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映画『ミュージアム』作品情報
今回の絶対おすすめ映画シリーズは『ミュージアム』です。
映画『ミュージアム』はブラッド・ピット、モーガン・フリーマン出演の映画『セブン』の日本版やパクリ、オマージュと評されることの多い映画ですが、僕は原作読んでいないのですが、概要を軽く見た時はそういう印象を受けてました。
むしろ世間的に和製セブンとまで言われていることは知らなかったので、みんな思う事は一緒だなぁと思ったのですが、実際作品を観てみると『ミュージアム』はしっかり一つの映画として楽しめることがわかると思います。
それでは『ミュージアム』の映画紹介です。
映画『ミュージアム』は2016年に公開された日本映画です。
上映時間は132分。
原作は週刊ヤングマガジンで連載された巴亮介による同名漫画『ミュージアム』です。
監督は大友啓史監督。『ハゲタカ』『プラチナデータ』『るろうに剣心』『億男』など話題の監督作が多いいわゆるヒットメーカーですね。
キャストは
沢村久志…小栗旬
沢村遥…尾野真千子
西野純一…野村周平
菅原剛…丸山智己
秋山佳代…田畑智子
橘幹絵…市川実日子
沢村将太…五十嵐陽向
真矢恒彦…重松隆志
久志の父…大森南朋
岡部利夫…伊武雅刀
関端浩三…松重豊
カエル男…妻夫木聡
他。
映画『ミュージアム』ネタバレ・あらすじ
ソファで寝たいた沢村久志(小栗旬)は携帯電話の音で目を覚まします。
事件発生を知らせる電話を受け、現場へと急ぐ沢村。リビングには子供のものとおぼしきものが散らかっていますが、沢村以外に人はいませんでした。
どしゃ降りの雨の中、現場に駆け付けた沢村は先に現場に到着していた後輩の西野純一(野村周平)を見つけます。西野は先に現場を見ていて嘔吐していました。
トンネルの奥の現場では『凶器として使われた大型犬』が檻に入れられ吠えていました。その先には両手を広げた状態で固定された、身体を無残に食いちぎられた被害者がいました。
あまりに無残な光景に沢村は西野の嘔吐に納得します。
犯人は生きたまま被害者を縛り、腹を空かした大型犬を放ちそのまま現場を去ったと推測されます。また雨合羽を来た男の目撃証言も浮上します。
また身体を食いちぎった大型犬から『ドッグフードの刑』と書かれたメモが発見されます。沢村は個人的な恨みによる犯行であると睨みます。
次の事件はニートのオタク青年が狙われます。母親が夜勤の仕事に行き自身は引きこもってゲーム三昧で、母親の作っていったおでんを食べようとしていたところで、自宅のチャイムが鳴ります。
無視する青年でしたがドアノブをしつこく動かされ恐怖を覚えます。
そしてピッキングにより玄関のドアを開けられ、現れたカエル男に青年は拉致されてしまいます。
どしゃ降りの雨の中、縛られた青年はカエル男から親のすねをかじる青年の行動を責め、『母の痛みを知りましょうの刑』と求刑し、糸のこぎりで青年を殺害します。
母親が捜索願を出していたことから、発見された遺体はすぐに身元がわかりました。
遺体のそばにはおでんの鍋が置かれていて、その中には青年の肉片が入れられていました。沢村はその肉片の重さが出生時の青年の体重であると気付きます。
沢村は西野と入った定食屋で、事件の様子を想定した西野との会話の流れから、斜め前に座っていた人間を怪しみ、カエル男かもしれないと思われる男と遭遇しますが、気付いた時にはその人間は店を後にしていました。
警察は犯人の恨みが何であったのか、また被害者の共通点はあるのかを考えますが、これといって有力な情報も見解もありません。
そこへ西野が飛び込んできて「被害者たちは3年前の幼女樹脂詰め殺人事件の裁判員ということがわかりました!」と告げます。
