クリックできる目次
映画『彼女が目覚めるその日まで』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『彼女が目覚めるその日まで』です。
映画『彼女が目覚めるその日まで』は実話を基にした映画となっています。
『ニューヨークポスト』で新人記者として働いていたスザンナキャハランがNMDA受容体抗体脳炎を患い、その疾患が発見されるまで、また発見されてからの治療の様子などを描いた映画です。
家族や恋人、同僚など周囲の人々の関わり方なども大きな見どころとなっています。
病気に関して深く考えさせてくれる映画でもあります。
それでは『彼女が目覚めるその日まで』の映画紹介です。
映画『彼女が目覚めるその日まで』は2017年に日本公開されたアメリカ・カナダ・アイルランド合作映画。
上映時間は88分。
原作はスザンナキャハランによる自叙伝『脳に棲む魔物』です。
監督はジェラルド・バレット監督。
キャストは
スザンナ・キャハラン…クロエ・グレース・モレッツ
マーゴ…ジェニー・スレイト
スティーヴン…トーマス・マン
リチャード…タイラー・ペリー
ローナ・ナック…キャリー・アンモス
トム・キャハラン…リチャード・アーミティッジ
サウエル・ナジャール…ナヴィド・ネガーヴァン
アレン…アレックス・ザハラ
ジゼル…ジェンマ・クリーン・アンガス
ほか。
映画『彼女が目覚めるその日まで』ネタバレ・あらすじ
夢だった記者の仕事に就き、ニューヨークポスト誌の新人記者として働いているスザンナキャハラン(クロエグレースモレッツ)は、自分の記事が一面を飾ることを夢みて日々奮闘しています。
スザンナの評価は同僚や上司からも高く、上司のリチャード(タイラーペリー)はユーモアに溢れた期待の言葉をかけ、スザンナの向かいのデスクの先輩女性記者のマーゴ(ジェニースレイト)もスザンナを可愛がっていました。
スザンナは恋も順調で、レコードショップでアルバイトをしながらミュージシャンをしている恋人スティーヴン(トーマスマン)がいました。
スザンナの誕生パーティーが家族によって開かれたので、スザンナはスティーヴンを連れていき両親に紹介しました。
スザンナの両親は離婚していて、父親のトムキャハラン(リチャードアーミティッジ)にはジゼル(ジェンマクリーンアンガス)と再婚を果たしています。
スザンナはトムにスティーヴンを紹介しますが、トムはスティーヴンに対して冷たい反応を取っていました。
スティーヴンの定職についてない部分などが気がかりなのでした。
母親のローナナック(キャリーアンモス)もアレン(アレックスザハラ)という男性と再婚していました。
父親と母親はスザンナを含めて定期的に会っていて、離婚しても良好な関係を保っていました。
スザンナの誕生日パーティーは庭で開催され、ケーキにキャンドルが灯されてスザンナは吹き消すように言われますが、スザンナはボーとしていて明らかにおかしな様子です。
力が入らないのかキャンドルに息を吹きかけるのも力ない感じで、一緒に息を吹きかけたローナの息がキャンドルの日を消しました。
スザンナの頭の中には家族やスティーヴンが歌う歌声が遠くなっていき、代わりに周囲の雑音などがやたらと聞こえてくる状態になっていました。スザンナは初めて感じる症状に少し戸惑いました。
スザンナのこの症状はこの後に頻繁に現れるようになります。
自宅にいる時も仕事中も同じような症状に襲われ、頭の中で起きていることに集中すると目の前で起きていることをまったく考えられなくなり、意識が通常に戻ると相手は話し終えていて逆にキョトンとしているような状況でした。
眠ることも段々できなくなりスザンナは体調を崩していってしまいます。
症状は頭だけではなく手足にも出てきて、しびれや思うように動かないなどの症状をまれに感じることも出てきました。
スティーヴンに電話をして体調不良を訴えるスザンナでしたが、この時はまだたいしたことはないだろうと思っていたので、スティーヴンは心配しつつも作曲活動に取り組んでいました。
スザンナは症状に参ってきて病院に行き検査を受けます。しっかりと検査を受けてMRI検査も受けますが、結果はどこにも異常がないという結果でした。
事実体調がどんどん悪くなっているスザンナはこの結果を聞いて逆に怖くなり涙を流しながら異常がないという病院からの連絡を受けていました。
朝起きて自分の腕に赤い斑点が出来ていることに気が付いたスザンナは職場に行った時に向かいのデスクのマーゴにその赤い斑点を見せます。
