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映画『容疑者Xの献身』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『容疑者Xの献身』です。
『容疑者Xの献身』は東野圭吾さん原作の大人気ドラマ『ガリレオシリーズ』の映画化第1弾となっている作品です。
テレビドラマの評判が良くハードルがかなり高い中での公開となったにも関わらず、高評価を得ている映画です。
福山雅治さんや柴咲コウさんを始めテレビドラマのキャストに追加して、堤真一さんや松雪泰子さんなどが出演し見応えのある演技を見せてくれています。
サスペンスやミステリーといったジャンルの作品なのですが、ドラマ的要素がかなり強く感動できる映画になっています。
それでは『容疑者Xの献身』の映画紹介です。
映画『容疑者Xの献身』は2008年に公開された日本映画。
上映時間は128分。
監督は西谷弘監督。
テレビドラマのガリレオシリーズ、映画化第2弾『真夏の方程式』でも監督を務めています。
原作は東野圭吾。
【キャスト】
湯川学…福山雅治
内海薫…柴咲コウ
草薙俊平…北村一輝
栗林宏美…渡辺いっけい
弓削志郎…品川祐
城之内桜子…真矢みき
工藤邦明…ダンカン
富樫慎二…長塚圭史
花岡美里…金澤美穂
森英太…伊藤隆大
草野球の監督…リリー・フランキー
葛城修二郎…益岡徹
花岡靖子…松雪泰子
石神哲哉…堤真一
ほか。
映画『容疑者Xの献身』ネタバレ・あらすじ
小さなお弁当屋を経営する花岡靖子(松雪泰子)は、娘の花岡美里(金澤美穂)と2人で仲良く暮らしていました。
アパートの隣に住んでいる高校の数学教師・石神哲哉(堤真一)は、出勤前に靖子の弁当屋で弁当を買っていくのが日課となっていました。
石神が仕事を終えて帰宅し部屋で数学の研究をしていると、隣人の靖子の部屋から揉めているような物音が聞こえてきました。
靖子と美里のもとには離婚した元夫・富樫慎二(長塚圭史)が、靖子の居場所を突き止め押しかけてきていました。
富樫はお金にだらしがないどうしようもない男で、靖子に付きまとってお金を工面してもらおうと考えていました。
娘の美里が衝動的に、後ろから冨樫をスノードームのようなもので攻撃しました。
激昂した富樫は美里に襲いかかり殴りつけます。
その様子を見た靖子は近くにあったコタツのコードで富樫の首を締め上げました。
抵抗する富樫でしたが、コードを解こうとする手を美里が必死に押さえつけ、そのまま富樫は窒息して絶命しました。
隣人の石神は壁越しに物音を聞いていて、何が起きたかを察していました。
靖子の家のインターホンを押し大丈夫か尋ねる石神でしたが、靖子はゴキブリが出たと言って騒いでしまってごめんなさいとごまかしました。
石神はもう1度靖子に何があったかを尋ねました。
靖子は石神を家の中に上げ、富樫が横たわっている部屋に案内しました。
石神は靖子と美里を守るために、起きた事件を隠蔽することを決めます。
石神は靖子と美里に、自分に全て任せるように話しました。
河原で男性の遺体が発見されます。
遺体は指紋が全て焼かれていて、更に誰だか分からないように顔が潰されていました。
遺体の身元が富樫慎二であることがわかるまで、そう時間は長くかかりませんでした。
富樫は宿泊していた安宿の鍵を持ったまま外出し、そのまま行方不明になっていたので盗難届が出されていたのでした。
富樫が泊まっていた宿の部屋に残されたDNAなどを検出し、また冨樫が盗んで乗ってきたと思われる自転車に残されていた指紋が手がかりになり、遺体が冨樫であることや死亡推定時刻などが明るみに出ました。
警察は捜査を開始します。
複数の容疑者の中に浮上したのは、元妻である花岡康子でした。
刑事の草薙俊平(北村一輝)と内海薫(柴咲コウ)は、靖子の元に聞き込みに行きます。
アリバイを聞かれた靖子は石神に指示された通りに、犯行が行われたと思われる夜に自分と娘の美里が映画を見に行ってその後にカラオケに行ったことを話しました。
内海はアリバイがあったことで靖子を疑っていませんでしたが、草薙はアリバイができすぎていると逆に疑いを持ち始めていました。
2人が靖子のアパートから帰ろうとするところに、ちょうど隣人の石神が帰宅してきました。
石神は事件当日の夜に何か変わった物音などはしなかったかと聞かれましたが、特に何も気がつきませんでしたと答えました。
警察は靖子が犯人であると考え始めていましたが、決定的な証拠が見つからずにいました。
石神は公衆電話から靖子の携帯電話に電話をし、アリバイ作りなどの指示を出し続けました。
映画に行った際のチケットの半券を、引き出しなどにしまわずにパンフレットの間に挟んでおくようにも指示しました。
後日、草薙と内海が映画の半券のありかを聞きに再び靖子の元を訪れます。
