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映画『ヒアアフター』作品情報
映画『ヒアアフター』はクリントイーストウッドが監督をした、マットデイモン主演のファンタジー映画です。
一度死後の世界を経験した人間たちと大切は人を失い、その悲しみに直面した子供を描いた感動ドラマとなっています。
静かな映画ですが、運命を受け入れていく様子など様々なことを考えさせられる映画です。
それでは『ヒアアフター』の映画紹介です。
映画『ヒアアフター』は2011年に日本公開したものの東北地方太平洋沖地震の影響を考慮し公開がすぐに終了となったアメリカ映画。(映画の冒頭に津波のシーンがあるため)
上映時間は129分。
監督はクリント・イーストウッド監督。
『ミリオンダラーベイビー』『グラントリノ』『ジャージーボーイズ』などたくさんの名作を監督しています。
キャストは
ジョージ・ロネガン…マット・デイモン
マリー・ルレ…セシルドゥ・フランス
マーカス…フランキー・マクラレン
ジェイソン…ジョージ・マクラレン
ビリー・ロネガン…ジェイ・モーア
メラニー…ブライス・ダラスハワード
ルソー博士…マルト・ケラー
ディディエ…ティエリー・ヌービック
デレク・ジャコビ…本人役
ほか。
映画『ヒアアフター』ネタバレ・あらすじ
フランス人の女性ジャーナリストのマリールレ(セシルドゥフランス)は、恋人のテレビの報道番組のディレクターのディディエ(ティエリーヌービック)と共に東南アジアにバカンスに訪れていました。
起床したマリーはまだベッドに入っているディディエをホテルに残して、1人でお土産を物色しに街へと繰り出しました。
気に入ったお土産を見つけて買い物をしていたマリーでしたが、街の様子が突然物々しくなります。
マリーが向けた視線の先には大きな津波が押し寄せてきていました。
慌てて逃げるマリーでしたが、波の勢いはすさまじく飲み込まれてしまいます。そのまま流されて水中で息のできなくなったマリーは臨死体験をします。
マリーの前にはこれまで経験したことのない光景が広がり、身体もこれまでにない感覚を覚えていました。
マリーはその後、街の助かった住人が人工呼吸などをしてくれたおかげで息を吹き返し一命を取り留めます。
津波の様子をホテルの部屋から驚愕して見ていたディディエは、街にメリーを探しに出て、放心状態で歩いているマリーを発見しました。ディディエとマリーは強く抱擁をしました。
帰国をしてこれまで通り報道番組の収録に臨むマリー。マリーは報道番組のキャスターも務めていて、その番組のディレクターがディディエでした。
児童就労がテーマの回で児童就労を肯定する意見をただ聴いているマリーに、ディディエは「反論しろ」と指示を出します。
しかしマリーは臨死体験をしてから上の空になっていることが多く、この時もい視点が定まっていない様子で有意義な収録を行うことができませんでした。
ディディエはマリーにしばらく休養を取ってはどうかと提案します。マリーはジャーナリストなので本業の執筆活動にしばらく集中することにします。
ロンドンに一卵性双生児の双子マーカス(フランキーマクラレン)をジェイソン(ジョージマクラレン)がいます。
父親はいなく母親と3人で暮らしていましたが、2人の母親は薬に溺れていて児童相談所から目をつけられていました。
母親を失いたくないマーカスとジェイソンは児童相談所の職員が家に来るとなんとか母親の悪いところを見せないように躍起になっていました。
そんな2人の頑張りもあってか母親は少しづつ立ち直ろうという意思を持ち始め、薬を断つために服用する処方箋を取りに行ってきてくれないかとマーカスに頼みます。
マーカスが薬局に行こうとするとジェイソンが「マーカスは宿題が終わってないから」と言って代わりに行きます。
携帯電話を使ってジェイソンは家にいマーカスに電話をして「ママが立ち直ろうとしている」と喜んでいました。
