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映画『ちひろさん』ネタバレあらすじ感想

映画『ちひろさん』ネタバレあらすじ結末と感想評価と考察【Netflix】

映画『ちひろさん』作品情報

今回のおすすめ映画は『ちひろさん』です。

映画『ちひろさん』は安田弘之による漫画が原作となっていて、『ちひろ』という漫画の後に続編として描かれた漫画です。

有村架純さん演じる元風俗嬢が小さなお弁当屋で働きはじめ、周囲の人と触れ合っていく様子を描いた作品で、特に大きな盛り上がりはない映画なのですが不思議と見入ってしまうとても魅力的な映画です。

有村架純さんの演技がとにかく素敵です。

それでは『ちひろさん』の映画紹介です。

映画『ちひろさん』は2023年に公開された日本映画

Netflixにより全世界に配信されています。

監督は今泉力哉也監督

原作は安田弘之による漫画『ちひろさん』

【キャスト】

ちひろ/吉澤綾…有村架純

瀬尾久仁子(オカジ)…豊嶋花

佐竹マコト…嶋田鉄太

バジル…van

内海…リリーフランキー

尾藤多恵…風吹ジュン

尾藤…平田満

永井…根岸季衣

谷口…若葉竜也

ヒトミ…佐久間由衣

宇部千夏…長澤樹

ホームレス…鈴木慶一

チヒロ…市川実和子

瀬尾徹…斉藤陽一郎

シゲ…大迫茂生

ほか。

 

映画『ちひろさん』ネタバレ・あらすじ

ちひろ(有村架純)は風俗嬢として働いていましたが、現在は海のある小さな町にやってきて小さなお弁当屋さん『のこのこ弁当』で働いています。

ちひろは風俗で働いていたことを隠すことなく、店長の尾藤(平田満)や他の店員やお客にも公表していて、明るくあっけらかんとした性格が人気でした。

ちひろは小さい子供から老人まで誰とでも気さくに話す性格で、ある時小学生からからかわれていたホームレス(鈴木慶一)を助け、お弁当を渡して自宅に呼んでシャワーを貸してあげました。

ちひろはホームレスの男性と一杯飲もうと考えていましたが、缶ビールを片手に声をかけるとホームレスのおじさんはちひろに深々とお辞儀をして、ちひろの家を出て行きました。

