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映画『ミリオンダラーベイビー』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『ミリオンダラーベイビー』です。
映画『ミリオンダラーベイビー』は名優であり名監督のクリントイーストウッドがメガホンを取った映画。
3000万ドルという低予算に加えて37日という短い日数での撮影でしたが、評価・興行成績共に大成功を収めた映画となっています。
ミリオンダラーベイビーは実話ではありませんが、脚本の元になった短編集を書いたジェリーボイドは実際にボクシングのトレーナーをしていた人物。大きいくくりで見れば実話が元になっているともいえます。物語自体はフィクションです。
それでは『ミリオンダラーベイビー』の映画紹介です。
映画『ミリオンダラー・ベイビー』は2005年に日本公開されたアメリカ映画です。
上映時間は133分。
監督はクリント・イーストウッド監督。
『ミスティックリバー』『ジャージーボーイズ』『アメリカンスナイパー』『ハドソン川の奇跡』などを監督しています。
キャストは
フランキー・ダン…クリント・イーストウッド
マギー・フィッツジェラルド…ヒラリー・スワンク
エディ・スクラップ・アイアンデュプリス…モーガン・フリーマン
デンジャー…ジェイ・バルチェル
ビッグウィリー…マイク・コルター
ビリー…ルシア・ライカ
ホーヴァク神父…ブリアン・F・オバーン
ショーレルベリー…アンソニー・マッキー
アーリーン・フィッツジェラルド…マーゴ・マーティンデイル
マーデル・フィッツジェラルド…リキリンドホーム
オマー…マイケル・ペーニャ
ビリーのマネージャー…ベニー・トマルティネス
ミッキー・マック…ブルース・マックヴィッティ
ほか。
映画『ミリオンダラーベイビー』ネタバレ・あらすじ
アメリカのロサンゼルスにフランキーダン(クリントイーストウッド)のボクシングジム『ヒットピットジム』がありました。
フランキーは元々はカットマン(試合中にボクサーが流血した場合に速やかに血止めを行う)として有名な人物で、その腕前は誰もが認めるものでした。
フランキーのボクシングジムには住み込みでフランキーの右腕として働くエディスクラップアイアンデュプリス(モーガンフリーマン)がいます。
スクラップは元ボクサーでタイトルマッチにも挑戦したほどの逸材でした。しかしその試合でスクラップは右目を失明してしまっています。フランキーとはもう20年以上の付き合いでした。
フランキーは現在もセコンドについて自分のボクサーの試合でカットマンとしても活躍していました。
とある試合後に1人の女性マギーフィッツジェラルド(ヒラリースワンク)がフランキーの元を訪ねてきました。
マギーは女性ボクサーとしてこの日の前座でリングに立っていたボクサーで、フランキーに自分のトレーナーになって欲しいと直談判しました。
しかしフランキーは女性ボクサーのトレーナーをする気はないとあっさりとこの申し出を断りました。
フランキーにはケイティという一人娘がいましたが、もうずいぶん長い間会っていませんでした。フランキーは毎週ケイティに手紙を書いていました。
しかし書いた手紙は決まって宛先不明でフランキーの元に戻ってきていました。
また、教会のミサに出るのがフランキーに日課でした。フランキーはホーヴァク神父(ブリアンFオバーン)にミサが終わると決まって様々なことを質問していました。
あまりに質問が多いのでホーヴァク神父はフランキーがからかっているのではと思うほどでした。
フランキーのボクシングジムは他の多くのボクシングジムと同様に決して楽に経営できているわけではありませんでした。
若手の育成などを行いながら、フランキーとスクラップは軽口を叩きながらもボクシング中心の生活を行っていました。
マギーは直接フランキーに断られたにも関わらず「ヒットピットジム」にやってきて、ジムの月謝を前払いしてサンドバッグを叩いていました。
フランキーはとりあえずマギーをジムに置くことにしますが、特にトレーナーとして何か教えるつもりはありませんでした。
