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映画『南極料理人』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『南極料理人』です。
映画『南極料理人』は海上保安官出身の西村淳によるエッセイの原作を映画化した作品です。
南極という非日常の中で日常を描いた映画となっていて、特に何か大事件が起こるわけではなく淡々と物語が進むのですが、登場人物それぞれのドラマや散りばめられたシュールな笑いが魅力の映画となっています。
ドラマ化もされている作品です。
それでは『南極料理人』の映画紹介です。
映画『南極料理人』は2009年に公開された日本映画。
上映時間は125分。
原作は西村淳によるエッセイ『面白南極料理人』『面白南極料理人 笑う食卓』です。
監督は沖田修一監督。
『キツツキと雨』『モヒカン故郷に帰る』などを監督しています。
キャストは
西村淳…堺雅人
本山秀行(本さん)…生瀬勝久
金田浩(タイチョー)…きたろう
川村泰士(兄やん)…高良健吾
西村みゆき…西田尚美
御子柴健(主任)…古舘寛治
西平亮(盆)…黒田大輔
平林雅彦(平さん)…小浜正寛
西村友花…小野花梨
清水さん…小出早織
スズキ…宇梶剛士
船長…嶋田久作
福田正志(ドクター)…豊原功補
ほか。
映画『南極料理人』ネタバレ・あらすじ
海上保安庁で勤務している西村淳(堺雅人)には妻の西村みゆき(西田尚美)と娘の西村友花(小野花梨)、さらに生まれたばかりの長男がいました。
平凡な毎日でしたが家族と幸せな毎日を送っていました。
娘の友花は少々反抗期を迎えていました。
同じく海上保安庁に努めているスズキ(宇梶剛士)が南極観測隊として南極に派遣されることが決まり、スズキは上司と同僚たちに南極に行くことを報告する挨拶をしました。
スズキは何枚かの写真を取り出して、幼い頃から部屋の天井にその写真を貼っていたと話します。
写真は南極の写真でした。スズキは幼い頃から南極に行くことを夢見ていて、ついに念願が叶ったと仲間たちに涙ながらに伝えたのでした。
しかし念願を叶えたかに見えたスズキは出発の直前にバイク事故によって怪我を負ってしまい、南極観測隊として参加することができなくなってしまいました。
替わりの人間を派遣しなくてはいけません。そこで選ばれたのが西村でした。
もちろん西村にとっては寝耳に水の突然の出来事です。
上司である船長(嶋田久作)は西村に断られないように、当然のことのように淡々と南極に行ってもらう事になったと西村に話します。
西村は「家族と相談します」と言いますが、船長は聞く耳を持たずすでに決定しているかのように話し続け、西村は「家族と相談してから」と言葉をはさみますが、結局船長の強引さに押され南極観測隊として南極に赴くことになったのでした。
西村は1年半の期間、南極観測隊の調理番としての任務が与えられたのでした。
南極観測隊と言えば昭和基地が有名ですが、西村が派遣されたのは昭和基地ではなくドームふじという基地でした。ウイルスさえも生存できない極寒の地です。
全部で8人の隊員と共同生活を行う事になります。それぞれ家族を日本において来ていたり、恋人を置いてきたりしていました。
本さんこと本山秀行(生瀬勝久)、タイチョーこと金田浩(きたろう)、大学院に通う兄やんこと川村泰士(高良健吾)、主任こと御子柴健(古舘寛治)、盆こと西平亮(黒田大輔)、平さんこと平林雅彦(小浜正寛)、ドクターこと福田正志(豊原功補)がドーム基地の観測隊のメンバーでした。
南極ではそれぞれの任務がありみんな自分の仕事を頑張ります。西村の任務は調理係なのでみんなの食事を毎回用意をします。
お湯が沸騰しづらいなどの環境ですが、西村は自分の作った料理をみんなが美味しそうに食べてくれるのを見るのが好きでした。
兄やんが凍傷で仕事ができなくなってしまい、急遽本さんの手伝いを西村が行います。
本さんは南極の地中深くの氷を掘り出して研究を行っていて、西村は採掘作業を手伝います。本さんは口が悪いもののいい人です。
夜は各々麻雀をしたりビデオを観たりして過ごしていました。タイチョーはラーメンのために生きているといっていつもこっそり夜食にラーメンを食べていました。
早くもホームシックにかかっている者も出てきたりしながらも、まだ始まったばかりという事もあり、ドーム基地は順調に時が過ぎるかと思えました。
しばらくは問題なく月日が経過していました。
運動不足にならないようにラジオ体操も行われています。
しかし、月日が経つにつれてドーム基地では様々なトラブルが起こり始めます。
タイチョーは自分が毎晩ラーメンをこっそり食べていたせいでラーメンの在庫がなくなってしまい嘆いています。
西村が寝ているところにやってきてラーメンを食べないと寝れないと西村にごねるほどでした。
仮病を使って仕事を休む者も現れます。誰かが休むと他の者の負担になるので次第に隊員たちはイライラを募らせていきます。
仮病を使っていた隊員が気持ちよさそうに「僕が僕であるために」を歌いながらシャワーを浴びているのを見た隊員は怒りに震えていました。
本さんは娘と電話をしていましたが、奥さんは話したくないと言って電話に出てくれませんでした。
聞くと本さんは研究のために頑張りたいのですが、なかなか奥さんが理解を示してくれず、離婚も匂わされているということでした。
