クリックできる目次
映画『何者』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『何者』です。
豪華キャストで贈る、直木三十五賞を受賞した朝井リョウの『何者』の映画化。
綺麗ごとではない若者の心の内をリアルに描写していて、役者陣もしっかり見応えのある演技を魅せてくれている映画です。
ただ映画のジャケットの山田孝之はスーツを着ていなくていいのではないかと思うのですが、僕だけでしょうか?
俳優の技量が非常に試されるテイストの映画だと思います。ごまかしがきかないというか。
しかし出演している皆さん本当に芸達者な俳優さんばかりでお芝居で非常に楽しませてくれます。繊細な演技を観る者の胸を打つ映画です。
それでは『何者』の映画紹介です。
映画『何者』は2016年に公開された日本映画です。
上映時間は97分。
原作は朝井リョウの小説『何者』。
監督は三浦大輔監督。『愛の渦』のヒットで有名な監督ですね。舞台で精力的に活動されている人です。
キャストは
二宮拓人…佐藤健
田名部瑞月…有村架純
小早川理香…二階堂ふみ
神谷光太郎…菅田将暉
宮本隆良…岡田将生
サワ先輩…山田孝之
ほか。
映画『何者』ネタバレ・あらすじ
大学生の拓人(佐藤健)はスーツを着てあるライブハウスにやってきました。
ライブハウスではルームシェアをしている同じ大学生の光太郎(菅田将暉)の引退ライブが行われていました。
バンド活動に精を出してきた光太郎でしたが、就職活動を始めるにあたりバンドをきっぱり辞める決意をして今日がその引退ライブの日だったのです。
ライブハウスには同じ大学の友人瑞月(有村架純)も来ていました。
しかし拓人は瑞月と顔を合わせるとおもむろに携帯電話を取り出しいじり始めます。
光太郎はライブを終え、本格的に就職活動に拓人と瑞月と共に挑むことになりました。
大学生活を演劇に捧げ、公演の脚本も書いていた二宮拓人は一緒に演劇に取り組んできた相棒がいました。
就職活動を始めた拓人とは反対にその相棒は演劇に生きることを決めていました。
拓人はそんな相棒のこと「寒い」と表現していましたが、心のどこかでひっかかるものを感じていました。
ある日拓人と光太郎が住む部屋に瑞月が突然やってきました。拓人は秘かに瑞月に思いを寄せていました。
驚く2人でしたが事情を聞くと上の階に友達が住んでいてその友達を訪ねてきていたということでした。
その友達とは語学堪能でアメリカでの滞在経験もある小早川理香(二階堂ふみ)でした。
瑞月の紹介で拓人と光太郎は理香の部屋を訪れます。
理香も他のメンバーと同じように就職活動中で、意気投合したメンバーは理香の部屋を『就活対策本部』として、力を合わせて就職活動を行っていくことにします。
そしてこの部屋には理香の恋人の宮本隆良(岡田将生)が住んでいました。
隆良は就職活動というものに何の疑問も持たないないのかと4人を疑問視しているような感じの人間で、拓人たちはどこか見下されているような印象を受けます。
しかし僕は君たちとは違うといった空気を出していた隆良も結局は就職活動を始めることになり、5人は情報交換をしながら就職活動に励んでいきました。
スタート時は平等だった5人でしたが、みんなが同じタイミングでいい結果が出るはずもなく、少しづつ差が出てきます。
端月や光太郎に内定が出ますが、理香や拓人は企業からいい返事をもらえずにいました。
光太郎は出版社に内定をもらい、拓人と光太郎は拓人のバイト先でささやかなお祝いをします。
そこに拓人のバイト先の先輩であるサワ先輩(山田孝之)も合流し、さらにバイト先の女の子も合流しました。偶然にもこの女の子は光太郎のバンド時代のファンの子でした。
場は盛り上がり拓人はなんとなく居心地の悪さを感じていて耐え切れず席を立ちました。
そして帰りに光太郎と拓人は一緒にタクシーに乗り込みます。
光太郎は嫌味ではなく純粋な疑問を口に出します。「なんで拓人は内定がでないんだろう」と。光太郎は拓人という人間をそれぐらい認めていたのでした。
帰宅した拓人はコピー機を使いたくて理香の部屋を訪れます。
理香は深夜にも関わらず拓人を部屋に入れコピー機を快く貸してくれました。隆良がいないことが気になった拓人は理香に行方を尋ねます。
隆良は理香の失くした携帯電話を探しに行っているということでした。拓人はプリンターを使おうと理香のパソコンの電源を入れました。理香が拓人に携帯電話を貸してほしいと言います。
拓人は携帯電話を理香に渡します。拓人は電源を入れたパソコンの検索履歴を見ました。
そこには瑞月に合格した会社の名前がありました。また理香も拓人の携帯電話の検索履歴を見ました。そこには光太郎が合格した出版社を調べた履歴がありました。
拓人は2人とも同じ行動をしていたことに驚きますが、理香は察しがついていました。そして拓人に対して拓人の弱さを指摘し言葉を浴びせていきました。
拓人はSNSのアカウントを2つ持っていました。1つは友人たちと交流するためのもので、もう1つは誰にも知られていないアカウントで、身近な友人たちをはじめ様々な愚痴が書き込まれていました。
拓人は現代のSNSに囚われた若者といった感じでした。
拓人はこの行動を続けることで日常生活に弊害をきたしていました。激しい心の内を普段の生活で見せることができなくなり、どこか冷めているような冷静な物言いしかできなくなっていました。
しかし現代において拓人がとくに珍しい存在というわけではありませんでした。
光太郎も瑞月も理香も隆良もみんなそれぞれもう一つの顔を持っていました。そして拓人のもう一つのアカウント名は「何者」という名前が付けられていました。
拓人は就職活動の面接に来ていました。
自分のことを1分で説明してください、そんなありきたりな質問をされた拓人は自分のことを話し始めますが、妙な感覚に耐え切れなくなり、話を中断してしまいます。
拓人が話し始めた内容とは…?