手がかりをつかんだ警察は色めき立ちますが、沢村は激しく動揺し懸命に携帯電話で電話をします。沢村の妻・遥(尾野真千子)はこの事件の裁判員だったのです。
しかも仕事優先の沢村の元から遥は息子を連れて去っていて、沢村がいくら電話しても遥は電話には出ませんでした。それどころか沢村は現在の遥の居場所もまったくわからない状態でした。
幼女樹脂詰め殺人事件の犯人は死刑の判決を受け、精神疾患のため入院した警察病院で自殺をはかり死亡していました。
そしてこの事件を担当した裁判官はすでに行方不明・殺害されていて、妻と娘のいる自宅と、浮気相手のホステスのいるクラブそれぞれに、二つに切断された裁判官の遺体が届けられ、「均等の愛の刑」とか書かれていました。
警察は捜査本部を置き、幼女樹脂詰め殺人事件の死刑の求刑に対する恨みによる犯行と断定し捜査を続けます。
会議の場では沢村の妻・遥が当時の裁判員で現在行方不明であることも発表されます。身内が当事者の沢村は事件捜査から外されます。
捜査は後手後手にまわり、事件は起こり続けます。
冷凍庫で全裸のまま凍らされた女性は美容整形をしたカルテと共に『ずっと美しくの刑』というメモが。
真矢恒彦(重松隆志)は自身の経営する占い館で口に無数の針を押し込まれた状態で死亡。現場には『針千本飲ますの刑』のメモが。
沢村は居てもたってもいられずに妻・遥の友人である秋山佳代(田畑智子)の元を訪れます。
沢村が秋山の務める介護施設を訪れている同時刻に、捜査員は同じように遥の情報を得ようと秋山の自宅を訪ねていました。
秋山の部屋には秋山の彼氏と名乗る男がいました。佳代は仕事に行っていると言うので、捜査員も介護施設に向かい、そこで沢村を見つけ驚きます。
沢村に遥の居場所は知らないと言っていた秋山でしたがただならぬ事態に遥は息子と一緒に私の家にいると白状します。
急いで自宅に向かう捜査員は彼氏さんももうちょっと協力的になってくれないとと秋山を責めます。しかし秋山は驚き「いません。彼氏なんて。」と言い、沢村と捜査員は顔色を変えます。
すでに秋山の自宅にいたカエル男が彼氏のフリをしていたのです。カエル男は遥と息子の将介を衣装ケースに入れ拉致していきました。
車で逃走するカエル男に気付いた沢村は後を追います。捜査員二人は秋山の自宅に入り、『お仕事見学の刑』と書かれたメモを発見します。
激しいカーチェイスの結果、沢村は瀕死の状態になり、これまでかとなりますがカエル男は沢村にとどめを刺すことなく現場を立ち去っていきました。沢村はあえて生かされたのでした。
沢村は西野を呼び出し捜査資料を入手しました。そこへ二人をからかうようにカエル男が現れ二人は後を追いかけます。
外は土砂降りの雨で、走る車に邪魔された沢村は西野に追うように命じます。完全に二人を見失った沢村の携帯電話が鳴り、西野の携帯電話を使ったカエル男はビルの屋上にいると自分たちの居場所を沢村に伝えます。
ビルの屋上に駆け付けた沢村の前には、屋上のギリギリに立たされネクタイを掴まれている西野と、片手に西野のネクタイを掴み、片手に拳銃を持ったカエル男でした。
そこでの会話で幼女樹脂詰め殺人事件がこのカエル男の犯行であったことがわかります。カエル男は自分の芸術的な犯行が他人の犯行にされたことに腹を立てていたのでした。
やがて雲の切れ間から太陽が顔を出すと、カエル男は突然話を切り上げ、時間だと言いながら西野のネクタイから手を放しました。
西野はそのままビルの屋上から落下し帰らぬ人となってしまいました。
沢村を置いてカエル男はその場を立ち去っていきました。