靖子はパンフレットを内海に渡し、自分はチケットの半券を置いた場所を探し始めました。
パンフレットを見ていた内海は挟まれていたチケットの半券に気づきました。
靖子のアリバイはさらに強固なものとなりました。
内海と草薙はこれまでも事件解決に協力してもらっている帝都大学の准教授である湯川学(福山雅治)のもとを訪ねました。
湯川は興味がないと関心を示しませんでしたが、草薙が相手が美人であることを告げると「コーヒーでも入れようか」と2人を招き入れました。
事情を聞いた湯川は映画のチケットの半券がパンフレットに挟まっていたことを聞き、もしも靖子が犯人であるならば、かなり強敵だぞと草薙と内海に伝えました。
普通は映画のチケットの半券の保管場所にまで気を遣わないから、というのが理由でした。
草薙と内海が隣人の石神の話を出すと、珍しい苗字だったことから湯川はその石神が大学の同級生であることに気がつきました。
草薙と内海に対し湯川は「天才という言葉を安易に使いたくはないが、石神は本当の天才だ」と話しました。
さらに「捜査にあまり協力的ではなかった」と聞いた湯川は、「石神は数学以外に興味がないんだ」と話しました。
湯川は石神のアパートを訪ねました。
かなり久しぶりの再会でぎこちない空気が流れてはいましたが、湯川も石神も素直に再会を喜んでいました。
湯川は石神のアパートの部屋に泊まり、数学の問題を出し石神が解いてる間に自分は眠ってしまいました。
湯川が起きると石神はすでに出された数学の問題を解いていて、湯川は石神の天才ぶりが健在なことを喜びました。
2人で駅まで歩いて行き別れる時に石神は湯川に対して「君はいつまでも若々しくて羨ましいよ」と話しました。
湯川は石神のこの発言に驚きを隠せませんでした。
数学のことしか頭にない石神は、自分の容姿を気にする男ではなかったからです。
内海から湯川は事件の詳細を聞いていくうちに、石神が靖子に協力しているのではないかと疑念を持ち始めます。
石神は警察の捜査を撹乱するかのように、靖子と美里を守るために次々とカードを切っていきました。
石神は靖子の近くに工藤(ダンカン)という男の存在があることに気がつきます。
靖子と工藤が仲良くしている様子を見た石神は嫉妬心を燃やし、ストーカーのようになり二人が会っている様子を写真に撮ったり、工藤に対して脅迫状のような手紙を送りました。
靖子は石神が協力をしてくれている反面、弱みを握られている状況に気がつき、石神に恐怖心を覚えるようになっていました。
そんな靖子に反して娘の美里は、靖子が石神と距離を置こうとしていることを快く思っていませんでした。
湯川は石神が靖子の犯行に協力していることに確信を持っていました。
会って話がしたいと石神に伝えますが、石神はその日は都合が悪いという話し、週末に一緒に山に登ろうと湯川を誘いました。
石神の趣味は登山でした。
雪の中、石神と湯川は山を登っていきます。
山小屋で休憩を取っている時に湯川は石神に対し「もう終わりだ」と告げました。
しかし石神は仮説を実証できていないと湯川に告げました。
石神は湯川に「山に登るのは今回が最後だ」と話をしていました。頂上に到着した石神はどこか吹っ切れた表情をしていました。
靖子の携帯電話が鳴っています。
石神に恐怖心を感じ始めている靖子は、なかなか電話に出られないでいました。
美里が靖子が石神からの電話に出ないことに怒り、無理やり靖子に電話に出させました。
石神は公衆電話から電話をしてきていて、今回で連絡をするのは最後ですと靖子に伝えました。
郵便ポストに白い封筒と茶色い封筒の2通を入れてあることを告げ、警察が来たら事実を話せば何も問題はないと靖子に告げて電話を切りました。
靖子は動揺を隠せないでいました。
次の日、捜査本部に石神が自首してきたという情報が入ります。
連行されてきた石神は草薙から事情聴取を受け、自分が富樫を手にかけたこと、靖子に対して特別な感情があったことを話しました。
石神が最後に靖子に送った2通の手紙の片方には、石神が靖子を脅迫しているような内容が書かれていました。
工藤と仲良くすることは自分に対する裏切り行為だと手紙には書かれていて、石神が異常なストーカーであることは一目瞭然でした。
石神は自分が犯人であることをより強固にするために、靖子にこの手紙を送っていたのでした。工藤に対して脅迫状のような手紙を送ったのも、自分自身が危険人物であることを印象付けるためでした。
石神が送った手紙のもう一通には、石神の靖子に対する正直な想いが書かれていました。
工藤は誠実な男性で、もし結婚したら幸せになれる確率が非常に高いことなど、靖子と美里がこれから幸せに生きていくことを心から願っている内容が書かれていました。
人生に絶望していた石神に生きる希望を与えてくれたのが靖子と美里でした。
石神は部屋で自分で自分の命を断とうとしていました。
その時にインターホンが鳴りドアを開けた向こうにいたのが、その日に隣に引っ越してきた靖子と美里だったのです。