ちひろはそれからホームレスの男性と仲良くなり、ホームレスの男性がよく使っている隠れ家的な廃墟にも行くようになります。

その部屋には漫画も置かれていて、町に住んでいる学生たちも来ているようでした。

ちひろはホームレスの男性と廃墟でお弁当を食べるようになり、さらに仲良くなっていました。

しかし、ホームレスはちひろの前に姿を見せなくなってしまいました。

ちひろが一人で隠れ家的な廃墟にいると、女子高生が中に入ってきました。

ちひろがホームレスの男性のことを話に出すと、べっちんという愛称の女子校生。宇部千夏(長澤樹)はホームレスのことを心の中で師匠と呼んでいる関係でした。

誰とでも仲良くなるちひろはべっちんとも仲良くなり、2人は漫画の話題でよく盛り上がりました。

公園などで子供たちともよく遊んでいたちひろのことが気になっている女子高生がいました。

オカジというニックネームの瀬尾久仁子(豊嶋花)は、ちひろが気になりすぎてスマホのカメラで子供と遊んでいるちひろを隠し撮りしていました。

ちひろの元を風俗嬢時代の仕事仲間であるバジル(van)が訪ねてきます。

バジルはお店を開業しようと思っていたのですが、貯めていた資金を奪われてしまい落胆した気持ちでちひろに会いに来たのでした。

ちひろが現在は小さいお弁当屋で働いていることをバジルに話すと、バジルはただただ驚いていました。

他愛のない話をしている二人でしたが、ちひろと話すことでバジルは確かに元気になっていました。

ちひろは人を元気にする力を持った女性なのでした。

ちひろが公園のベンチで本を読んでいると、小学生の佐竹マコト(嶋田鉄太)が話しかけてきました。

小学生のマコトはちひろに偽物の蛇を使ってドッキリを仕掛け、ちひろは驚いてベンチから立ち上がります。

ちひろはマコトを叱ろうと腕を掴みますが、マコトは思っていたコンパスでちひろの腕を刺してしまいました。

怒られると思ったマコトでしたが、ちひろはマコトを連れて自分が働いている『のこのこ弁当』に行き、マコトにお弁当を買ってあげました。

先輩の店員はちひろが子持ちだったのかと驚きますが、ちひろは笑って受け流していました。

この日からちひろはマコトと同じ時間を過ごすことが多くなります。

ちひろが海辺で一人で波打ち際で佇んでいます。

ちひろのことか気になって仕方がない女子高生のオカジは、そんなちひろの様子を影から見ていましたが、ついに勇気を出してちひろに話しかけました。

オカジはちひろに「隣いいですか」と聞き、ちひろの横に立って、ちひろがやっているのと同じように足首まで海に浸しました。

オカジは裕福な家庭に育っていましたが、自分の意見が言えない空気が漂っていて、家族との関係がギクシャクしていました。

さらにこれまでは同級生たちとアニメの話で盛り上がっていたのですが、だんだんとアニメに夢中になれない自分がいることにも気づき始めていましたが、同級生にも自分の本当の気持ちを言えないままでした。

オカジはちひろと知り合えたことを喜んでいました。

ちひろは行方不明になっているホームレスの男性をずっと気にかけていました。

ある日ちひろはホームレスの男性が草むらに倒れているのを発見します。

すでに息絶えていて帰らぬ人となってしまっていました。

ちひろは深夜にライトをつけたヘルメットをかぶり、スコップで穴を掘りホームレスの男性を一人で埋葬しました。

ちひろはバジルと一緒にお祭りに出かけ金魚すくいをしますが、金魚すくいの屋台の店主がかつてちひろが働いていた風俗店の店長・内海(リリーフランキー)であることに気が付き、再会を喜びます。

どうして屋台をやっているのかと驚くちひろに内海は、俺の方が驚いてるよと言い返しました。

2人は少しの間だけ乾杯をして近況を話します。

内海は裏社会から完全に足を洗って、現在は熱帯魚屋を営んでいることをちひろに話しました。

ある日、ちひろの携帯電話に弟から久しぶりに電話が入ります。

ちひろの弟は母親が亡くなったことをちひろに告げ、葬式に来るかと尋ねました。

ちひろは「ん〜いいかなぁ」とだけ答え、お弁当屋の休憩時間だったこともありすぐに電話を切りました。

ちひろが弁当屋の店頭に立っていると、派手なメイクをした女性がちひろの前に現れます。

女性はマコトの母親・ヒトミ(佐久間由衣)でした。

ちひろはマコトがいつもお腹を空かせているので、ご飯をあげるようになっていて仲良くなったオカジと共にご飯を食べることが増えていました。

その光景を見かけた町の人間たちがヒトミに対して「子供にロクなものを食べさせてないんじゃないか」と噂していて、ヒトミは「いい迷惑だからやめてくれ」とちひろに言いに来たのでした。

