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映画『前科者』ネタバレあらすじ感想

映画前科者あらすじネタバレキャスト評価

映画『前科者』作品情報

今回の絶対おすすめ映画は有村架純さん、森田剛さん主演の『前科者』です。

WOWOWオリジナルドラマ『前科者』の2年後を描いた物語となっています。

僕は映画版の『前科者』をいきなり観ましたが、非常に重厚感があって見ごたえのある作品でした。

正直気分が落ち込む作品ではありますが、心から『観て良かった』と思える映画です。

出演者の演技が素晴らしく、特に森田剛さんの演技が心を締め付けます。

それでは『前科者』の映画紹介です。

映画『前科者』は2022年に公開された日本映画。

上映時間は133分。

監督は岸善幸。映画『あゝ、荒野』を監督しています。

《キャスト紹介》

阿川佳代…有村架純

滝本真司…磯村勇斗

工藤実…若葉竜也

鈴木充…マキタスポーツ

斎藤みどり…石橋静河

高松直治…北村有起哉

松山…宇野祥平

遠山史雄…リリー・フランキー

宮口エマ…木村多江

工藤誠…森田剛

ほか。

【森田剛さんの演技に関するオススメ動画はこちら】

映画『前科者』ネタバレ・あらすじ

阿川佳代(有村架純)は罪を犯して服役し出所した『前科者』の更生を手伝う保護司の仕事をしています。

保護司は国家公務員でありながら報酬が出ないため、阿川はコンビニでも働いています。

保護司の仕事で急に動かなければならない時もある阿川ですが、コンビニ店長である松山(宇野祥平)は理解を示し、いい顔はしないものの「いいよ、行ってきな」とトラブルのたびに阿川を送り出してくれます。

担当している保護観察中の人間が仕事を無断欠勤すれば家まで行き話を聞きます。

阿川は大人しそうな見た目とは裏腹に怒る時はしっかり怒り、家の窓ガラスを割ってでも話をして説得します。もちろん阿川の優しさゆえの行動です。

阿川が担当している工藤誠(森田剛)は、出所してから小さな自動車工場で働いていました。

誠は働いていたパン工場で壮絶なイジメに遭い、突発的に相手を包丁で刺してしまい服役していました。

無口で人付き合いが下手な青年でしたが、勤務態度はいたって真面目で自動車工場の社長は保護観察がとけたら正社員で雇うつもりだと阿川に話しました。

「最後の弟子にするつもりだ」という自動車工場の社長の言葉に、阿川は喜びを隠しきれませんでした。

阿川はほかにも複数の前科者を担当していて、勝手に阿川のツケにして飲み屋で酒を飲んでいた男性にも優しく話をして毎月自分で返済するように説得したりなど、みんなに平等に親身に接していました。

誠は保護観察が終わるまでもう少しでした。

阿川は誠と面談する時に手作りの牛丼を作っていくことが多く「毎回牛丼は飽きますよね?」と言いますが、誠は「阿川さんの牛丼好きなので」と恥ずかしそうに笑顔で答えました。

