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映画『聖の青春』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『聖の青春』です。
映画『聖の青春』は実在した将棋プロ棋士である村山聖をモデルとした、大崎善生のノンフィクション小説を映画化した作品です。
映画の他に藤原竜也主演でテレビドラマ化され、舞台作品としても何度か上演されている作品です。
病気を抱えたプロ棋士が将棋に人生をかけ、羽生善治らと対局していく様子を描いています。
それでは『聖の青春』の映画紹介です。
映画『聖の青春』は2016年に公開された日本映画。
上映時間は126分。
原作は大崎善生によるノンフィクション小説『聖の青春』。
監督は森義隆監督。
『宇宙兄弟』『パラレルワールドラブストーリー』などを監督しています。
キャストは
村山聖…松山ケンイチ
羽生善治…東出昌大
森信雄…リリーフランキー
村山トミ子…竹下景子
江川貢…染谷将太
橘正一郎…安田顕
荒崎学…柄本時生
谷川浩司…野間口徹
村本伸一…北見敏之
橋口…筒井道隆(原作者大崎善生のモデル)
看護師…明星真由美
工場員…中本賢
古書店店員…新木優子
医師…鶴見辰吾
ほか。
映画『聖の青春』ネタバレ・あらすじ
1994年、1人の工場員(中本賢)がゴミ集積所で倒れている男性を発見し駆け寄ります。
倒れていたのはプロ棋士の村山聖(松山ケンイチ)でした。
救急車を呼ぼうとした工場員でしたが、聖は工場員に「将棋会館に連れて行ってほしい」と頼みました。
工場員は聖の迫力におされて自分の軽トラックに聖を乗せて将棋会館を目指します。
将棋会館に到着しても聖は1人で歩くことができず、工場員はわけがわからないまま聖のいう方向に聖に肩を貸して連れて行きます。
聖は対局室に入ります。
対局室の前には村山聖と田中六段による王将戦と張り紙が貼られていました。
わけがわからないまま聖を送り届けた工場員は、将棋会館の中を見て回り、大勢の青年たちが無言で将棋を一心不乱に打っている部屋を見て、「あいつはいったい何者なんだ」とつぶやきました。
聖はこの日の対局に勝利を収めました。
聖は将棋界でプロ棋士として活躍していました。
聖の趣味は少女漫画を読むことで、散らかった狭い部屋で少女漫画を読むことが聖の日課でした。
聖は7段へと昇段することが決まり、後援会がパーティーを開いてくれていましたが、その時間が迫っていても大好きな少女漫画『イタズラなKISS』を読みふけっていました。
弟弟子の江川貢(染谷将太)がアパートにやってきてスーツに着替えるように聖を急かします。
パーティー会場では聖の師匠の森信雄(リリーフランキー)が、聖がなかなか来ないのでなんとか挨拶を引き延ばしていました。
そこへ聖がやっと現れて、森は冗談を言いながら聖を迎え入れました。
聖は挨拶で師匠の森からは酒とマージャンしか教わっていないと冗談を言い、会場は笑いに包まれました。
実際は師匠の森は病気を抱えている聖の面倒を実によく見ている人物でした。
聖は幼少期からネフローゼ症候群を患っていました。
腎機能障害によりたんぱく質が尿中に漏れ出してしまう病気と聖はずっとつきあってきました。
子供の頃から入院生活を余儀なくされ、その入院生活の中で将棋と出会いのめりこんでいき、今の聖がありました。
聖は破竹の勢いで勝ち上がっていく羽生善治(東出昌大)を常に意識していました。
羽生は名人位を含め五冠を達成する偉業を成し遂げていました。
聖は王将戦の予選で羽生と対局との対局に臨みましたが、126手の激闘の末、聖は羽生に敗れてしまいました。
聖の敗戦のショックは大きく、アパートの部屋で高熱を出して寝込んでしまいます。
体温を計り、看病しに来ている森に「僕は40度以上熱が出たら死ぬので」と説明していました。
森は体温計を見て「39度だから死なん!」と聖に告げました。
弟弟子の江川が牛丼を買ってきますが、吉野家の牛丼じゃなかったために聖は怒ります。
聖は食べ物に関して、決まった店のものを好む傾向がありました。
