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映画『沈黙のパレード』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『沈黙のパレード』です。
大人気シリーズ東野圭吾原作『ガリレオ』の劇場版第3作となります。
2008年に公開された『容疑者Xの献身』以来、14年ぶりに柴咲コウさんが内海役で復帰しています。
柴咲コウさんは大好きな女優さんなので、個人的には出演してくれてとても嬉しいです。
これまでの『ガリレオ』作品と同様に、謎解きだけでなく人間ドラマもたっぷりと描かれていて、出演者たちの重厚な芝居と重なり見応えたっぷりの映画となっています。
それでは『沈黙のパレード』の映画紹介です。
映画『沈黙のパレード』は2022年に公開された日本映画。
原作は東野圭吾ガリレオシリーズ『沈黙のパレード』
上映時間は130分。
監督は西谷弘監督。
『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』なども監督しています。
《キャスト》
湯川学…福山雅治
内海薫…柴咲コウ
草薙俊平…北村一輝
並木祐太郎…飯尾和樹
並木真智子…戸田菜穂
戸島修作…田口浩正
増村栄治…酒向芳
高垣智也…岡山天音
並木佐織…川床明日香
並木夏美…出口夏希
蓮沼寛一…村上淳
宮沢麻那…吉田羊
新倉智美…檀れい
新倉直紀…椎名桔平
間宮昌明…モロ師岡
記者…津田寛治
ほか。
映画『沈黙のパレード』ネタバレ・あらすじ
高校生の並木佐織(川床明日香)は、のど自慢大会のようなコンテストをきっかけに歌の才能を認められ歌手デビューを控えていました。
佐織の才能を発掘し伸ばしていたのはプロデューサーである新倉直紀(椎名桔平)と、直紀の妻でありかつて歌手デビューも果たしている新倉智美(檀れい)でした。
子供のいない新倉夫妻に可愛がられながら、歌手デビューを目前に控えていた矢先、悲劇が起きてしまいます。
ある夜に佐織は行方不明になり、3年後に住んでいた場所とは程遠い静岡の全焼した家の中から白骨遺体となって発見されました。
佐織は食堂を営んでいる両親のもとで育っていて、父親の並木祐太郎(飯尾和樹)や母親の並木真智子(戸田菜穂)、妹の並木夏美(出口夏希)をはじめ、常連客のみんなから可愛がられて育っていました。
誰にでも愛されるような少女だったので、佐織の死は多くの人に大きなショックを与えました。
さおりの白骨遺体には頭部に鈍器で殴られた跡があり、焼死ではなく何者かに殴られて命を奪われた後に焼けたと見られていました。
佐織と一緒に全焼した家の中から見つかったのは蓮沼というその家に住む80歳の老婆でした。
捜査一課である内海薫(柴咲コウ)が捜査に当たることになり、会議の場で捜査の進捗を確認していると上司である草薙俊平(北村一輝)が会議室に入ってきました。
草薙はホワイトボードに貼られている容疑者の蓮沼寛一(村上淳)の写真を見て、突然その場で嘔吐してしまいました。
草薙はかつて蓮沼が容疑者だった少女が命を奪われた事件を担当していましたが、蓮沼を逮捕したものの完全黙秘を貫いたため無罪となり、釈放された事件の担当者でした。
この過去の蓮沼の事件は草薙の心に大きな傷を負わせていました。
内海は事件解決のために帝都大学教授の物理学者・湯川学(福山雅治)に協力を要請します。
湯川はちょうどこの町に研究のために少し前から住んでいて、佐織の両親が営んでいる定食屋の常連でもありました。
佐織の事件の容疑者として蓮沼寛一が逮捕されますが、蓮沼はまたもや完全黙秘を貫き釈放となります。
蓮沼は草薙のことも覚えていて、取り調べ室で過去の少女の事件の話を持ち出していました。
湯川が定食屋で食事をしていると、容疑者となっていた蓮沼が店に現れます。
常連客たちは怒りに満ち溢れ、佐織の父親の並木祐太郎は蓮沼を店から追い出しました。
蓮沼がこの定食屋にやってくるのは初めてではありませんでした。
