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映画『エスター』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『エスター』です。
公開当時にかなり話題を呼んだ作品で、ハードル高めで鑑賞しても期待を裏切らないクオリティの映画です。
レオナルド・ディカプリオが製作に名を連ねていることでも有名な作品です。
映画『エスター』は実話なのか?と世間を賑わせていたようですが、実際に『エスター』と酷似した事件は起きています。
リアルエスター事件と呼ばれる『ナタリア事件』という実際に起きた出来事があります。
詳しくは後ほど後述します。
それではさっそく映画『エスター』を紹介していきましょう。
映画『エスター』は2009年に公開されたアメリカ映画。
上映時間は123分。
監督はジャウム・コレット=セラ。『フライト・ゲーム』『ロスト・バケーション』などを監督しています。
製作はレオナルド・ディカプリオ、ほか。
【キャスト】
ケイト・コールマン…ヴェラ・ファーミガ
エスター…イザベル・ファーマン
ジョン・コールマン…ピーター・サースガード
ダニエル・コールマン…ジミー・ベネット
マックス・コールマン…アリアーナ・エンジニア
シスター・アビゲイル…CCH・パウンダー
バーバラ…ローズマリー・ダンズモア
ほか。
映画『エスター』ネタバレ・あらすじ
ケイト・コールマン(ヴェラ・ファーミガ)は3人目の子供を妊娠していましたが、おなかの中で子供をなくしてしまい、そのことがトラウマになっていました。
ケイトには夫のジョン・コールマン(ピーター・サースガード)や息子のダニエル(ジミー・ベネット)、娘のマックス(アリアーナ・エンジニア)がいて家族に恵まれていましたが、流産した悪夢を未だに見るなど情緒不安定な状態が続いていました。
ケイトとジョンは孤児院に行き、そこで出会ったエスター(イザベル・ファーマン)という9歳の少女を養子に迎えることを決めます。
孤児院のスタッフであるシスター・アビゲイル(CCH・パウンダー)も、エスターは賢くて利口な子だと太鼓判を押していました。
エスターが孤児院からケイトとジョンの家へとやってきました。
エスターはジョンの運転する車の中で、難聴のため手話で会話をするマックスのために懸命に手話を覚えました。
エスターはすぐに妹となったマックスと仲良くなりましたが、兄となったダニエルは両親の愛を独り占めしようとするエスターを快く思っていませんでした。
最初こそおとなしく生活していたエスターでしたが、だんだんと不思議な面を見せ始めます。
学校に通い始めたエスターは自分の悪口を言った相手に執拗に恨みを持ったり、ダニエルがモデルガンで打ってしまったために瀕死の状態になっている鳩を見て、ダニエルに「あなたの責任なのだからひと思いにとどめを刺して楽にしてあげなさい」と指示し、ダニエルが躊躇しているのを見ると自分で石を叩きつけて瀕死の状態の鳩の命を奪ってしまいました。
ダニエルはエスターのこの時の様子を見て、エスターとさらに距離を取るようになります。
しかし妹のマックスはエスターへの恐怖心も芽生えていたため、どんどんエスターの言いなりになっていってしまいます。
ある時エスターは自分が良く思っていない少女をアスレチックの上から突き落として怪我をさせてしまいます。
この様子をマックスは見ていましたが、「怪我をした少女は足を滑らせただけ」と両親に伝えていました。
エスターには、やけに大人びている面もありました。
エスターの発言や行動に対して(弾けないと言っていたピアノが最初からなぜかある程度弾けた)、ケイトは不信感を募らせていきました。
エスターがいた孤児院のシスターアビゲイルが、ケイトとジョンの家にやってきます。
シスターアビゲイルは、エスターがこれまでたくさんの問題を起こしていたことを2人に告げます。
ケンカで怪我をしたり、家が放火によって全焼してしまったりなど事件が起きる現場には、常にエスターの姿があったことを話します。
ジョンはそこまで大きな問題と捉えていませんでしたが、エスターに対して不信感を持ち始めているケイトは子供たちに危害が加えられるのではないかと危機感を覚えます。