聖は羽生への雪辱を果たすために環境を変える決意をし、東京への移住を決めます。
師匠の森も賛成してくれました。
聖はなじみの古本屋へ行き、店員の女性(新木優子)に予約していた「イタズラなKISS」の最新巻のキャンセルを告げ、東京に行くからと理由も伝えました。
女性店員は聖を応援しました。
東京にやってきた聖は将棋会館内に事務所を構える将棋雑誌の編集長の橋口(筒井道隆)の世話になり新居を探します。
橋口は森が紹介してくれた人物で、聖は病気のことがあるので銀行口座や印鑑などをすべて橋口に預けました。
引っ越しを終えた聖は東京の将棋会館に赴きます。
聖は関西の村山聖として名前の知れた棋士のため、若手の棋士たちは容易に聖に話しかけられません。
聖は話しかけてほしそうに見ていましたが、結局1人で時間を過ごしました。
名人戦の対局が始まりみんなで予想をしていますが答えが出ず、プロ棋士の橘正一郎(安田顕)と荒崎学(柄本時生)が聖に意見を求めます。
聖の答え方に腹を立てた荒崎が怒りますが橘が仲裁し、3人はそのまま飲みに出かけました。
聖は橘と荒崎が話しかけてくるまで誰も話しかけてこなかったことを根に持っていて、東京は冷たいと文句を言い、うどんのまずさにも文句を言っていました。
聖は酒癖が決していい方ではありませんでした。
聖がトイレに行っている時に奨励会員が店にやってきて、聖が予想した通りの結果になったことを知らせました。
橘は聖の実力に驚きながら「終盤は村山聖に聞けだな」とつぶやきました。
荒崎と聖は対局を迎え、聖が勝利をおさめます。
聖は荒崎を相手にしていない様子で、となりで対局を行っている羽生の将棋盤を見てばかりいました。
聖は橘と荒崎、橋口と親交を深めマージャンなどをして時を過ごすこともありました。
一方、羽生の勢いは止まらず、ついに七冠まで上りつめていました。
将棋のタイトルをすべて総なめにしたことになります。
聖も順調に勝ち星を増やしていました。
しかし聖は突然道路を歩いている時に倒れてしまい、そのまま病院へと搬送されます。
医師(鶴見辰吾)は聖に膀胱がんであることを告げました。
聖は身体のSOSを無視して対局に臨み勝利を収めます。
病院からは聖の部屋の電話に電話がかかってきていましたが、聖は無視を決め込み痛みに懸命に耐えました。
聖は大阪に帰省します。
過去に通っていたご飯屋さんや古本屋へと立ち寄り、江川とも将棋を指しました。
弟弟子の江川はなかなかプロに上がれずもがいていて、奨励会の年齢制限が迫っていました。
江川は明日に控えた対局に負けるとプロ棋士の道を断念しなくてはなりません。
聖はそんな江川に胸を貸し対局をしました。
江川は負けてしまいます。
これにより江川は奨励会を退会しプロ棋士への道が断たれてしまいました。
師匠の森は江川と聖を連れて飲みに行きます。
江川は悔いはなくすっきりしましたと森に告げ、森はそれならよかったと答えます。
しかし聖のお酒は進み、江川に対して「お前は今日死んだ。負け犬が」と言葉をぶつけます。
店を出ても聖は江川に対して辛辣な言葉をぶつけ、江川はたまらず聖を殴り倒してしまいます。
森が仲裁しますが、聖は倒れたまま、江川は立ったまま泣いていました。
聖は1人北海道に行き、雪の中で将棋を指していました。
聖は羽生とタイトル戦を戦う事になります。
聖は森が用意してくれた紋付袴を着用して羽生との対局に臨みました。
聖は見事に羽生から勝利をもぎ取ります。
その後、棋士たちの食事会が開かれ、聖は羽生に抜け出して飲みに行きませんかと声をかけます。
羽生はぜひ行きましょうと答え、2人はテーブルをはさんでビールを飲みながら話しますが、ことごとく趣味が合いませんでした。
聖はどうして僕たちは将棋を選んだのだろうと羽生に問いかけます。
羽生は今日聖に負けたことが死んでしまいたいくらいに悔しいと言い、その負けたくないという気持ちなんじゃないかと話します。
聖は自分の身体のことを話しますが、この身体じゃなかったら、将棋とも出会えなかったし、羽生とも将棋を指せなかったと話しました。
羽生は時々深く潜りすぎて戻ってこられないんじゃないかと怖くなる時があると言い、ただ聖となら深く潜っていけそうな気がするとも聖に告げました。