しかし赤い斑点はどこにもなくマーゴは斑点などないとスザンナに話しました。スザンナはここにあるとマーゴに主張しますが、マーゴには見えずただ白い腕だとスザンナに伝えました。
スザンナはなにが起きているかわからず動揺していました。スザンナは医師にも見せて説明しますがやはり赤い斑点はスザンナ以外の人間には見えないようでした。
スザンナは不眠にも陥っていました。寝ようとすると蛇口から水が垂れている音が絶えず聞こえてくるのです。
その音が気になって眠れないスザンナはキッチンに行き蛇口をきつく締めて、もう垂れないようにと蛇口に向かって叫びます。
垂れていないのを目で確認したスザンナがベッドに戻ろうとすると、スザンナの耳に再び水の垂れる音が聞こえてきたのでした。
蛇口からは水は垂れていませんでしたが、スザンナにはそれ以外原因が考えられず。水漏れを起こしていると思い込んでいました。
スザンナは職場にいても説明のできない不調を感じ続けていて、仕事でミスを連発し続け、上司のリチャードに注意をされます。そんな状況でも先輩記者のマーゴはスザンナを庇ってくれていました。
スザンナのアパートに父親のトムがやってきます。
突然来たトムに驚いて部屋を片付けていないからまた今度にしてと断るスザンナでしたが、トムはスザンナの異変に気が付いているのかスザンナに部屋に入れてくれるように頼みます。
部屋に入ったトムは部屋の散らかり具合を見て驚きます。また変な匂いがすることも指摘して、部屋をしっかり片付けろとスザンナに告げます。
トムは蛇口が水漏れしていることをスザンナから聞いていたので水道を見に行き、水道周りを調べます。トムはすぐに「水漏れなど起きていない」とスザンナに話しました。
スザンナはそんなはずはないと食い下がります。さらに「ほら!今も垂れたじゃない!」とトムに声を荒げました。どう見ても水は垂れていなくてトムは呆然としました。
トムはスティーヴンと付き合ことに賛成してないことを伝え、もう学生じゃないのだから部屋をしっかり片付けるように言ってスザンナの部屋を去りました。
スザンナは社内でインタビューを行いますが、失言を連発し挙句に相手の返答に対して上げ足を取って大笑いをして、インタビュー相手を怒らせてしまいます。
間に入っている人間がニューヨークポスト誌にとって大切な人脈だったにも関わらず、多くの人間に泥を塗ってしまったスザンナをリチャードはこれまでにないぐらい怒りました。
クビにするしかなくなるぞと言われるスザンナ。
またスザンナの書いた記事はスペルも文法もミスだらけで見れたものではなく、リチャードに書き直すように指示されますが、スザンナの頭の中はやはり騒音が鳴っていて何かに集中することはとてもできない状態でした。
それでもスザンナはパソコンに向かって仕事をしようとしていました。
スザンナとスティーヴンが同じベッドで寝ていると、スザンナがうめき声のような寝言をいっているので、スティーヴンは枕に顔を埋めたまま、スザンナに寝言を注意しました。
しかしスザンナのうめき声が止まらないのでスティーヴンが様子を見ると、スザンナは上体を起こした状態で放心した様子でうめき声を出していて、スティーヴンが呼びかけると、身体を痙攣させてスザンナは白目になって倒れてしまいます。
慌てたスティーヴンは救急車を呼び、スザンナは病院へと運ばれました。
スザンナの自宅に母親にローナと父親のトム、そしてスティーヴンがいます。病院で検査をした結果は異状なしでした。
トムはスティーヴンになぜ自分たちにすぐ連絡しなかったのかと怒ります。
スティーヴンは連絡先を知らなかったからと言いますが、トムは「娘の携帯電話を見ればわかるだろう!馬鹿か!」と声を荒げます。スティーヴンが気が動転していてと言い返してトムはさらに逆上します。
ローラがトムに黙るように言い、救急車を呼んでくれたスティーヴンにお礼を言います。
スティーヴンに帰宅するように言い、スティーヴンは帰りました。
スザンナを1人で住まわせておくわけにはいかないということになり、スザンナはローラの家で療養することになりました。スザンナは頑なに拒んでいましたが、結局はローラの家で暮らしました。
仕事に行ったスザンナは被害妄想にような感情が激しくなり、デスクで大声を張り上げて周囲の人間を責め立てます。
マーゴが驚いてなだめると今度は「私は幸せよ!!」!!と叫びだしたりしてしまい、手が付けられない状態になってしまいます。
