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映画『現金に体を張れ』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『現金に体を張れ』です。
映画『現金に身体を張れ』はスタンリー・キューブリック監督のハリウッド第1作映画です。
僕は20年前ぐらいにこの『現金に体を張れ』をはじめて鑑賞したのですが、当時めちゃくちゃ面白くて衝撃を受けたのです。
なかなか観る機会がなくてかなり久しぶりに鑑賞したのですが、当時の衝撃が色あせることなくやっぱりとても面白い映画でした。
それでは『現金に体を張れ』の映画紹介です。
※ちなみに『現金(げんきん)』ではなく『現金(げんなま)』と読みます。
映画『現金に体を張れ』は1957年に日本公開されたアメリカ映画。
上映時間は85分。
監督はスタンリー・キューブリック監督。
説明不要の鬼才として名を馳せている映画監督で『スパルタカス』『ロリータ』『時計仕掛けのオレンジ』『シャイニング』『2001年宇宙の旅』などを監督しています。
原作はライオネルホワイトの『逃走と死と』。
キャスト
ジョニー・クレイ…スターリング・ヘイドン
フェイ…コリーン・グレイ
ヴァル・キャノン…ヴィンス・エドワーズ
マーヴィン・アンガー…ジェイ・C・フリッペン
ランディ・ケナン…テッド・デコルシア
シェリー・ピーティ…マリー・ウィンザー
ジョージ・ピーティ…エリシャ・クック
マイク・オライリー…ジョー・ソウヤー
駐車場係…ジェームス・エドワーズ
ニッキー・アーケイン…ティモシー・キャリー
モーリス…コーラ・クワリアーニ
レオ…ジェイ・アドラー
タイニー…ジョセフ・ターケル
ほか。
映画『現金に体を張れ』ネタバレ・あらすじ
競馬場に併設しているバーでバーテンダーのマイクオライリー(ジョーソウヤー)と話していたマーヴィンアンガー(ジェイCフリッペン)が、馬券を窓口に持っていきました。
マーヴィンが係員に差し出した馬券にはある会合が行われる内容が書かれていました。
メモを書かれた馬券を受け取った係員はジョージピーティ(エリシャクック)で、メモには触れずにジョージは払戻金をマーヴィンに渡しました。
マーヴィンは仲間たちとともに競馬場に集まる多額の現金を強奪する計画を立てていました。
競馬場の窓口係のジョージも仲間の1人です。マイク、マーヴィン、ジョージのほかに仲間は、この計画を取り仕切るリーダーであるジョニークレイ(スターリングヘイドン)、そして現役警察官のランディケナン(テッドデコルシア)でした。
ジョニーは刑務所に服役していて、出所してきたばかりでした。
ジョニーには恋人のフェイ(コリーングレイ)がいて、結婚をしようと考えていましたが、お金がなく今回の競馬場の現金強奪を計画したのでした。
それぞれに事情があり、ランディは借金を返済することができなくなっていたため、メイクは病気の妻の治療費をねん出するため、ジョージはお金にしか興味がない妻の愛を取り戻すために、今回の強奪事件に参加していました。
現金強奪計画は秘密厳守で進められていましたが、ジョージは競馬場の窓口の仕事から帰宅すると、妻のシェリーピーティ(マリーウィンザー)にうっかり計画を話してしまいます。
ジョージは妻に自分を愛してほしい一心で、つい大金が手に入ることを話してしまったのです。
しかしこのジョージの行動が後の悲劇を招くことになります。
ジョニーたちメンバーが集まって計画を練っています。それぞれの役割を綿密に話し合っている最中に、突然物音が聞こえます。
ジョージの妻のシェリーが計画を盗み聞きしにやってきていたのでした。
シェリーが捕まり、ジョージは「きっと浮気を疑って後をつけてきたんだろう」とごまかしますが、ジョージはシェリーに計画を話したのではないかと疑われ顔を殴られます。
ジョージは何も話してないと嘘をつき通し、妻のシェリーには手を出さないでくれと懇願しました。
ジョニーはシェリーと二人で話し、シェリーが欲の塊であることをすぐに見抜きます。ジョニーはシェリーに、黙って入れば旦那が大金を稼いでくるからと話し、シェリーに秘密を守ることを約束させて解放しました。
シェリーにはひそかにヴァルキャノン(ヴィンスエドワーズ)という男性がいました。
シェリーはジョージから強奪計画を聞いた後にすぐにヴァルに話してしまっていました。シェリーが会合の場所に来て盗み聞きをしていたのは、ヴァルがこの計画を利用して大金を奪う考えを起こしたので、ヴァルの指示で計画の内容を盗み聞きしていたのでした。
強奪メンバーはそんな事実は知らないままです。
ジョニーは計画を実行するために必要なライフルの狙撃手としてニッキーアーケイン(ティモシーキャリー)と、バーテンと喧嘩して警官を引き付ける役割のために、レスラーのモーリス(コーラクワリアーニ)を雇いました。