聖はそこはどんな景色なんでしょうと嬉しそうに羽生に言葉を返しました。
2人はお互いの実力を認め合っているまさに好敵手でした。
聖は病院に行きます。
医師はがんが進行していることを告げ、手術をすれば1年間は将棋界に復帰できないこと、手術をしないと持って三か月だと聖と聖の両親に告げました。
聖はA級から降格し、病気治療のために長期の療養に入りました。
実家でのんびりしながら療養している聖は父親の伸一(北見敏之)に、自分が死んだら密葬にしてほしいと頼み、母親のトミ子(竹下景子)が買ってきた牛丼をほおばっていました。
聖は自宅の自分の部屋で伸ばしていた髪と爪を切り(聖は髪にも爪にも命があるという信念のもと伸ばし続けていました)、1人で将棋を指し始めます。
心配したトミ子が止めに行こうとするのを伸一が止めます。トミ子は声を押し殺して泣き崩れました。
医師は反対でしたが、聖は復帰を果たします。
聖の復帰後の対局は羽生との対局でした。
聖には看護師が付き添いでついて来ています。
聖と羽生の対局はまさに死闘となります。
深夜まで及んだ対局は聖の勝利を誰もは確信した展開になります。
しかし聖は土壇場で悪手(ミス)のためにこの対局に負けてしまいます。
勝利を収めた羽生の目からは涙がこぼれていました。
聖の癌は肝臓に転移していて、聖は再び入院を余儀なくされます。
聖はそのままこの世から旅立つことになりました。
1998年8月8日、29歳でした。
師匠の森が聖の遺体の聖の実家に駆け付けました。
トミ子はさっきまで羽生さんが来てくれていたと森に話しました。
聖にはその後九段が与えられました。聖は羽生との対局のあと、B級で対局を5局行い、その対局すべてで勝利を収めました。
聖はA級への復帰を決めていたのでした。
橋口は聖のその最後の5局が、まさに聖が命を削って臨んだ対局であり、どれも美しい棋譜であったと記事に書きました。
江川は就職して橋口の部下になっていました。
聖の記事の原稿を届けるように橋口に言われ、江川は将棋会館を出ました。
江川はふと振り向きます。
江川が振り向いた理由とは…?
結末は本編をご覧ください。
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映画『聖の青春』感想・評価
映画『聖の青春』、とてもいい映画でした。
レビューを書いていて改めて涙が出てくるほどに感動する映画でした。
村山聖について映画を鑑賞する前にWikipediaで調べていたので、なおさら感動が大きかったです。
フィクションの部分があるとはいえ、実際に病気を持ちながら、自分の命の短さを知りながら将棋に人生を懸けた村山聖という人物に感動せずにはいられませんでした。
松山ケンイチさんが本当に素晴らしかったです。
これまでの僕が見てきた松山ケンイチさんの作品の中で1番素晴らしかったです。
風貌も増量して似せていて、それだけでなく「きっとこういう人だったんだろうな」と思わせる説得力もあって、観ていて簡単に感情移入できました。
東出昌大さんの羽生善治さんですが、かなり研究されたのではないでしょうか。
僕が記憶している羽生善治さんはたしかにこういう目の動きしていたなと思わせてくれる演技をしてくれています。
東出昌大さんはテンションを上げるような役は苦手な印象ですが、「聖の青春」の羽生善治役は非常にクオリティが高く見入ってしまいました。
このお2人のキャスティングは大成功だったと思います。
染谷将太さんもリリーフランキーさんも安田顕さんも柄本時生さんも、他のキャストの人たちもすごいリアリティがあってよかったです。
柄本時生さんは特にすごいと感じました。
安田顕さんはずっと切なさが漂っていて、さすがだなぁと思いながら観ていました。
映画『聖の青春』は感動だけでなく、人生も考えさせてくれる映画です。
おすすめ映画です。ぜひ。
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映画『聖の青春』
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