兄やんは恋人が日本にいるので長遠距離恋愛をしていて、マメに電話をするようにしてましたが、恋人に好きな人が出来てしまいフラれてしまいます。
兄やんは自暴自棄になり極寒の外に出て上着を脱ぎ棄てて寝転んで命を絶とうとするほどにショックを受けていました。
西村は娘の抜けた歯をお守り替わりに首からぶら下げていました。
しかし氷の採掘作業の際にもめ事でいがみ合っている他の隊員たちに巻き込まれたせいで、その乳歯を深い深い穴に落としてしまいます。
温厚な性格の西村もこれには怒り、調理の仕事を行わずに部屋に閉じこもりました。
当事者の隊員たちが謝罪に訪れますが西村はドアも開けませんでした。
西村不在の中で隊員たちが食事を作り西村に振舞います。
西村は唐揚げを食べて泣き出してしまいました。唐揚げ関連で西村には家族との思い出があり、それを思い出してしまったのでした。
日本で南極観測隊の隊員たちと子供たちがテレビ電話で話すイベントが催されます。子供たちの質問に答えていく隊員たち。表情はみんなとても穏やかです。
西村の娘の友花が母のみゆきと来ていて、調理担当の西村に質問をしました。友花は最近母親が元気がないと西村に相談します。
西村は何か美味しいものを食べれば大丈夫と答えました。ひさしぶりにお父さんと話した友花は嬉しそうでした。
西村は一から麺を練って作り、ラーメンを作って食卓に出します。
これに誰よりも感動したのはもちろんタイチョーで、泣きながら食べていました。
他の者も一心不乱にラーメンをすすり、外では綺麗なオーロラが出現していましたが隊員たちにはラーメンの方が優先順位が上でした。
兄やんはだいぶ復活していて、ドクターに他にいい人いないのかと訊かれていました。
兄やんは「いることはいる」と答え、それを聞いたみんなは冷やかしますが、可愛いかと訊かれた兄やんは顔は見たことがないと答え、ドクターは「なんだそれ!」と突っ込んでしました。
兄やんが言っていたのは、国際電話を取り次ぐオペレーターの清水さん(小出早織)のことでした。兄やんは電話をして話そうとしますが気持ち悪がられてしまい切られてしまいます。
めげずに再び電話をすると違うオペレーターが出たので兄やんは清水さんをお願いしますと言いオペレーターを困らせてしまいます。結局兄やんは顔も知らない清水さんに告白をしました。
様々なことが起こった南極での生活もいよいよ終わりを告げ、隊員たちは日本に帰国しました。
空港では隊員の家族や同僚たちが出迎えに来ています。西村は迎えにきた家族の姿を見つけると家族の元へと走っていきました。
兄やんには…なんとオペレーターの清水さんが空港に迎えに来てくれていました。2人は自己紹介からはじめました。
西村は平凡な日常に戻り自宅で家族と過ごしています。家で寝転んでテレビを見ています。
娘の友花は年ごろなのか手鏡を持ってしきりに髪を気にしています。
息子は寝転んでいる西村に遊んでと言わんばかりにちょっかいを出してきます。
西村は自分が南極に行っていたことが信じらないような心持になっていました。
家族で遊園地に遊びに行きます。お昼を食べようとしている時にみゆきが友花の誕生日パーティーを自宅でやろうと提案します。
友花はお父さんが料理を作ってと願いしてきました。のどかな時間が流れる中で、西村は久しぶりのハンバーガーをかじり…。
西村のハンバーガーを食べたときの反応は本編をご覧ください。
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映画『南極観測隊』感想・評価
映画『南極料理人』は楽に観られる映画です。軽い気持ちで鑑賞して頂いて笑って楽しんで頂ければと思います。
ただ決して映画『南極料理人』を軽く扱っているわけではありません。
むしろ映画としてとても面白いと思いますし、キャストの皆さんが芸達者なので本当にたくさんの笑いがあります。
そして笑いのみならず感動もしっかりある映画です。
沖田修一監督の良さがしっかり出ている演出も光っていて、何気ない生活の一部が面白おかしく描かれているのは本当にすごいと思います。
シュールで上質な笑いなんです、沖田修一監督の笑いは。
個人的に一番楽しませて頂いたのは生瀬勝久さんでした。この人はもう…いうまでもなくシリアスな演技もコミカルな演技も全てが圧倒的に上手いと毎回感じます。
映画『南極料理人』でも基地での生活が始まってすぐのトイレのシーンでいきなり笑わせてくれます。
「見るな」から「見るな!」のセリフの言い方がもう面白くて仕方ないのです。多分観て頂かないと伝わらないと思います(笑)
『南極料理人』を観ると南極観測隊に行きたくなるのですが、僕は過去に観測隊に同行した写真家宮嶋茂樹さんの本を読んだことがあるのですが、すっごく大変そうでした。
当たり前ですよね。お風呂にたま~に入れるらしいですが、首から上はマイナス40度で首から下は40度という恐ろしい状況だそうです。すさまじいですよね(笑)
映画『南極料理人』は力を抜いてリラックスして観られる映画です。
そしてかなり面白いです。
おすすめ映画です。ぜひ。
映画『南極料理人』
おいしいごはん、できました。
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非常にユーモアがあり、南極観測隊の過酷さもわかる本になっています。
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