スクラップはジムに住み込みの身です。ジムの照明が消えた後もサンドバッグを叩く音が聞こえてくるので見に行くと、マギーが1人残ってサンドバッグを叩いていました。
スクラップはマギーに指導をしました。これまでちゃんとした指導を受けてこなかったマギーは勘が良いところを見せ、スクラップのアドバイスをすぐに吸収しました。
スクラップはスピードボール(パンチングボール?)というトレーニングをするようにマギーに話します。
しかしマギーはスピードボールを持っていませんでした。
スクラップはジムの物置からスピードボールを出してきてスクラップに使うようにと渡しました。
そのスピードボールはフランキーの物でした。マギーは自分で買ったらすぐに返すと約束しました。
マギーはジムの中でただ一人の女性だったので他のボクサーたちにからかわれていました。
しかし負けん気の強いマギーは男のボクサーに言い返して逆に男のボクサーが言い返せなくなっていました。
フランキーはスクラップがマギーに指導しているのを知っていながら、「一体誰が指導しているんだろうな」と話します。
スクラップはシラを切りながらもマギーには素質があることをフランキーに話しました。しかしフランキーは自分のスピードボールをマギーが使っていることについて、マギーに話をしに行きます。
マギーが自分のスピードボールを使っていると、自分がトレーナーだと思われるから返すようにとマギーに言うフランキー。マギーは謝ってすぐにスピードボールをフランキーに返します。
マギーのその様子を見たフランキーはマギーを「君はいい子のようだ」と言い、いい子だからこそ忠告しようと年齢のことなどを質問しました。
マギーは31歳でした。フランキーは一人前にするまで通常は4年はかかると話しました。
マギーは父親に死なれていて、生活保護を不正受給している母親と妹、そして刑務所にいる弟を持つ、決して恵まれた家庭環境ではありませんでした。
また13歳からウエイトレスとして働いていて、現在もウエイトレスをしていてお客にもらったチップをせっせとためて、月謝などを払っていました。
フランキーはマギーにどうせ使っていなかったからとスピードボールを渡し使うように言いました。
フランキーにはビッグウィリー(マイクコルター)というタイトルマッチの話も来ている有望なボクサーがいました。
しかしウィリーは新しいマネージャーを見つけジムを移籍することをフランキーに伝えます。
フランキーがウィリーのタイトルマッチを先延ばしにしていたのが原因でした。
フランキーはウィリーのためを思って実力をもっとつけてからと考えていましたが、ウィリーは我慢しきれませんでした。
珍しく夜にフランキーがスクラップの元を訪ねます。チーズバーガーを差し入れに持ってきました。
フランキーはマギーが1人残って夜も練習していることを知ります。マギーはスピードボールも器用に叩けるようになっていました。
自分のこれまでの人生や焦る思いをフランキーにぶつけるマギー。
フランキーは口答えや質問をしないことや、基本を教えたら他のマネージャーをつけるということを条件に、マギーのトレーナーになります。マギーは嬉しさが顔に現れていました。
早速フランキーの指導が開始し、マギーは真剣にフランキーの指導に耳を傾けます。
めきめきと上達したマギーは試合をしたがります。フランキーはあっさりと他のトレーナーにマギーを受け渡し、マギーのトレーナーを辞めてしまいました。マギーは唖然としています。
マギーは新しいトレーナーの元で試合に臨みますが、いきなり苦戦をします。
スクラップもフランキーも試合を見に来ていました。フランキーはリングサイドまで行きアドバイスします。
立場は部外者なのでレフリーから注意を受けますが、マギーが新しいトレーナーとは相性が悪いと言い。トレーナーも去って行ったことから、フランキーがマギーのトレーナーと認められて試合が続行されました。
マギーはフランキーのアドバイスを活かして見事にKO勝利を収めました。
その後もマギーは勝利をおさめ続けます。
鼻の骨を試合中に折られたりなどのアクシデントにも見舞われますが、マギーは自らフランキーにその場で鼻を矯正してくれるように頼み、激痛に耐えてこの試合もKO勝利を収めました。
マギーはフランキーの判断でイギリスにわたってタイトルマッチを行います。フランキーはマギーのために入場用のガウンを用意していました。