過去に1度やってきて問題を起こしていて、その後佐織が行方不明になっていて、この街の人間たちは蓮沼が犯人であることを信じて疑っていませんでした。
町では大掛かりなパレードが行われることになっていて、湯川もパレードの見物に足を運びます。
佐織の妹である並木夏美も湯川の近くでパレードを見ていましたが、携帯電話に母親から電話が入り、店の客が倒れたので祐太郎と一緒にお客を病院に連れて行くと連絡を受けます。
夏美も店に戻ると言ってパレードから姿を消しました。
その後、大きな事件が起こります。
蓮沼が死んだのです。
蓮沼はかつての同僚だという増村栄治(酒向芳)の自宅に転がり込んでいて、物置で寝泊まりをしていました。
その物置で蓮沼は息絶えていて、第一発見者は増村でした。
蓮沼に外傷はありませんでしたが警察は捜査に乗り出します。
蓮沼を恨んでいる人間はこの町には複数います。
内海と草薙は佐織の家族や周辺の人間のアリバイを確認しますが、祐太郎ら家族は店で腹痛を起こした客の病院に付き添っていたため、犯行は不可能でした。
草薙は第一発見者の増村から話を聞きますが、増村は明らかに落ち着かない様子で草薙の質問に答えていました。
蓮沼の死因は窒息死でした。普段常用していない睡眠薬を大量に飲んでいて、寝室にしている物置で窒息して帰らぬ人になっていました。
湯川は内海と草薙と会い現場を見せて欲しいと頼み、現場検証へと向かいました。
外傷がなかったことや物置の形状から、湯川はヘリウムガスを使った犯行であると最初に仮定しましたが、ヘリウムガスでは難しいことが分かります。
しかし液体窒素であれば犯行が可能であるとわかり、早速実験を開始して実証してみせました。
液体窒素が事件のキーとなっていると睨んだ警察は、佐織を可愛がっていた定食屋の常連でもある戸島修作(田口浩正)の食品工場を捜査します。
捜査員たちが隈なく防犯カメラをチェックすると、戸島がパレードにわざわざバンで出かけている姿が写っていて、その後、佐織と交際していた高垣智也(岡山天音)がカートを使って何かを運んでいるのが映っていました。
取り調べで高垣は計画があったことを認めますが、それ以上のことは決して口にしませんでした。
もともと高垣は蓮沼の命を奪う計画だとは聞いていませんでした。
湯川は蓮沼が15年前に少女の命を奪った事件で立件され、黙秘を貫いて釈放された事件と今回の事件につながりがあるのではないかと草薙に話します。
捜査の結果、蓮沼と一緒に住んでいた増村は、蓮沼に命を奪われたと思われる少女の母親の義理の兄でした。
増村の義理の妹は娘を亡くしたショックで自ら命を断っていました。
増村はこの妹を親代わりに育ててきていたのでした。
草薙はこの事実にたどり着き増村に告げますが、増村は認めようとしませんでした。
湯川は常連となっている定食屋に行き、店主の祐太郎と二人きりで話をしました。
裕太郎は湯川が全てを見透かしていることを悟りますが、湯川に対して「沈黙してくれてる人がいるのに、俺が口を開くわけにはいかない」とそれ以上は話しませんでした。
ちょうどその時湯川の携帯電話が鳴り、蓮沼殺害の件で新倉直紀が自首したことが分かりました。
当初の予定は蓮沼を窒息寸前にさせ、佐織の事件の容疑を自供させることでしたが、直紀は蓮沼が佐織の命を奪ったことを白状しているのを聞きながら液体窒素を物置の中に流し込んでいたら、蓮沼が息絶えていたと取り調べで話しました。
事件はこれで解決したかに思いました。
内海と草薙は事件解決の報告をしに湯川の研究室に来ていましたが、湯川は草薙に対して「そういうストーリーにしたのか」と意味深なことを言います。
草薙は血相を変えて湯川の胸ぐらをつかみ、研究室をあとにしました。
湯川は定食屋で食事をしている時に蓮沼が現れ、その時に店にいた常連客たちの反応を見て、自首した直紀の妻である智美の反応に違和感を覚えていました。
湯川は智美の家を訪ね、あることを問いかけました。
湯川がひとしきり話し終わると、智美は「新しい紅茶を入れるから私の話を聞いてほしい」と湯川に告げ、紅茶を入れます。
智美は驚きの真実を話し始めました。
智美が抱えていた秘密とは…?