ちひろはヒトミに「配慮が足りず申し訳ありませんでした」と謝り、あまりに素直にちひろが謝ったためヒトミは逆に動揺し、その場を立ち去っていきました。

ヒトミは夜に働く仕事をしているので、基本的にマコトはレンジで温めて一人で食事をとっていました。

マコトはちひろの持ってくるご飯を美味しいと言って食べ、一緒にいるオカジは家族と過ごす食事の時間が辛いことを話しながらちひろのご飯を食べました。

ちひろはオカジに対し、無理に分かり合おうとする必要はないとアドバイスをしました。

マコトはあまり母親の手料理を食べる機会がないようでしたが、「母ちゃんの作った焼きそばは何より美味しい」とちひろとオカジに自慢していました。

ちひろの繋がりでオカジはベッチンと知り合い、2人は漫画の話などで意気投合しました。

ベッチンはオカジと同じ学校に通っているのですが、不登校で学校には行っていない生徒でした。

ちひろはある女性のお見舞いに足繁く病院に通っていました。

病室に佇んでいる女性は「のこのこ弁当」の店長である尾藤の妻・多恵(風吹ジュン)で、ちひろは多恵が店頭に立っている時の「のこのこ弁当」の客でした。

多恵は目が見えなくなっていて、ちひろは自分の正体を言うことなく毎回多恵を見舞っていました。

ちひろの本名は古澤綾だったので、多恵は綾としてちひろを認識しています。

ある時ちひろがラーメン屋に入ろうとすると、1人の男性客が店員にイチャモンをつけていました。

すると隣に座っていた他の男性客が「店員さんに謝れ」と文句を言ってる男性客に怒り、喧嘩が始まりそうになります。

文句を言っている客に起こった男性客の谷口(若葉竜也)は、殴りかかる気持ちを抑えその場は収まりました。

ちひろはラーメンと餃子を注文し、微妙な空気になっている店内の中でカウンターに座っていました。

公園で谷口とちひろが缶ビールを飲んでいます。

谷口は店内の空気を悪くしてしまったことをちひろに謝りますが、ちひろは何も気にしていない様子でした。

谷口は父親をバットで殴って家出をした自分の過去をちひろに話し、千尋は自分の考えを谷口に話しました。

ちひろは谷口を自宅に誘い、2人は男女の関係になりました。

バジルが内海の熱帯魚屋で働き始めます。

内海からそのことを聞いたちひろは驚きます。バジルは給料はいらないから働かせて欲しいと内海に言ったようでした。

ちひろはバジルに「内海と男女の関係はなく、そういった気持ちも全くない」と話していましたが、バジルは2人の関係を疑います。

バジルが怪しいと思った理由は内海とちひろが2人で出かけたのを知ったからでした。

しかし2人が向かった先は、ちひろが幼い頃に仲良くしてもらっていた風俗嬢のチヒロ(市川実和子)の墓参りでした。

内海とちひろの関係を疑ったバジルはちひろを責め耳を貸そうとしません。

そんなバジルに対してちひろは「あんたって本当に人を見る目がないんだね」と言葉をかけました。

バジルは内海と2人で飲みながら話している時に、内海からちひろが初めて面接に来た日のことを聞きます。

内海は大人しそうで純粋そうなちひろを見て「ずいぶん場違いの子が来たな」というのが第一印象だったと語りました。

しかしリクルートスーツを着たちひろの靴がボロボロだったのが強く印象に残っていると話し、自分の過去を聞かないのかとちひろに質問されたことも懐かしげに話しました。

ちひろと面接をしながら内海は「この子は面接に受からなかったら自ら命を絶ってしまうのではないか」と思い、採用を決めたのでした。

源氏名を考えるときにちひろは内海にどうしようかと相談しますが、内海は自分で決めなさいと答えました。

ちひろは幼い時に自分の話し相手になってくれていた風俗嬢のチヒロの影響で、源氏名をちひろに決めたのでした。

ある夜、自宅の部屋にいたオカジの携帯電話が鳴ります。

電話の相手はマコトで家の鍵をなくしてしまい自宅に入ることができず、母親も仕事で遅くなるためとにかくお腹が空いているとオカジに話しました。

オカジはおにぎりを作ってマコトのもとに向かおうとします。

キッチンとおにぎりを作っていると母親がやってきて「いい気なもんね」と嫌味を言われ、オカジは初めて母親に言い返しました。

作ったおにぎりを持ってオカジはマコトのもとへ行き、マコトのアパートの玄関前でマコトにおにぎりを食べさせます。

そこへマコトの母親のヒトミが帰ってきて、2人を家の中に入れました。

ヒトミはオカジとマコトのために焼きそばを作ります。

マコトがオカジとちひろに自慢していた手作りの焼きそばです。

マコトは焼きそばにがっつき、オカジも少しずつ焼きそばを食べ始めます。

オカジの母親は毎日とても凝った料理を食卓に並べていましたが、会話のない食卓でいつも料理を食べているオカジは、ヒトミの作った庶民的な焼きそばを食べながら、涙をこらえきれず思わず泣き出してしまいました。

マコトはそんなオカジを見て驚き、ヒトミも心配してオカジに接していました。

ある夜、のこのこ弁当に「奥さんの多恵さんが病院からいなくなった」と緊急の連絡が入ります。

病院は「いつもお見舞いに来ている綾さんという女性と一緒にいなくなった」と話し、店長であり多恵の旦那である尾藤は、ちひろの本名が綾であることを思い出し多恵とちひろが一緒にいると感づきます。