しかしジェイソンは帰り道で町の不良たちにからまれて、逃げている最中に交通事故に遭って帰らぬ人になってしまいます。
遺されたマーカスは母親とも引き離されることになり、里親になってくれる家庭にお世話になることになります。
しかしマーカスの心の傷は癒えず、里親の家庭のお金を盗んで霊能者と言われる人物たちの元を渡り歩きます。ジェイソンともう一度話がしたかったのでした。
しかし自称霊能者の人たちはみんなインチキなかりで、マーカスは落胆していました。
サンフランシスコに住んでいるジョージロネガン(マットデイモン)は元々は霊能者として有名で活躍をしていましたが、現在は「この能力は才能ではなく呪いだ」と言って一切霊視を行う事をやめて、工場で変わりのない毎日を送っていました。
工場の給料は決して高くはありませんでしたが、ジョージはそれで満足していてささやかな幸せを噛み締めていました。
ジョージが霊能力を持ったきっかけは子供の頃に病気を患って大手術をしたのがきっかけでした。手術の最中にジョージは一度命を落とし臨死体験をしてそこから蘇生してから、亡くなった人が見えるようになりました。
他人の手に触れるとその人の亡くした大切な人とコンタクトが取れるようになり、霊能者として活躍していました。
ジョージには兄のビリーロネガン(ジェイモーア)がいて、ビリーは弟の才能を活かしてビジネスを拡大し、ジョージは当時本を出版するほどになっていました。
しかし自分が行っていることに疑問を感じたジョージは霊能力者として一切仕事をしないと決めて、工場で真面目に働いています。
ある日、ビリーは友人を家に連れてきて霊視をして欲しいと頼みます。ジョージは頑なに嫌がりますが兄の友人と言いう事で仕方なく霊視をしました。
ビリーの友人はジョージの力は本物だと言って「金になるのに」とビリーに行って帰っていきました。
口外しないようにと言っていたのにこの友人は他の人間に話してしまい、1人の娘を亡くした女性が霊視をして欲しいとジョージを訪ねてきます。
人のいいジョージは断り切れず、仕方なく霊視をした後にビリーに文句を言いました。
ビリーは今でもジョージに「才能を活かすべきだ」と言っていました。ビリーにとっては弟の才能を活かしたビジネスは魅力的でした。
ジョージは工場勤めをしながらイタリア料理の教室に通っていました。そこで知り合った女性メラニー(ブライスダラスハワード)と仲良くなります。
ジョージはメラニーに好意を持ちますが、メラニーがひょんなことで過去にジョージが霊能者であることを知ってしまい、自分を見てほしいと頼みます。
ジョージはそこでメラニーの辛い過去を指摘してしまい、いい感じだった2人の関係は壊れてしまいました。
さらに工場で人員削減の話が出て、ジョージは真面目に働いていたにも関わらず早期退職を勧められます。
ジョージは霊能者として再び仕事をする決心をします。これに喜んだのは兄のビリーで早速オフィスなどを借りてビジネスの準備を迅速に行っていきました。
ジョージは悩んだ末にある結論を出しました。ビリーにあてて手紙を書きます。内容は霊能者としての仕事はやはり辞めておく、しばらく街を離れるがいつ戻るかはわからないという内容でした。
ジョージはそのまま旅に出ます。
一方ジャーナリストのマリーは臨死体験についての本を執筆しました。
しかし出版社はまったく違うテーマでマリーにオファーを出していたのに、いきなり死後の世界に関する本を書いてきたマリーを前にして困惑します。
マリーは「おもしろいでしょ」と言い出版社の人間も「たしかに面白い」と返しました。
マリーは臨死体験で見た光景を話せる相手を探していました。インターネットで臨死体験について研究しているルソー博士(マルトケラー)を見つめてマリーは会いに行きます。
ルソー博士は元々死後の世界に否定的な考えを持っていましたが、蘇生した患者の多くが話してくれる内容が似ていることが多く、信じるようになったと話してくれ、マリーも自分の体験を話しました。