リチャードはマーゴにこれまでのスザンナの様子を訊きます。マーゴは体調がずっと悪そうだったことを話しますが、お酒とか薬などをやる人間ではないとリチャードに説明しました。
スザンナはリチャードともまともに話せず、リチャードはスザンナに休職を言い渡しました。
ローナの家で休養していたスザンナでしたが、医者に自分はネットで調べた感じ双極性障害だと思うと話し、症状が合致していると医者に話しました。
医者は躁鬱の疑いはあるがすぐには判断できないとスザンナに告げ、薬を処方しました。
スザンナはこの薬もネットで調べたと言い、服用することを拒みローナを困らせます。
ローナが怒りなんとか薬を飲んだローナでしたが、奇行はエスカレートしていくばかりで、ローナはトムに自分の限界を伝え、スザンナはトムの家で暮らすことになりました。
トムと再婚相手のジゼルと共に食卓で食事をしているスザンナでしたが、態度が急変し、スザンナはジゼルに向かって「どうして私のことを悪く言うの!?」と責め立てます。
ジゼルはもちろんスザンナのことを悪く言っていないですし、むしろ一言も言葉を発していませんでした。トムがなだめようとしてもスザンナはよりパニックになっていきます。
スザンナは食事のお皿を投げつけて割ります。トムが近づこうとすると「来ないで!触らないで!」と叫びました。
トムがいくら安心させようとしてもスザンナはパニックになったままで、その場を去り2階へと行ってしまいました。
ジゼルはあまりの出来事に驚いたこともあり泣き出してしまいます。
トムも想像以上の娘の状態に大きなショックを受けていました。ジゼルはトムの肩に手をかけて「きっと大丈夫」と言葉をかけました。
自分たちの手に負えないと感じたトムとローラは覚悟を決めて病院へ行き、絶対に入院が必要だと医者に強く言います。
医者はどこにも異常がないことを話し、お酒が原因じゃないかと言い、禁断症状も出ていますし今が辛抱ですと話しました。
ローナはスザンナが元々お酒をそんなに飲まないこと、またもう2週間以上まったく飲んでいないことを伝え、医師の指摘を一蹴しました。スザンナは入院することになります。
入院したスザンナに担当になった医師が話を聞こうとします。
しかしスザンナはこれを拒み話をしてくれず、テレビの音が自分の悪口を言っていると言ってここから出して欲しいと医師に話しました。
スティーヴンは時間の許す限り病院で寝泊まりしていました。そんなスティーヴンのスザンナへの思いを見たトムはこれまでの非礼を謝罪しました。
スザンナの症状を何人もの医師が診ましたが、やはり原因はわからないままでした。検査で異常が出ないので、精神的な病気ということ以外考えられない状態になっていました。
スザンナの身体は腕を持って前に出すとそのまま固まってしまうような状態にもなっていました。
病院の医師たちは精神病と判断し精神病院への入院しかないという結論を出しますが、トムとローナは娘が精神病とは考えられないと言って、何か他に原因があるはずだと主張しました。
スザンナを診ていた医師の中の1人の女医が、可能性を求めて1人の教師の元を訪ねました。その教師はサウエルナジャール(ナヴィドネガーヴァン)という元医師の男性でした。
ちょうど大学の講義を終えたところで、女医が診て欲しい患者がいると伝えます。
ナジャールはもう私は教師だからと言って話をさえぎっても、女医は症状を話し続けました。
その熱意もあり、症状が気になることもあり、そしてなにより優しい性格と医師としての使命感からか、ナジャールはスザンナを診療することを了承しました。
ナジャールがスザンナの元にやってきます。トムとローナもナジャールに大いに期待していました。
ナジャールはスザンナに必ず救うと言い、スザンナの病状を調べていきました。
様々なスザンナの資料と睨めっこしているナジャール。自宅にも帰らずにスザンナの症状の原因は何かと探っていました。
ナジャールはスザンナにペンを握らせて、目の前に置いた紙に時計の画を書くように言います。この時にはスザンナはもう完全に感情を失ったように無表情になっていました。
スザンナは時計の画を描きました。円の中に1~12までの数字を書きますが、その数字はすべて右側に収まるように書かれていました。
ナジャールはこの時計の画をみてスザンナが精神病ではないことを確信しました。トムとローナ、スティーヴンにもこのことを伝えます。
精神疾患の患者はこのような絵はかかないこと、また右側にすべての数字が寄って書かれているのは右脳に何か問題があることを示していると説明しました。