この話を2階からこっそり聞いていたエスターは、自分がこの家から追い出されることを危惧し、ジョンの部屋に侵入し拳銃や斧などを収集しました。
妹のマックスもエスターの手伝いをさせられています。
シスターアビゲイルは「調査をして再び連絡する」とケイトとジョンに言い、車で孤児院へと帰って行きます。
エスターとマックスは、シスターアビゲイルが通るであろう道で待ち伏せをしていました。
エスターはシスターアビゲイルの車を止めるために、いきなりマックスを道路に突き飛ばします。
驚いたシスターアビゲイルは何とかマックスを避けます。
車から降りてマックスに駆け寄るシスターアビゲイルの元に、斧をもったエスターが近づいてきます。
エスターはシスターアビゲイルの命を奪ってしまいます。
マックスも共犯とされ、エスターはダニエルが隠れ家として使っている小屋に犯行に使った道具を隠しました。
ダニエルはエスターの犯行に気付きましたが、寝ているところを喉元にカッター押し付けられながら脅迫され、エスターに逆らえない関係になってしまいました。
ケイトとジョンは、エスターに精神科医の診察を受けさせます。
ところが精神科医はエスターに全く問題はないと言い、それよりも問題はケイトにあると告げました。
エスターはケイトに対して非常に緊張感を持っていると話し、ケイトの過去のトラウマが無意識にエスターを敬遠しているのではないかと話しました。
ケイトは憤慨しますが、エスターの味方になることが度々あるジョンはケイトに問題があることに納得する態度を示していました。
エスターはジョンと話し、ジョンからケイトのために何かプレゼントをしてみてはどうかとアドバイスを受けます。
エスターはケイトに花束をプレゼントしますが、その花束は流産して亡くなった子供の代わりとして育てている花を刈り取って作った花束でした。
ケイトは以前にエスターにその話をしていたので、エスターが好意的に行ったと激怒します。
ケイトは軽くエスターの腕を掴みましたが、後日エスターの腕が骨折していたことが発覚しジョンはケイトに対してさらに批判的な態度を見せるようになります。
ケイトはあの程度で腕が折れるわけがないと主張していました。
気がつけばケイトは、自分が問題である人間のように見られどんどん孤立していっている自分に気が付きました。
精神的に追い詰められたことからやめていたアルコールに手を出しそうになりましたが、なんとか思いとどまり買ってきたワインをすべてシンクに捨てました。
ケイトはエスターの持ち物から、エスターがロシアにいた頃に入っていた孤児院に連絡を取ります。
ケイトはエスターがいたロシアの施設が孤児院ではなく精神病院であるという衝撃の事実を知ります。
その頃ダニエルはマックスから情報を聞き、自分の隠れ家にエスターが利用した道具が隠されていることを知ります。
ダニエルはエスターの犯行を暴露しようとしますが、エスターに感づかれてしまい隠れ家に閉じ込められ火を放たれてしまいます。
なんとか逃げたダニエルでしたが落下した際に頭を強打してしまい、意識不明の状態で病院へと運ばれました。
一命を取り留めたダニエルでしたが、エスターは秘密を知っている男性の始末しようと隙を突いて命を奪おうとします。
一度は心肺停止になったダニエルでしたが、なんとか心肺を取り戻しました。
直感的にエスターが何かをダニエルにしたと感じたケイトは、エスターにおもいっきりビンタを食らわせます。
ケイトはそのまま拘留され、病院で一夜を過ごすことになりました。
そんなケイトのもとにエスターのことを尋ねていた精神病院の医師から、折り返しの電話が入ります。
精神病院の医師と話したケイトは、エスターに関する驚愕の事実を知ることになります。
精神科医はケイトに家族をエスターの近くから避難させるように指示します。
エスターは実は下垂体機能低下症で、実年齢は33歳だったのです。
エスターはこれまで7人の命を奪ってきた人間だったのです。
慌てて車をとばしてジョンとマックスの元へと急ぎます。
しかし…すでにエスターの魔の手はジョンに迫っていました。
果たしてケイトとジョンとマックスはエスターから逃れることができるのか…?
