の知紗をあげると言い出します。
その瞬間それがいきなり襲い掛かってきます。真琴はベランダに出て応戦しますが、ベランダの窓ガラスが一瞬で血に染まります。
知紗を抱いて逃げ出した香奈は野崎に逃げるように指示されますが、行き場所がありません。
レストランのトイレに逃げ込んだ香奈でしたが、それはそこにもやってきて香奈を襲い、香奈は血まみれで絶命しました。
真琴は命はなんとか助かり、訪れた琴子のお祓いによって驚異的に回復します。
事態を重く見た琴子は野崎に対して自分がこの事態を収めると話し、日本中から霊能力者たちを呼び寄せます。
しかし琴子のもとへやってくる最中に霊能力者たちは次々に殺害され、なんとか辿り着いた者たちだけが琴子の元へ集結しました。
琴子は驚異的なコネクションを使って警察の全面協力を得て、香奈のマンションの住人たちを非難させ封鎖します。
野崎は何か力になろうと香奈と秀樹の住んでいた部屋に入ります。掃除を言いつけられますが、部屋に入ると霊媒師のセツ子と座っていたのは死んだはずの秀樹でした。
秀樹は整然と同じようにせっせとブログを更新しています。
その秀樹の手にセツ子がいきなり刃物を突き立てました。痛がらない秀樹に対し、死んでいるから痛くないのだと諭すセツ子。
その言葉を聞いた秀樹はやっと自分の死を自覚し消滅しました。
すると部屋に琴子がやってきました。部屋から出て行くようにと言われますが、野崎は見届けると言って部屋に残ります。
琴子が儀式を開始しました。
マンションの外では集まった霊能力者たちが何時間も祈りを捧げていました。
そしてついにそれがやってきます。琴子はそれの元凶が知紗にあることに気付き、鎮めるために知紗に対して祈祷を開始します。
苦しそうに顔を歪める知紗。野崎は見ていられずつい琴子の祈祷の邪魔をしてしまいます。祈祷に使っていた鏡を割ってしまったのでした。
琴子のバランスは崩れ口から大量の虫を吐き出します。強大な力を持った琴子でさえもそれに体を蝕まれていたのでした。
琴子は知紗と野崎を守るためにベランダから突き落としました。
その瞬間部屋のベランダからは大量の血が噴出しました。
野崎と真琴と知紗の運命は…?
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映画『来る』感想・評価
中島哲也ワールドが思った以上にしっかり堪能できる映画でした。中田監督あたりが撮ってたら全く違う作品になっていたと思いますが、中島哲也ワールドで僕はとても満足しています。
ホラーなんだけれどもただのホラーではないです。予告編をいい意味で裏切ってくれていると思います。
それの正体が非常に気になるところだと思いますが、なんとも言い難いのです。
一応ネタバレもしないようにあらすじも書かせて頂きましたが、霊的なホラーではあるのだけど、人間の悪しき部分に焦点を当てている作品だと思います。
結構「えー!」と思う展開なので普通に映画として面白いです。
ホラーで怖いという要素以外も非常に楽しめると思います。ストーリー的な部分は現段階で触れづらいので、キャストの焦点を当てて感想を。
他の感想でも書かれているのを目にしましたが、松たか子さんがめちゃくちゃカッコいいです。好きになってしまいそうでした(笑)
実は予告編を観ててミスキャストなんじゃなかなぁと思っていたのです。中島監督が起用したいだけなんじゃないかと思っていたのですが、いやはや…謝ります。
松たか子さん本当にすごく良かったです。ハマってましたし、岡田君をワンパンでのしたときは声を出して笑ってしまいました(笑)最後までカッコ良かったです。心情的に琴子よりになっている自分がいたぐらいなので。
妻夫木聡さんも本当にいい役者になったなぁと思わずにはいられませんでした。あの笑顔でイライラさせてくれるあたり演技が上手い証拠です。マジ自分勝手で悪気ないからたちが悪い。キャラクター的にも合っていてナイスキャスティングだったと思います。
青木崇高さんは、僕は展開を読む力が弱いので充分「まじかよ・・・」と思わせてくれました。しかしこの人も上手いですよね~キャラも立ってて楽しませてくれました。
岡田准一さんもすごく良かったと思います。この人V6なんだよなと再確認したくなるぐらい、役者ですよね。実は退屈な俳優と言うイメージもある俳優だったのですが、この映画ですごく僕の評価が上がりました。ふとしたリアクションとかも面白いところ結構ありましたし。
小松菜奈さんもめっちゃ良かったです。もう中島監督との信頼関係もきっとあるんでしょう。過激なビジュアルに負けない演技を見せてくれています。この女優さんこれからもめっちゃ出るだろうなぁって観てて思いました。激昂する芝居とかもすごく良かったです。若い人にありがちなエゴのある芝居を一切しないところがすごく好感持てました。顔小さすぎですけどね(笑)何頭身やねんって思ってしまいました(笑)
柴田理恵さんはさすがの一言と言うか、こんなにガチで演じている柴田理恵さんあんまりお目にかかれない気がします。もう説得力もあるし言うことなしでした。愛すべきキャラクターに仕上げていましたし。
太賀君も若手ではかなり重宝されている俳優ですよね。今回もふり幅しっかり見せてくれていて良かったです。
そしてこの映画で一番良かったのは、名もない役のキャストの方々がとても良かったことです。アルバイトみたいなエキストラをたぶん使ってないと思います。
普通エキストラの人がやるようなところもちゃんと役者の人が演じてくれていたのではと思います。
浮いている人が誰一人いなかったです。結構興ざめしてしまう大切な部分なんですよね。そういった部分もすごく良かったと思います。
僕みたいに怖いの苦手だから一人で観るのはちょっとな~と思っている人がいらっしゃいましたら、そこの部分は大丈夫だと思います。
怖さはいい意味で中島哲也ワールドが緩和してくれます。エンターテインメント映画として観に行って全然オーケーだと思います。どちらかと言うと僕は考えさせられる映画でしたし。
踊る大捜査線を思わせる大掛かりな撮影も僕はクスッとしてしまいましたし。
ただもちろんドキドキする部分は充分ドキドキします。
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