捜査から外されいる身でありながら単独行動をし、西野を巻き込んだ沢村は本部から激しく責められ、沢村自身も自分のせいで西野が死んでしまったことに激しく自分を責めます。
沢村は責任を問われ上層部へと連行されることになります。しかし連行中に沢村は逃走。カエル男を単独で再び追います。
沢村は不法に拳銃を入手し、入った中華料理屋で店員ともめるエビアレルギーの男を見て、カエル男が太陽に対するアレルギーを持っているのではと睨みます。
犯行は決まって雨の日であり、西野の時も太陽が出ると同時に立ち去って行ったことから、その確信を強めます。
沢村はしらみつぶしに病院を回り、太陽アレルギーの患者がいないかを聞きまわります。しかし該当する患者にはなかなか当たりません。
そしてやっと該当するアレルギー患者を受け持つ医師・橘幹絵(市川実日子)を見つけます。
橘は令状がなければ詳細は言えないと告げますが、沢村は拳銃を出し時間がないことを橘に告げ、該当患者のカルテを入手します。
沢村が辿り着いたのは、荒廃した大邸宅でした。沢村は家の中に侵入していきます。
時を同じく、大邸宅の中では素顔のカエル男がスキンヘッドの頭をさらしながら、クラシック音楽を大音量で流し、これまでの犯行のコレクションに囲まれていました。
沢村はカエル男と殴り合いを始めますが、カエル男のバール攻撃にやられてしまいます。沢村は気付くと暗く狭い部屋に閉じ込められていました。
手探りで電気をつけるとそこには遥と将介の人形があり、将介の人形は箱を持っていました。箱の中身はボイスレコーダーとジグソーパズルで、ボイスレコーダーにはこれまでの西野との会話など、沢村の話す声が入っていました。
カエル男はその様子を監視カメラで観ながら喜んでいます。
沢村は仕方なくジグソーパズルを始めます。食事としてハンバーガーが隙間から入ってきます。沢村はハンバーガーにかぶりつきます。
部屋の扉には電子キーロックがかかっていて、パスワードを打ち込む形式になっていました。沢村は思い当たるパスワードを打ち込みますが、エラーになるばかりです。
カエル男は遥と将介の心を殺したお前は自分と何も変わらないと沢村をなじります。
日常の中で、自分で気づかずに二人を殺したと。そんなお前と一緒に作品を作ってみたいと思ったと沢村に告げます。沢村は遥と将介の人形にすがりつき泣き叫びます。
沢村は父親の事を思い出していました。父親は刑事で殉職していました。
ジグソーパズルが完成仕掛け、文字が浮かび上がってきました。家族三人の絵と共にE A Tという文字が浮かび上がり、沢村はキーロックにこの文字を打ち込みに行きます。そこで沢村の脳裏に恐ろしいことが浮かびます。
妻と息子の絵の上に浮かんだE A Tの文字。もちろん「食べる」という意味です。床にはパイプから送られてくる沢村が食べたハンバーガーの包み紙や食べかけのハンバーガーが散らばっています・・・。
沢村は浮かんだ考えを振り払うように文字を打ち込みます。
扉は開かれました。隣の部屋には肉を料理する機械と大型冷蔵庫、冷蔵庫には遥と将介の写真が貼られていました。冷蔵庫を開けると、中には遥と将介の生首が入っていました。
叫び出す沢村。叫びは鳴りやむことがありません。
監視カメラをみていたカエル男は叫ぶ沢村を見て独特の興奮状態に入っています。その傍らには遥と将介がいて、遥はモニターが見えないため「何をしたんだ!」とカエル男に質問します。遥と将介は生きていました。生首は作りものでした。
カエル男は遥に対し君は有罪だと言い放ち危害を加えようとします。
嘔吐している沢村の元にカエル男がやってきます。沢村はカエル男に発砲しカエル男を追いかけます。
廊下を走りカエル男を見つけた沢村ですが、様子がおかしいことに気付きます。声を聞くと遥の声でした。カエルのマスクを取ると紛れもない遥でした。