緑色のガウンには「モクシュラ」とゲール語で書かれていて、ガウンに喜びテンションが上がっているマギーが意味を訪ねると、フランキーはゲール語だからわからんとそっけない態度を取るのでした。
その後もマギーはフランキーと共に海外で試合を重ねて勝利し続けます。マギーは完全に自他ともに認めるプロボクサーとなっていました。
そしていよいよアメリカのチャンピオンであるビリー(ルシアライカ)とタイトルマッチを行う事となるのでした。
ビリーは汚い手を使うボクサーでフランキーはマギーに経験を積ませることを優先していたのでした。
マギーは試合をこなす中で大金を稼ぐようになっていて、フランキーの教えの通りにしっかりと貯金していました。
そしてマギーは母親のために一軒家を買ってあげるのですが、母親は生活保護が打ち切られることを心配して勝手なことをするなとマギーを叱ります。
妹もマギーに感謝している様子がありませんでした。しかし文句を言いながらも母親と妹はマギーが買った家に住み始めるのでした。
母親はマギーにお金だけくれてればいいというひどい言葉の後に、マギーの鼻の傷を見て「言いたかないけど近所の笑い者だよ」と心無い言葉を浴びせるのでした。
同行していたフランキーはその様子を見てなんとも言えない気持ちになっていました。
車での帰り道、マギーは寄りたいところがあると言い、本物のレモンを使ったレモンパイを出すカフェでマギーとフランキーはレモンパイを食べたのでした。マギーの言う通りとても美味しいレモンパイでした。
父親だけはマギーに優しくしてくれていた存在でした。
マギーは今は亡き父親の話をフランキーにします。マギーの父親はアクセルと名付けたシェパードを飼っていたこと、可愛がっていたアクセルが足の病気が原因で生きることが苦しそうになると、マギーの父親は自らシェパードを葬り埋めて帰宅してきた話をしました。
アクセルを愛しているが故の行動だと。
いよいよビリーとのタイトルマッチを迎えるマギー。ビリーは強敵で「青い熊」という異名をつけらているほどでした。反則の非常に多い、得意としているチャンピオンでした。
試合が始まりマギーが優勢になると、ビリーはやはり巧みに反則技を繰り出してきます。
審判の死角を利用するものありましたが、審判にも見える反則もしていたことから、ビリーは次も反則をしたら減点すると警告を受けます。
しかし劣勢になるとビリーは反則をしてきます。悪質な反則にビリーは減点の罰を受けます。フランキーはジャッジが甘いと怒っています。
マギーはフランキーのアドバイスに従ってビリーを攻め立てますが、あと一歩のところでそのラウンドを終えるゴングが鳴り、マギーはセコンドのいるコーナーに戻ろうとします。
しかしここでビリーがいきなりマギーを殴るという反則を行い、完全に戦闘態勢でなかったマギーは身体ごと吹っ飛び、セコンドが用意したコーナーの椅子に頭を強打してしまいます。
フランキーが急いで椅子を引こうとしたのですが間に合いませんでした。
リング上で意識を失い病院に運ばれたマギーは一命は取り留めたものの、第一と第二頸椎を損傷していて、全身麻痺の状態になってしまいました。
自分で呼吸を行うこともできなくなってしまい、人工呼吸器を常につけることになります。
フランキーは何とかマギーを救いたく世界中の医者に連絡をしてマギーを治せる医者を探しますが、そんな医者は存在しませんでした。
マギーにはフランキーがつきっきりで側にいました。マギーは母もいるしそこまでしないでいいと言ってましたが、マギーの母親は連絡が取れず娘の様子を見に来る気配がありませんでした。
マギーの母親と妹と出所した弟が弁護士を連れて突然病院にやってきます。
明らかにディズニーランド帰りの服装にフランキーは辟易し着替えてくるように頼みますが、常識のないマギーの家族たちはそのままマギーの病室へと押しかけました。
さらにマギーの母親はマギーにある契約書にサインさせようとしていました。
マギーの財産をマギーから母親に移すといった内容の書類でした。だから弁護士が同行してきていたのでした。
マギーは治療代はボクシング連盟が出してくれてるから大丈夫と母親に話しますが、母親はマギーの財産を守るために自分に名義を変えると主張します。