石神は靖子のお弁当屋さんに行った際に靖子の優しさに触れ、娘の美里は町で石神を見かけると元気よく手を振ってくれていました。
人生に絶望し孤独だった石神に、靖子と美里は生きる希望を与えてくれたのでした。
靖子と美里を守るために自分が罪を被ることに、石神は何の悔いもありませんでした。
湯川は石神が自首したことを聞きショックを受けていました。
石神は靖子と美里が疑われないよう完全なアリバイを作るために、とてつもない犠牲を払っていました。
靖子と美里が犯行が起きたと思われる時刻に映画館にいたことは、美里の友人の目撃証言などもあり確実でした。
しかしこのアリバイは石神が巧妙に仕組んだ手口だったのです。
湯川この謎が解けないでいましたが、とうとう真実にたどり着きました。
石神が靖子と美里の完全なアリバイを作るために、さらに新たな殺人を犯していたのでした。
ホームレスの男性にお金を渡して富樫が宿泊していた宿に泊まらせ、その後に命を奪い、富樫に顔や指紋などを消し冨樫に見せかけていたのでした。
警察は富樫が泊まっていた宿の毛髪などが遺体と一致したことで、遺体の身元が富樫であると判断しましたが、全ては石神が仕組んだものでした。
湯川は草薙の協力で、拘留されている石神の元を訪ねました。
湯川はたどり着いた答え話し、なぜそこまで靖子と美里のために尽くすのかと質問しました。
石神は「君の仮説はわかった」と話すだけで、真実を話そうとはしませんでした。
移送される石神のもとに靖子が駆けつけてきました。
石神の名を叫び、その場に泣き崩れる靖子。
靖子の言葉を聞いた石神は「どうして」と言い感情をあらわにして、その場に泣き崩れました。
靖子が石神に言った言葉とは…。
湯川が石神の行動に対して出した結論とは…。
深く心に残る結末は本編をご覧ください。
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映画『容疑者Xの献身』感想・評価
『容疑者Xの献身』は過去に1度見ていた映画だったのですが、その時も「良い映画だなぁ」という感想は思っていたのですが、なぜか今回久しぶりに観直してみたらめちゃくちゃ泣いてしまいました。
良い映画だけどここまで用意映画だったっけ…?という感じで、今この記事を書き終わったら原作を買いに行こうと思ってるぐらい、ものすごく感動しました。
観る時期やタイミングによって感じ方が全然変わるのも、映画の醍醐味ですね。
とっても巧妙なトリックでアリバイを作っていくわけですが、僕はサスペンス映画で先読みをするのが非常に苦手なので、終始「マジかよ」といった感じで驚きっぱなしでした。
ストーリーが次から次へと二転三転していくので、約2時間の上映時間まったく飽きることがありません。
物語が優秀なのは言うまでもないのですが、出演している俳優陣の演技がさらに映画を上質なものにしています。
福山雅治さん、柴咲コウさん、松雪泰子さん、北村一輝さんなど、とにかく皆さん素晴らしくて映画に引き込んでくれます。
その中でも突出して素敵な演技を披露してくれていたのが、堤真一さんです。
こんな堤真一さん見たことないという感じの演技で、淡々としていながらも緊迫感を持たせたり、狂気的な演技でドキドキさせてくれたり、不器用な男性が愛情を表現する演技ではこれでもかというぐらい感動させてくれました。
もともと堤真一さんはすごい俳優というイメージなのですが、『容疑者Xの献身』を観るとさらに堤真一さんの俳優としての凄さがわかります。
終始猫背になっているのも違和感なくとても自然なんですよね。
目つきに生気があまり無い感じも演技で見事に表現していました。
『容疑者Xの献身』では、堤真一さんが日本アカデミー助演男優賞、松雪泰子さんが日本アカデミー助演女優賞を受賞しています。
もう一人特に気になったのが、松雪泰子さん演じる靖子の娘である美里を演じた金澤美穂さんです。
金澤美穂さんの演技もとにかく素晴らしくて、この女優さんの演技が良かったからこそ僕はここまで感動出来たのだと思います。
なんとこの『容疑者Xの献身』が映画デビューだったということなので、ものすごく女優としてのセンスがある人なんだと思います。
現在も活躍されているようなので、女優としての才能をこれからもどんどん発揮して欲しいです。
余談ですが、吉高由里子さんも僕は好きな女優さんですが、ガリレオシリーズにおいては個人的には柴咲コウさんの方が好きです。
ドラマからの歴史もあって湯川と内海の関係性が凄い好きなんですよね。
とにかく感動して久しぶりにかなり泣きました。
自信を持ってオススメできる映画です。
昔に観たという人も、もう一度観てみるのがおすすめです。感じ方がかなり変わるっている可能性があるので。
映画『容疑者Xの献身』
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