背後に将介とカエル男が現れ、カエル男は息子を助けて欲しければお前が沢村遥を殺せと沢村に言います。
遥は息子を守るために自分を殺すように沢村に頼みます。
遥を撃つかと思わせた沢村はカエル男に発砲します。弾丸はカエル男に命中しますが沢村もカエル男の発砲によって肩を撃たれ動けなくなってしまいます。
カエル男が遥の頭に銃口を当てた時、警察が駆け付けカエル男に銃を捨てるように告げます。カエル男は反抗し撃たれながらも家の外へ逃亡します。
しかし周囲はすでに警察に完全に包囲されていました。
庭へと出たカエル男は太陽の光を浴び、手や顔は瞬く間に腫れていきます。そのままカエル男はこの後の裁判の話をし崩れ落ちていきました。
時は経ち、沢村は西野の仏壇に手を合わせにいきます。
幼女樹脂詰め殺人事件の犯人が冤罪であるとわかったことから裁判員だった遥はフリーライターに標的にされかけます。
カエル男は病院でかろうじて生きている状態でした。
この後に明かされるカエル男の秘密とは…。
平穏な日常はやってくるのか…。
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映画『ミュージアム』感想・評価
たしかに映画『セブン』に似ていることは否めません。しかしパクっているというわけではなく、影響を受けたと言ってもいいぐらいかなと思います。
共通する部分はもちろんあるけど、もちろんまったくもってリメイクではないし『ミュージアム』ならではの登場人物のドラマもしっかりあります。『セブン』が好きな人もきっと楽しめる映画だと僕は思います。
ちょっと目をそむけたくなるシーンは『セブン』以上ですし。僕はそういうの苦手なのでしっかり目をそらしました(笑)
原作を読んでいないので、どこまで端折ってぎゅっと詰め込んだかはわからないのですが、たぶんそうなんだろうなと思わせるご都合主義な部分は若干ありましたが、そこまで気になるほどではなかったかなと思います。
展開も間延びしないし惹き込まれて一気に展開していく感じなので、二時間超える映画ですが長く感じないし飽きることもないです。
小栗旬さんはやっぱりいい俳優ですね~。観てて本当に上手いなぁと思うし、感情の爆発の仕方も若手俳優にはできない表現で演じてくれます。
見応えあるし、何より華があるなぁと思います。自然と目が行っちゃいますから。
この映画はキャストがしっかりしてないと一気に安っぽくなってしまう可能性がある映画だと思うので、小栗旬さんを筆頭に出演者の皆さんの功績は大きいと思います。もちろん監督もですが。
そして妻夫木聡さん。これずっと言わなかったら誰も気づかなかったんじゃないでしょうか。ファンの人ならわかるのかな…。
僕は絶対知らなかったら妻夫木聡さんだって気付かなかったと思います。特殊メイクの効果も間違いなく大きいのですが、それよりも内面から妻夫木聡さんがしっかり演じているからだと思います。
個人的にすごく良かったのは、ありがちな猟奇的な人物の表現を妻夫木聡さんがしなかったことです。興奮するシーンとか歓喜するシーン、そして警察に包囲されて太陽を浴びるシーンでも、想像の付く型通りの演技ではなくて、独特の表現をしていたと思います。
高らかに笑ったりとか奇声あげたりとかの表現に逃げなかった妻夫木聡さんに誉です。
ラストの将介が首元を気にしているのは、その意味がネットでも騒がれていますね。確実に意図的な演出ですもんね。
ちょっとグロい描写も正直ありますが、映画としては面白く見応えのある日本映画です。僕としてはお薦めの映画です。
映画『ミュージアム』
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