そして拓人が面接官に伝えたこととは…?
|
映画『何者』感想・評価
とてもリアルなストーリーで胸が痛くなるというか思い出すとちょっと心にチクりと来るような、そんな誰もが持っている経験を思い出させてくれながらも、見ていて考えさせられる映画だと思います。
そして特に若い人たちはこの映画を観ておいて損はないんじゃないかと思います。
人が基本的に外に出したくない部分、他人に知られたくない部分にも焦点が当てられていて、またこの映画で描かれている事のほとんどは、日常で多くの人に起きていることだとも思います。
就職活動をしていない僕が見ても、異常な程のリアリティを感じましたので。
オーディションというものは数多く受けていたものの、就職活動をしてこなかった僕からしても、実際の就職活動をしている学生たちの胸の内って実際こんな感じなんだろうなと容易に想像がつくと言うか…。
そしてここまでの競争を強いられる場面ってこれまでの人生で初めてという人もかなり多いんだろうなとか、SNSが普及して吐き出す場所も、友人とのやりとりもどんどん形を変えていて、これは今現在はさらにエスカレートしているよなぁなんて思ったり。
個人的にはそれが特に悪いことだとも思わないですが。
この映画『何者』で僕が嬉しかったことは、こういう題材の映画、こういう内容の映画にこのキャストが集結したということなんです。
これはとっても素晴らしことだと個人的には思っていて、決して派手さもなくて、誰かの余命が少ないわけでもなく、CGなども使っていない、ストーリーも非常にリアルな無理に盛り上がりがあるわけでもない映画に、演技の評価も高く人気もある俳優陣が出演していることが純粋に嬉しいです。
この仕事を受けたこの若手俳優・女優皆さんに賛辞を贈りたいです。
山田孝之さんは決して出番は多くはないですが、山田孝之さんが出演しているというだけで正直映画の印象もグッと1つ上がります。
そして若手俳優たちと共に出演していることに山田孝之さんなりの日本映画への責任感を感じたのですが、これは考えすぎでしょうか(笑)
それぐらいの存在感のある俳優になっているんですよね。すごいことだしもはや偉大な俳優だと思います。
個人的な勝手な想像で噂とかを聞いたわけでは全然ないのですが、松坂桃李さんにこの映画のオファーがいってそうな気がしませんか?めっちゃ出てそう~って観ながらすごい思ってしまいました。
この年代の俳優女優の演技の上手い子たちが集結したと言っていいんじゃないでしょうか。
役者の皆さん文句なく素晴らしいですし演出も良かったと思います。
皆さんいい役者さんで映画も楽しめたのですが、欲を言えば有村架純さんはそろそろ毒のある感じを見たいと言うか、たまたま僕が見ている彼女の作品がそうなのか、あまりにいい子の役が多いので、そろそろガラッと違う演技も観たいなと思います。
上手な女優さんなのできっといい悪役を見せてくれるのではと思います。
タクシーの中での拓人と光太郎のやり取りの芝居を見て、『佐藤健と菅田将暉は本当にいい役者だなぁ~』ととても感慨深くなってしまいました。
売れているのも超納得してしまいます。あのやりとりシーンの佐藤健さんの「ありがとう」のセリフはちょっとホントにすごいなと思いました。
僕としてはすごく上質な映画だと思いますので、是非観て欲しい作品です。
おすすめ映画です。ぜひ。
映画『何者』
恋愛・友情・就活。これが僕たちのリアル。
佐藤健出演映画はこちらもおすすめ。
映画『バクマン』ネタバレあらすじ感想
続きを見る