この2人に関しては、奪った大金を山分けするわけではなく、あくまで報酬を渡す契約を交わしました。
計画実行のために準備をメンバーはそれぞれ行います。
そしていよいよ計画が実行される日がやってきました。
ニッキーはジョニーの指示通りにレース中の馬を駐車場からライフルで撃ち、競馬場ををパニックにします。
レスラーのモーリスも指示通りに競馬場のバーで大暴れし、その怪力を活かして警官たちを突き飛ばしまくり、競馬場にいる警官たちが総出でモーリスを取り押さえて連れて行きます。
警官たちが出払っている隙に、ジョニーが競馬場の内部に入り込みます。
ジョージが手引きをしていました。
ジョニーはあらかじめ隠していたライフルを取り出して事務所に突入し、まんまと多額の現金をゲットすることに成功しました。
事件はすぐにニュースになり、犯人が現金の詰まった大きな袋を持って競馬場から逃走することは不可能と考え、競馬場のどこかに現金が隠されているのではと捜査が行われていると報道されていました。
しかし実際はジョニーは大金の詰まった袋を窓から放り投げていました。
落下点にはランディが待ち構えていて、大金の入った袋を持ってパトカーで逃走したのでした。
ランディはそのままジョニーに指示を受けていた隠し場所に現金を運びました。
ジョニーが現金を取りに行っている間、メンバーたちはアパートの一室で現金強奪が成功した喜びをわかちあっていました。
ジョージだけはすべてが時間通りにいっていたのにジョニーの到着が遅すぎるとやきもきしていました。
ジョニーは渋滞に巻き込まれて15分ほど遅れていました。
メンバーのいるアパートに突然ヴァルが仲間を連れて銃を持って現れました。
ヴァルは現金をジョージたちから奪うつもりでしたが、ヴァルがシェリーの浮気相手だと悟ったジョージは持っていた銃でいきなりヴァルとヴァルの仲間を撃ちました。
ヴァルは撃たれた拍子に持っていたライフルを乱射し、強奪メンバーはこれにより全員絶命し、ヴァルとヴァルの仲間も絶命、ジョージも撃たれて重傷となります。
ジョニーが車でアパートの前に到着しますが、瀕死の状態のジョージが出てきたのを目撃し、何かが起きていることを察知しました。
何かが起きた場合はとりあえずジョニーが現金をどこかに隠すことにあらかじめ決まっていました。
ジョニーはアパートを離れ、カバンを買い、人気のないところで現金を袋からカバンに移し替えました。
ジョージは瀕死の状態で帰宅します。シェリーはヴァルが現金を奪ってきたと勘違いしてヴァルの名前を呼んでしまいます。
ジョージはシェリーのことを銃で撃ち抜き、自分もそのまま倒れ込み絶命しました。
1人生き残ったジョニーはは恋人のフェイを連れて、空港へと来ていました。
カバンを機内に持ち込みたいと係員に言いますが、サイズが大きいため無理だと言われ、仕方なく預けることにします。
カバンは鍵が故障していて鍵がかかっていない状態でした。
カバンが他の乗客の荷物と一緒に運ばれているのを見ていたジョニーとフェイでしたが、カバンが落下してしまい中にある現金がすべて出てきてしまいます。
滑走路での出来事なので、強風がふいているため現金は見事に吹き飛んでいきました。
呆然とするジョニーをフェイが促して空港から逃げようとしますが…
このままでは捕まってしまうと思ったからでした。
空港の係員がジョニーを追い、刑事たちもジョニーの怪しさに気が付き、銃を持って空港から出てきます。
ジョニーはタクシー乗り場でタクシーを待ちながら、追い詰められるのでした。
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映画『現金に体を張れ』感想・評価
映画『現金に体を張れ』、やっぱり久しぶりに観ても面白かったです!
1956年の映画ですからね、それでもこれだけ最高に楽しめてしまうというのは…映画に古いも新しいもないということです。
傑作は傑作として残り続けるどころか輝き続けるんですよね。
映画『現金に体を張れ』は現金強奪に関するトリックが焦点の映画ではありません。
現金強奪に関わる人間たちの背景や人間関係などから見える切なさが見どころだと僕は思っています。
ジョージのせいで計画はうまくいかなかったわけですが、ジョージって本当に切ないなと思わされますし、なによりジョージのキャスティングが素晴らしすぎです。
ラストのジョニーにしても切なすぎです。
買ったカバンのカギが壊れていなければ、あんな結末にはならなかったわけで、人生って本当に些細なボタンの掛け違えで、大きく変わってしまうんだよなぁと思わされます。もちろん何より悪いことをしているのでダメなのですが(笑)
映画『現金に体を張れ』はドキドキもしつつ切なさも与えてくれる映画です。
そして演出がいちいちかっこいいです。
スタンリーキューブリック監督さすがとしか言えない映画です。
おすすめです。ぜひ。
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