蓮沼は本当に佐織の事件の犯人なのか?
自首した直紀の供述は本当なのか…?
すべての謎が溶けた時、人々の心に残るものは…。
衝撃の結末は本編をご覧ください。
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映画『沈黙のパレード』感想・評価
ガリレオシリーズは『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』も大好きなのですが、今作の『沈黙のパレード』も過去作品に劣ることなく、とても楽しめる作品となっています。
続編ものってパート2、パート3とどんどんつまらなくなっていくのが定説ですが、ガリレオシリーズはそんな定説には全く当てはまらず、しっかりと楽しませてくれます。
さすが東野圭吾さんといった感じでストーリーも非常に凝っていて、全く飽きることなく130分の上映時間が過ぎ去ります。
原作とは少し違った部分もあるようですが、映画版の脚本も十分楽しめるストーリーとなっています。
ガリレオシリーズはいつも出演者も魅力的なのですが、『沈黙のパレード』の出演者も皆さん素晴らしくて最初から最後まで飽きることなく楽しむことができます。
主人公・湯川学を演じる福山雅治さんは言わずもがな素晴らしく、ガリレオシリーズ全体を通してどんどん人間的な深みが出ているというか、人間らしさが強くなっている感じがして、「もしかしてシリーズ全体を通しての役作りをしてるのかな」と思ってしまうほどです。
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筆者は柴咲コウさん演じる内海がとても好きなので、復帰してくれて本当に嬉しく思っています。やはり内海と湯川の関係性がガリレオシリーズの1つの重要なポイントなんです。個人的にも大好きな女優さんなので、大好きなガリレオシリーズに戻ってきてくれて本当に嬉しいです。
そして北村一輝さん演じる草薙俊平ですが、シリーズ全般を通して草薙がこんなにフォーカスされるのって今までなかったのではないでしょうか。さすが北村一輝さんといった感じで重厚感がありながらも切なく儚い気持ちになる演技を見せてくれています。風貌にもかなり気を使っている感じで、外見も演技も説得力がマックスでした。
他の出演者の方々も本当に素晴らしくて、椎名桔平さんはかっこよくもありながら後半はくたびれた感じを絶妙に出していたり、檀れいさんはリアリティたっぷりに身勝手な役柄を演じています。それにしても綺麗です。
そして飯尾和樹さんが予想外と言っては失礼ですが、僕が存じ上げなかっただけなのか「この人こんなに演技が上手いのか」とかなり驚いてしまいました。娘の命を奪われる父親という難しい役柄なのですが、すごくリアルだったし大げさな部分も全然なくて、それどころか表情一つで感情を伝えるような芝居をされていて、見ていて感動しましたし大いに驚いてしまいました。
余談ですが、飯尾和樹さんの奥さん役を戸田菜穂さんが演じているのですが、エンドロールを見るまで気がつきませんでした。昔よく見ていた女優さんなのでなんだか嬉しかったです。
そして相変わらず怪演を見せてくれていたのが戸島を演じた田口浩正さんで、これでもかというぐらい芸達者ぶりを披露してくれていて、作品の大きなスパイスとなっています。
岡本天音さんもいい味を出していて、彼にしかできない演技を見せてくれています。少し狂気的なところが大きな魅力ですよね。
出口夏希さんもとても透明感があって気になる女優さんだなと感じました。
こういったように出演者の皆さんが本当に素敵な芝居を見せてくれている上に、ストーリー展開や脚本も素晴らしいので、見応え十分のクオリティの高い作品となっています。
まだ観ていないという人は、是非鑑賞してみてください。
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