ちひろは多恵を助手席に乗せてドライブに出かけていました。

病院の外に出たいという多恵の願いを聞き入れてやってきたのでした。

車の中で2人はたくさんの話をし、多恵が元気だった頃に弁当屋の店頭に立っていてちひろのお客としてやってきて会話をしたことなどを話し、ちひろは多恵が自分の母親だったら良かったと多恵に伝えました。そんなちひろを多恵はぎゅっと抱きしめました。

ちひろは多恵を連れて病院に戻ります。

病院の入り口では夫の尾藤や医者や看護師が待ち構えていました。

多恵が退院したお祝いに尾藤やちひろは屋上でお祝いのパーティーを開きます。

手作りの料理はお団子を用意して、みんなでワイワイ楽しい時間を過ごしました。

ちひろと仲良しになっているオカジやベッチン、マコト、内海、バジルも来ていました。

ちひろはみんなが盛り上がっている中で、パーティーから抜け出し1人で帰宅します。

夜道を歩いているちひろの携帯電話が鳴り、電話に出ると多恵からの電話でした。

ちひろは目の見えない多恵が「どうして自分が帰ったのが分かったのか」と尋ねると、多恵は「寂しい空気がなくなったからすぐにわかった」と答えました。

多恵はちひろが町を出て行こうとしていると感じていて、引き止めたくて電話をしてきたのでした。

多恵は目が見えないながらも夫の尾藤ともにお弁当の仕込みをしています。

栗の皮を剥きながら、尾藤と多恵は昔話に花を咲かせています。

弁当屋にはちひろの姿はもうありませんでした。

ちひろは牧場で働くようになっていました。

牧場の仕事になれるのが早いちひろを見て、牧場の従業員は「前にもこの仕事やってたの?」と尋ね、ちひろは「初めてですよ」と答えます。

従業員は「ここに来る前は何をしてたの?」と尋ねます。

ちひろの答えは…?

結末は本編をご覧ください。

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映画『ちひろさん』感想・評価

映画『ちひろさん』は、すごく不思議な魅力を持った映画です。

冒頭にも書きましたが本当に大きな盛り上がりや、ハラハラドキドキするような展開はありません。

「そんなストーリーだと退屈なのではないか?」と思う方もいるかもしれませんが、全然そんなことないんです。

全く長いと感じませんでしたし、それどころかかなり楽しませてもらいました。

鑑賞し終わった後に「観てよかった〜」と思える映画で、とっても心が温まりました。

個人的にはこういう静かというか、日本映画にありがちな作品はそんなに好きな方ではないのですが、「ちひろさん」は本当に最初から最後まで楽しむことができました。

本当に不思議な魅力の映画といった感じです。

監督の演出が素晴らしいことも大きな要因だと思いますが、出演者の皆さんの演技が素敵だったことも素晴らしい作品になっている大きな要因でしょう。

中でも有村架純さんの演技は特に素敵で、包み込むような優しさを持っていながら鋭い切れ味もあるような単調ではない様々な面を見せてくれています。

映画『前科者』を鑑賞した時にも思いましたが、有村架純さんは包容力のある役柄を演じるのがめっきり得意になっている気がします。

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有村架純さんは昔から素敵な女優という印象でしたが、近年は貫禄も出てきて安定感もすさまじく、同世代の中でも抜きんでた女優になっている印象です。

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風吹ジュンさんも素敵な演技で、作品に絶妙な空気感をもたらしてくれています。

そしてオカジを演じた豊嶋花さんの演技も素晴らしかったです。

感情表現も上手くて、なにより若い女優にありがちな「私の演技を見て」的な自己主張がなく、ナチュラルな演技を披露してくれています。

演技とは少し関係ない部分ですが、豊嶋花さんの透明感もすごいですね。

子役の子も演技うまかったし、監督の演出も相当いいんだろうなと感じます。

ヒトミを演じた佐久間由衣さんの演技も印象的でした。

変に重たい映画というわけではなく、軽い気持ちで観られる映画です。

少し元気がない時に観るのもおすすめの作品です。

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