衝撃の結末は本編をごらんください。
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映画『エスター』感想・評価
映画『エスター』の存在は知っていたのですが、なかなか観る機会がなくようやく鑑賞した形になりました。
観る機会は自分で作るものなので、正直に言いますと映画のジャケットを見た時点であまりそそられなかったんですよね。
知人にオススメされたのがきっかけだったのですが、はっきり言って相当面白い映画でした。
逆に狙いなのかもしれませんが映画のジャケットだけだと『エスター』がどんなストーリーなのか全くわからないので、僕みたいにあまりそそられないから観なかったという人が結構いると思うので、もしかしたらジャケットで損をしてる映画なのではないかと思います。
映画自体は本当にかなり面白かったです。
レオナルド・ディカプリオが製作に名を連ねているだけのことはあります。
「たいして怖くないだろう」と思って『エスター』を鑑賞し始めたのが、大きな間違いでした。
僕がホラーはあまり得意ではないということもありますが、めちゃめちゃ怖かったしかなり気味が悪かったです。
いい年こいてトイレに入っている時に少し怖くなったほどです。
エスター役のイザベル・ファーマンがかなりいい味を出しています。
エスターの役柄そのままに、本当は大人なんじゃないか?思ってしまうほど類まれな演技力を発揮しています。
妹のマックスを演じたアリアーナ・エンジニアもめちゃくちゃ演技がうまかったです。間違いなく天才子役と言っていいレベルでした。しかもルックスもとっても可愛らしい。
映画『エスター』はイザベル・ファーマンをキャスティングした時点で、すでに成功していたのかもしれません。
そう思うほどイザベル・ファーマンはエスター役にハマっていましたし、イザベルファーマンが演技の中で醸し出す不気味さが、映画『エスター』のサスペンスホラーとしてのクオリティのレベルをガツンと上げています。
しかも映画『エスター』は、サスペンスホラーというジャンルだけでくくってしまうのはもったいないぐらい脚本が秀逸です。
謎が解けた後に様々な伏線に気づくはずです。
伏線回収だけならよくあるサスペンスとして片付けられるかもしれませんが、エスターの感情が大きく関わってくるヒューマンドラマでもあるのです。
エスターが起こしている狂気的な行動は、嫉妬心などのエスターの感情が原動力となっているのです。
見終わった後に「本当によく出来た作品だなあ」と感心してしまいました。
感心する以前に普通に怖かったのが本音ですが…。
映画『エスター』は久しぶりに「めちゃくちゃ面白い!」と思える映画でした。
友人の勧めがなかったら観ないままだった可能性があるので、見るきっかけをくれた友人に感謝です。
かなり面白いので、まだ観たことがないという人はぜひ鑑賞してみてください。
映画『エスター』
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『エスター』は実話?リアルエスター事件『ナタリア事件』とは?
映画『エスター』は実話なのか?という噂について解説します。
映画『エスター』に酷似している事件があったのは事実ですが、事件が起きたのは映画公開をなので映画『エスター』が実際に起きた事件にインスパイアされて製作されたものというわけではありません。
つまり映画『エスター』は実話が元になっている映画ではありません。
エスターの公開後に起きた、映画の内容と酷似した事件は『リアルエスター事件』と呼ばれていて、小人症のナタリアという女性が事件の当事者ということもあり『ナタリア事件』として有名になりました。
6歳のはずのナタリアは年齢よりも成長していることや語学などが堪能だったことで、ナタリアを引き取った夫婦が医学的に年齢を調べた結果、思っていた年齢よりも14歳も年上だったことが発覚しました。
夫婦はそのままナタリアと暮らしますが、ナタリアは暴力的になっていき結果的に精神病院に入院することになります。
しかし夫婦は離れて暮らすようになってもナタリアへの援助を続けていました。
しかし、ある時ナタリアは育児放棄を行ったとしてこの夫婦を訴えます。
現在もこの訴訟の行方に注目が集まっています。
このように映画『エスター』に見ている事件が世の中に広まったため、「映画エスターは実話なのでは?」という噂が広まったようです。
しかしナタリア事件が起きたのは映画『エスター』が公開された後なので、映画『エスター』とはなんの関係もありません。