マギーにペンを口にくわえさせて無理やりサインさせようとしますが、マギーはペンを吐きこれを拒絶しました。マギーは母親に試合を見たのかと訊ねました。
母親は見ていないと言いボクシングを馬鹿にし、相手が汚かったとは言えお前は負けたのだろうとマギーに言い放ちました。
マギーは母親達家族に出ていくように言い、もしまた顔を出したら生活保護を不正受給していることをバラし、プレゼントした家も取り上げると告げました。
マギーの左足は切断するのを余儀なくされ、マギーは足を失ってしまいます。
マギーはまだ聞けていなかったガウンに書かれていた「モクシュラ」の意味をフランキーに訊きます。フランキーは「勝たなかったから教えない」と言って教えませんでした。
タイトルマッチの前にフランキーは勝ったら意味を教えると約束していたのでした。
フランキーはマギーに何とか生きる希望を見つけてもらおうと考えますが、マギーはフランキーに、自分の父親が愛犬のアクセルにしたことをして欲しいと頼みました。
尊厳死のことを言っているのでした。フランキーは自分にはできないことを告げますが、激しく苦悩します。
病院か夜に電話をもらったフランキーはマギーが舌を噛み切ろうとしたことを知らされます。
病院に駆けつけるとマギーは口の中にガーゼを押し込まれていました。舌を噛んで意識が戻ったマギーはもう一度舌を噛んだので、口の中に詰め物を入れられていたのでした。
抱えきれない苦しみを抱えたフランキーはホーヴァク神父に相談します。ホーヴァク神父は決して手を貸してはいけないとフランキーを諭しました。
フランキーはスクラップにも相談していました。
スクラップはタイトルマッチに挑戦したマギーの人生はいい人生だったと自分で思えるだろう、俺だったら悔いはないと話しました。
フランキーの考えは決まりました。注射器をバッグに入れてマギーの病室を訪れます。
フランキーはマギーの耳元で注射することを告げ、「モクシュラ」の意味も伝えました。
モクシュラとは「愛する人よ。お前は私の血」という意味でした。
フランキーが起こした行動は…?
結末は本編をご覧ください。
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映画『ミリオンダラーベイビー』感想・評価
映画『ミリオンダラーベイビー』ですが、僕は初めて観た時に勝手に想像していた内容とあまりに違って驚いたのを記憶しています。
てっきり「ロッキー」のような、逆光をはねのけてチャンピオンになるような、そんな内容の映画だと勝手に思い込んでいたのです。
それがまさかこんなに重たく、人間の苦悩、選択の難しさを迫るような内容だとはいい意味で裏切られたのが映画『ミリオンダラーベイビー』でした。
この『ミリオンダラーベイビー』は宗教的な観点からもいろいろな意見が飛びかっている映画となっています。
日本よりも海外の方がこういった点は問題になりやすそうな印象が確かにありますし。
そしてラストは、これは観客にゆだねる形をとっているのだと思うのですが、皆さんはどうお感じになっているのでしょうか。
フランキーは2本注射器を持っていて1本はそのままバッグに入ってたままです。自分用と考えるのが普通かと。
またレモンパイのお店のカットがあることも、その後の可能性をにおわせます。
さらにジムに帰ってくるという事も考えられるわけで、僕としてはこの『ミリオンダラーベイビー』を鑑賞するたびに違う結末を自分なりに感じられればいいかなと思っています。
鑑賞するタイミングによって感じ方も違ってくるわけですから。
クリントイーストウッドもヒラリースワンクも最高の演技で魅了してくれました。ただ個人的には大声で「モーガンフリーマン最高!!」と叫びたいです。
この人のにじみ出るあたたかさは本当に心の底からずるいと思います。きっとたくさんの俳優に尊敬されていると同時に嫉妬されていることでしょう。
他のキャストもみなさん生きている感じがすごくして輝いていました。
マギーの家族が本当に憎たらしいですが、それはきっと演技が上手いからでしょう。
感動はもちろですが、考えさせてくれる映画でもあります。
おすすめ映画です。ぜひ。
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