そしてさらに原因を突き止めるために脳の検査が必要で手術が必要であることを話します。
動揺するトムとローナにナジャールは「誓って、自分の娘であったとしても私はこの検査をすぐに行います」と話し両親はナジャールに任せることにします。
脳の組織を摂取して調べた結果、スザンナを苦しめていた病気の正体がわかりました。
NMDA受容体抗体脳炎という疾患でした。
なんらかの事情で脳が炎症を起こしてしまい、スザンナの身体に大きな影響を及ぼしていることがわかったのでした。
ナジャールはまだ早い段階のため、治療可能だと説明しました。トムとローナとスティーヴンは泣きながら抱き合って喜びました。
ナジャールはスザンナに近づき「やっと君を見つけた」と言葉をかけました。
スザンナは治療を開始して少しずつ復活していきました。表情も豊かに戻りスティーヴンとふざけたりもできるようになっていました。
ますぐには昔のようには歩いたり走ったりができないので、トムとともにゆっくりとリハビリを開始していました。
7か月の歳月が過ぎます。
スザンナはついにニューヨークポスト誌の職場に復帰を果たしました。
リチャードと話しているスザンナ。まだ薬を飲まなくてはいけないけど調子はいいと話しています。
リチャードはスザンナが復帰してから書いた記事を褒めます。スザンナは謙遜しますがその記事が2面を飾ると聞いて歓喜します。
さらにリチャードはスザンナに「自分の闘病記を書かないか?」と提案します。
スザンナは一瞬「えっ?」となりますが、リチャードは言葉を続け勧めます。
スザンナの出した結論は…?
結末は本編をご覧ください。
|
映画『彼女が目覚めるその日まで』感想・評価
映画『彼女が目覚めるその日まで』は実話を描いた映画となっているのですが、まず病気というものについて非常に考えさせられます。
劇中のセリフでも出てきますが、スザンナが精神病の診断のまま精神病院に入院していたら、命を落としていた可能性が非常に高くなっていたわけで、だからと言って医師の人たちも決して不真面目だったわけでも手を抜いていたわけでもないのに、希少疾患に気が付くことができなかったわけで。
ただ「娘は精神病ではない」と主張し続けた両親の力は大きかったのだと思います。
しかしすべてのケースでこの行いが正しいというわけでもないと思いますので、これもまた難しいところだなと考えてしまいます。
タイトルやポスターからは恋愛映画がテーマとなっているように感じるかと思うのですが、もちろん恋愛要素もありますし、実際にスザンナとスティーヴンは結婚を果たしているので十分にその要素はあるのですが、家族愛の方が強いように僕は感じました。
スティーヴンももう家族の一員になっているイメージです。
どちらかというと恋愛の愛よりも家族愛の愛を感じる映画で、さらに医療に関してとか病気に関していろいろと考えさせられる内容となっています。
『彼女が目覚めるその日まで』は実話ということもありズシンと心にくる映画となっています。
このタイトルはちょっと「う~ん」と思うタイトルでもあるのですが、きっと邦題はこういった恋愛系のタイトルの方が人気が出るということなのでしょう。
ただ特に悪いタイトルだとは思わないですし実際にスティーヴンの献身的な愛も心を打つし、全然良いと思うのですが、恋愛要素だけを目的で観ると微妙に感じる人もいるかもしれません。
原題は病気のことを表しているタイトルですし。
スザンナキャハランを演じたクロエグレースモレッツですが、もう本当に素晴らしくてよくぞここまで表現してくれたと心から拍手を送りたいです。
とても難しい役どころを観る者にしっかり伝わるように演じてくれていました。
ルックスも愛らしいから先輩記者や上司から可愛がられているシーンは思わず微笑んでしまいました。
そんな日々を再び手に入れて本当によかったなぁと思いました。
ちなみにクロエグレースモレッツの前はダコタファニングがキャスティングされていたそうです。
スケジュールの関係で降板したらしいですが、ダコタも好きな女優さんなので観たかったなと思いつつ、最終的にはクロエグレースモレッツでよかったと思っています。
みんないいんですが、個人的にはジェニースレイトとタイラーペリーも特に素晴らしかったです。
せひ一度はご覧ください。
おすすめ映画です。ぜひ。
感想はコメント欄にどうぞ。
映画『彼女が目覚めるその日まで』
絶対あきらめない。
クロエグレースモレッツ出演映画はこちらもおすすめ。
映画『イコライザー』ネタバレあらすじ感想
続きを見る