マリーは本を出版し、イベントでサイン会を開いていました。
そのイベントにたまたま大好きな作家のディケンズの朗読を聴きに来ていたジョージが現れました。ジョージはすぐにマリーから何かを感じ取ります。
本を買ってマリーから手渡された時にジョージは彼女が見た光景を見ます。
そこに里親と遊びに来ていたマーカスが現れました。マーカスは霊能者を調べていたのでジョージのことを知っていて、「霊能者の人でしょ?」と無遠慮に訊いてきました。
霊能者としての自分を捨てたいジョージはシラを切りますが、マーカスはジェイソンに会いたいので必死にジョージに食い下がります。
ジョージは仕方なくその場を去りホテルへと戻りました。
しかしマーカスが後をつけて来ていて、ホテルの前で待っているのが窓から見えます。
いつまで経っても帰らないマーカスに根負けしたジョージは、仕方なくマーカスの元に行き部屋に連れてきます。
マーカスを座らせて霊視を開始するジョージ。ジョージはすぐにマーカスが兄を亡くしたことを理解し、双子であることも言い当てました。
亡くなっているジェイソンと話すジョージはその言葉をマーカスに伝えます。
ジェイソンはマーカスにしっかりするように言っていました。マーカスは寂しいと言って泣いています。
またジョージはマーカスに「地下鉄で帽子を脱がせたのは自分の仕業だ」と話しました。ジョージにはなんのことかわかりませんがマーカスにはわかっていました。
マーカスが地下鉄に乗ろうとした時に雑踏の中で突然帽子が脱げてしまい、なかなか拾えないでいると電車が発車してしまったのです。
しかしその電車は発射直後にテロに巻き込まれて爆発したのでした。ジェイソンがマーカスを助けたのでした。
ジョージは「でも助けてやるのがあれが最後だ」と言ってるとマーカスに伝えます。
だからしっかりするようにと言っているとマーカスに伝えました。
マーカスはジョージのおかげで大好きな兄のジェイソンと交信をすることができたのでした。マーカスは母親のいる施設を訪れていました。
ジョージはマリーに事が気になっていました。するとホテルの電話が鳴り、マーカスがマリーの宿泊してしているホテルを教えてくれました。
マーカスは「本の感想を伝えたい」と出版社に言ってホテルの場所を聞いたと言いました。
ジョージはそのホテルを尋ねますがマリーは不在でした。
フロントに伝言のメモを残すジョージ。
カフェでマリーを待っているとジョージの前には…。
結末は本編をご覧ください。
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映画『ヒアアフター』感想・評価
映画『ヒアアフター』は、観るタイミングによって感じ方がすごく変わってくるだろうなと感じた映画でした。
現在の僕の年齢で鑑賞しても十分楽しめたのですが、例えば10年後にまた鑑賞したら現在よりもさらに楽しめるような気がしてなりません。
逆に10年間にこの『ヒアアフター』を観ていてももしかしたら今ほど楽しめなかったんじゃないかなと思います。これは完全にたらればですが。
死ということに対して経験が多い人ほどこの『ヒアアフター』という映画は響くのではないでしょうか。
自分がそうなってしまっては映画を鑑賞することができないので、自分の周囲の大切な人を亡くした経験がある人ほど心に響く映画です。
クリントイーストウッド監督がキャストの心情描写を巧みに演出していて、マットデイモンをはじめとしたキャストの面々もみなさんとても魅力的で一切文句がありません。
中でもマーカスを演じた子役のフランキーマクラレンが素晴らしく見事に感動させられました。
演技をしていない印象を観ていて与えてくれました。
誰もが直面する死がテーマになっている映画ですが、観終わった後に重苦しい心持ちになる映画ではありません。
それどころか前向きになれる映画となっています。
おすすめ映画です。ぜひ。
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