ある日、誠は阿川に保護司をやっている理由を尋ねます。

阿川は話すと長くなるからまた折を見てと答えました。

誠は不器用な表現しかできませんが、阿川に心を開いていました。

日常が過ぎていく中、交番勤務の警察官が何者かに襲われて拳銃を強奪される事件が起きます。

拳銃を奪われた警察官は撃たれて重体となりますが、一命をとりとめました。

誠は仕事を終えて社長とラーメン屋でラーメンを食べていました。

そこへ1人の銀髪の青年が誠たちのテーブルに相席で座りました。

誠は社長と別れた後にその青年を尾行します。

青年はブツブツ言いながら歩いています。

誠は人通りがなくなった場所で、「実(みのる)?」と声を掛けました。

青年は最初は誠が誰だかわかっていませんでした。

銀髪の青年は誠の実の弟・実(若葉竜也)でした。

実は薬を大量に飲んでいて、正常な状態とは言えない状態になっていました。

誠と実は壮絶な過去を共有している兄弟でした…。

誠と実は幼少期に目の前で義理の父親に母親を殺害されていました。

さらに引き取られた施設でも厳しくひどい扱いを受け、誠が就職のために施設を出てからは離れ離れになっていました。

誠は再会した実と行動を共にしますが、夜の河川敷で突然実は自転車で通りかかった男性に向かって拳銃を発砲しました。

実は警察官から拳銃を強奪した事件の犯人でした。

実が拳銃を持っていることさえ知らない誠は言葉を失います。

撃たれた男性のもとに駆け寄った誠は、男性が2人がいた施設の先生だったと気づきます。

誠は実に自首するように説得しますが、実は死刑になるから嫌だと拒みます。

さらに誠は実がすでに2人の人間を拳銃で襲っていることを知り、その人間たちが幼少期の自分たちを助けてくれなかった人間たちだと知りました。

実は義理の父親の史雄(リリー・フランキー)も含め、さらに犯行を予定していました。

誠は最後の阿川との面談に現れませんでした…。

阿川が誠が住んでいるアパートに行きますが、誠はすでに出ていってしまっていました。

さらに阿川は刑事から事情を聞かれます。

誠は一連の拳銃事件の容疑者とされていました。

阿川に事情を聞きにきた刑事は偶然にも同級生だった滝本真司(磯村勇斗)でした。

阿川が保護司になったきっかけにはこの滝本真司が大きく関わっていました。

実は犯行を継続してしまうのか…

誠の揺れ動く心境は…?

阿川が保護司になるきっかけになった事件とは…

息を呑む展開がラストまで続き、観ている者の胸をえぐります。

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映画『前科者』感想・評価

森田剛さんが出演しているということで気になっていた映画でした。

率直な映画の感想としては、非常に良質な映画です。

色々と考えさせられる部分も多く、感情も揺さぶられます。

テーマからして重い作品で演出やキャストの演技も決して軽くなく、鑑賞した後に胸にズシンとくるものがあります。

ただし、観終わった後に落ち込むわけではなく「観てよかった」としみじみ思える映画です。

キャストの演技も素晴らしく、悪い意味で気になるポイントがないので映画の世界に入り込むことができます。

主演の有村架純さんですが、僕は実は有村架純さんの出演作品はこれまで観たことがなかったのですが(出演している映画で興味の出る作品がなかったため)、すごくいい女優さんだとこの『前科者』で知ることができました。

かわいい系の見た目とは裏腹にしっかり芯の強さがある阿川佳代を違和感なく演じていて、すごく魅力的な女優さんだと思いました。特にラストの森田剛さん演じる誠とのシーンは自然に引き込まれます。

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工藤誠を演じた森田剛さんですが、僕が個人的に好きな俳優であることを抜きにしても、非常に魅力的でした。

森田剛さんってこういう役が本当によく似合うんですよね。世間に馴染めない不器用な純粋な青年と言いますか…。

暗い雰囲気を常にまとっている中で、阿川の前で照れくさそうに笑う誠がたまらなく愛おしくなります。

ラストの阿川と対峙して泣くシーンが特に印象に残りますが、個人的には全体を通して目が話せないキャラクターを見事に作り上げていて「やっぱり森田剛ってすごいな」とさらに思わされました。

俳優・森田剛の代わりって本当にいないと思います。

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そしてベテラン勢の演技も安定感と自然さがあって見やすかったです。

マキタスポーツさんや宇野祥平さん、リリー・フランキーさん、木村多江さんは安心感が違います。

凛とした木村多江さんは素敵でしたし、宇野祥平さんの「こういう人いるよなぁ」という演技がすごく魅力的でした。

余談ですが木村多江さんを初めてすごいと思ったのは、ドラマの『白い巨塔』でした。

そして若葉竜也さんと磯村勇斗さんにも触れたいと思います。

お2人ともすごいですね。こんな演技できちゃうんだと驚きました。

特に若葉竜也さんはやりすぎると興ざめしてしてしまう役柄を絶妙なバランスで演じていて、すごく魅力的でした。実みたいな役ってやりすぎる俳優が多いイメージなのですが、本当に絶妙でした。

磯村勇斗さんもすごく魅力的な俳優さんだなって思いました。これからの活躍にも期待しています。

映画『前科者』は胸をえぐられる感動作品です。

僕は保護司という仕事に関して無知だったので、その点でも勉強になりました。

自信をもっておすすめできる映画です。

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