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映画『青の炎』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『青の炎』です。
映画『青の炎』は貴志祐介の小説を二宮和也主演で映像化した作品。
二宮和也主演というだけでなく演劇界の演出家・蜷川幸雄が監督を務めたことでも有名な映画です。
非常に切ないミステリー映画で、俳優としての評価の高い二宮和也の演技を堪能できます。
それでは『青の炎』の映画紹介です。
映画『青の炎』は、2003年に公開された日本映画。
上映時間は116分。
原作は貴志祐介の同名小説。
監督は演劇界の巨匠・蜷川幸雄。
藤原竜也などを見出した超有名演出家です。
【キャスト】
櫛森秀一…二宮和也
福原紀子…松浦亜弥
櫛森友子…秋吉久美子
櫛森遥香…鈴木杏
曾根隆司…山本寛斎
石岡拓也…川村陽介
大門剛…木村雅
犬飼…近藤芳正
小中…渡辺哲
加納雅志…六平直政
私書箱の担当者…竹中直人
神崎慎太郎…唐沢寿明
山本英司…中村梅雀
ほか。
映画『青の炎』ネタバレ・あらすじ
櫛森秀一(二宮和也)は、湘南の名門学校に通うロードレーサー(自転車)が好きなどこにでもいる高校生です。
秀一には福原紀子(松浦亜弥)というお互い想い合っている女性がいました。
父親のいない秀一は、母の友子(秋吉久美子)と妹の遥香(鈴木杏)と暮らしていました。
平穏な高校生活を送っていた秀一でしたが、ある男が家にやってきて生活は一変します。
ある男とは母・友子のかつての夫である曾根隆司(山本寛斎)でした。
曾根は友子の再婚相手だった男で、秀一と血縁関係はありません。
曾根はどうしようもない男で、迷惑を顧みず櫛森家に居座ろうとします。
更にタチの悪いことに曾根は非常に暴力的な男でした。
秀一は曾根のことを顎に組んでいるため、できるだけ近づかないようガレージで時間を過ごすようになっていきました。
勝手にやってきて居座っている曾根をなんとか追い出そうと警察に相談もしますが、本格的に動いてくれる様子はありませんでした。
弁護士に相談しても法律的に曾根を追い出すことができないようでした。
長男である秀一は「自分が何とかしないといけない」という思いから、曾根を完全犯罪によって絶命させる計画を考え始めます。
着々と準備を進めていく秀一でしたが、17歳の少年にとって実行に移すことは容易ではありませんでした。
しかし曾根が妹の遥香に危害を加えようとしたのを見た秀一は、頭に血が昇りその場で曾根をバットで殴る落としてしまいます。
タイミングよく帰ってきた母の友子に制止され、感情のままに曾根を殺めずにすみました。
秀一はこれ以上は我慢できないと思い、ハイペースで入念な準備を続け、覚悟を決めて計画を実行します。
秀一は曾根を計画通りに病死に見せかけて絶命させました。
秀一には完全なアリバイがあるため疑われる事がありませんでした。
計画通りに曾根の息の根を止めた秀一は1人、ひっそりと喜びを噛み締めていました。
全ては計画通りに進み終わったはずでしたが、登校拒否になっている同級生の石岡拓也(川村陽介)が秀一の犯した罪に気づいてしまいます。
石岡は計画を実行している時の秀一を見かけ、後をつけて来ていたのでした。
石岡はこのことを警察に通報しない代わりに、秀一に金を要求します。
脅された秀一は仕方なく石岡の命を奪うことを決めます。
秀一は自分がアルバイトしてるコンビニに石岡を強盗に入らせ、もみ合いの後に金を渡して逃亡させる計画を立てます。
秀一が立てた計画の通りに実行する石岡でしたが、秀一はナイフを本物にすり替えていて石岡を絶命させました。
この事件が噂になった秀一は学校に居づらくなってしまいます。
完全犯罪のはずでしたが秀一は刑事からも目をつけられていました。
精神的に追いつめられていく秀一を恋人の紀子が慰めます。
秀一は自分が人の命を奪ったことを紀子に打ち明けました。
刑事が家にやってきて母親の友子と話をしています。
頭のいい秀一は逮捕を免れることはできないと悟っていました。
秀一は刑事に「明日自分からすべては話に行く」と告げました。
逮捕されることに関して、自分のことよりも家族のことを考える修一は、家族を傷つけないためにある行動に出ます。
秀一が家族のために取った行動とは…?
悲しい結末は本編をご覧ください。
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映画『青の炎』感想・評価
本当に切ない物語です。
もちろん人の命を奪うことは許されることではありませんが、力で勝てない、法律も味方してくれない、そんな状況の中で及んだ犯行ということを考えると、観ていて本当に胸が痛くなります。
主人公の秀一を演じた二宮和也さんですが、この人の演技の上手さって決してわかりやすいものではないんですよね。
あまりに自然すぎるんです。普通に生きている人間のように、演技の最中もしっかり脱力されてるんです。
実はこれができる俳優って全然いないんです。だからこそ二宮和也さんが抜きん出た状態になっているんだと思います。
映画『青の炎』の時、二宮和也さんはまだまだ若い時だったと思うのですが、自分をアピールする感じが全くないんです。
普通なら若さも手伝って「自分はこんな演技ができます」みたいにアピールしてしまうものなのですが、そういった欲のない演技を終始見せてくれています。
やりすぎな演技が一切ないので、興ざめする事なく最初から最後まで見られるんですよね。
二宮和也さんは本当に稀有な俳優だと思います。
そしてこの『青の炎』の秀一を二宮和也さんが演じて本当に良かったと思います。
二宮和也さんはもともと私生活から淡々としている感じだったとよく聞きますが、その性格が演技にもよく表れていると思います。
今では俳優として唯一無二の存在になっている二宮和也さんの若かりし頃の演技が見れる貴重な映画です。
しかし、東野圭吾さんの小説を読んでもよく思いますが、今回の原作の貴志祐介さんも、ものすごく知識が豊富ですよね。
小説家って本当に凄いなって思います。こういうのを考えられる人って実際に完全犯罪をすることはできないのかしら。できてしまいそうで怖いです。
僕は正直あまりついていけないというか…完全に文系の頭なので薬品とか出てくるとすぐにちんぷんかんぷんになってしまいます。
なんとなく流れについていってるという感じですが、どういう仕組みで完全犯罪になっているかいまいち理解できていない僕みたいな人って結構いると思うんですけどね。
あと、映画『青の炎』は演劇界の演出家・蜷川幸雄さんが監督をしたことでも話題になりましたが、個人的には独特な撮り方と言うかオリジナリティはあまり感じなかったです。
どちらかと言うと演出に関わる演技指導で蜷川幸雄らしさが出ていたのかもしれません。
ただ蜷川幸雄さんは二宮和也さんのことをすごく気に入っていたそうなので、全然ダメ出ししていないような気もします。
蜷川幸雄さんは二宮和也さんの俳優の才能にも早い段階で気付いていたようですし。
最後にこれはネタバレになってしまいますが、大人になってからこの映画を観ると、ラストに秀一に突っ込まれたトラックの運転手が1番災難な気がしてしまうのは、僕の心が純粋じゃなくなってるせいなのでしょうか。
そうは言っても素晴らしい映画です。
もしもまた鑑賞したことがないという人は、是非一度観てみてください。
自信を持ってお勧めします。
映画『青の炎』
こんなにも切ない殺人者が、かつていただろうか。17歳の少年が望んだもの。それは平凡な家庭とありふれた愛。ただそれだけだった。
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