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映画『ワンダフルライフ』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『ワンダフルライフ』です。
映画『ワンダフルライフ』は是枝監督らしさが出ている映画で、演じている俳優たちは簡単な状況設定のみが与えられて即興で演じているシーンが多い映画となっています。
ドキュメンタリーのような感覚を味わえる映画になっています。
個人的には若かりし日の伊勢谷友介さんが魅力的でとても好きな作品です。
それでは『ワンダフルライフ』の映画紹介です。
映画『ワンダフルライフ』は1994年に公開された日本映画です。
上映時間は118分。
監督は是枝裕和監督。
『誰も知らない』『万引き家族』『そして父になる』『海街diary』などを監督している世界で高い評価を受けている監督です。
キャストは
望月隆…ARATA(井浦新)
里中しおり…小田エリカ
川嶋さとる…寺島進
杉江卓郎…内藤剛志
中村健之助…谷啓
伊勢谷友介…伊勢谷友介
庄田義助…由利徹
守衛…横山あきお
西村キヨ…原ひさ子
天野信子…白川和子
吉野香奈…吉野紗香
山本賢司…志賀廣太郎
渡辺一朗…内藤武敏(青春時代:阿部サダヲ)
渡辺京子…香川京子(青春時代:石堂夏央)
食堂係…木村多江 山口美也子
受付係…平岩友美
ほか。
映画『ワンダフルライフ』ネタバレ・あらすじ
月曜日の朝、施設の職員たちは朝礼で先週は18人を送り出したこと、そして今週は22人を送り出す予定だという話を聞きます。
チャイムが鳴るとバラバラと人々が入室してきます。
入室した人たちは1人1人面接官と面接をしていきます。
入室してきた人たちはすでに亡くなっている人たちでした。
この施設は亡くなった人が1週間滞在する施設で、最初の3日間で自分の人生の中で最も大切だった思い出を選び、残りの日数で施設のスタッフがその思い出を映像化し、最終日に試写を行い、その思い出が蘇ると天国に旅立っていくという仕組みになっています。
もちろん思い出はそれぞれ違うので、1人1人しっかりと面接しじっくりと話を聞いていきます。
それぞれの思いを語るすでに死んでしまった人たち。そんな人たちの思いで話を聞いて施設の職員は夜に話し合い、その人の人生に思いを馳せるのでした。
なかなか大切な思い出が思い浮かばなかったり、前向きに思い出そうとなかなかしない人など様々な人が存在しています。
聞き取りには3日間設けられているので、次の日も職員は聞き取りを行います。初日よりも具体的に思い出を話す亡くなってしまった人たち。
それぞれの人生においての思い出、年齢も様々なのでその内容も当たり前に十人十色です。
職員たちは夜になるとミーティングのような形で思い出を語る人たちについて話し合います。
西村キヨ(原ひさ子)というおばあさんは生前にすでに大切な思い出を選んできていました。
それに対し、今どきの若者といった感じの伊勢谷友介(伊勢谷友介)という青年は、じっくり考える素振りもあまり見せず、真剣に選んでいる様子が見えませんでした。
幼少期の記憶を辿ろうとしている人がいたり、自分が生きている間に何を成しえたかを考える人もいました。
水曜日がやってきます。思い出を選ぶ期間は3日間なので、今日が期限になります。
職員たちはこの日、楽団の練習をも行っていました。
亡くなって施設に来た人々には記録テープというものがあり、その人の一生分が記録されているテープです。渡辺一朗(内藤武敏)はこの記録テープを見ることにします。
渡辺の記録テープは72本ありました。
夜になり職員の望月隆(ARATA井浦新)と里中しおり(小田エリカ)が渡辺の元を訪れました。渡辺は記録テープに入っている自分の新婚時代の映像を見ていました。
望月はその様子を見て上司に担当を変えて欲しいと願い出ました。
望月は22歳で亡くなっている男性でした。大正の生まれで戦争にも行き、戦争で負傷したことが原因で若くして命を落としています。
また同じく職員の川嶋さとる(寺島進)は3歳の娘を残してこの施設にやってきていました。娘が成人するのを見届けたいという思いを持っています。
施設で働いている職員たちもすでに亡くなっている人間たちなのです。そして彼らはお盆の時だけ生前にいた世界に戻ることを許されていました。
職員は亡くなった人たちの映像制作に取り掛からねばなりません。
しおりはロケハンをしてくると言って外に出ていきますが、大したロケハンをするわけでもなく街を徘徊して帰ってきます。
そんなしおりに川嶋は愚痴をこぼします。するとしおりは父親がいない状態で育つとこうなるんだと川嶋に言います。
娘を残して亡くなった川嶋にとってそれは痛い言葉でした。
金曜日になります。1週間の半分以上を過ぎ最終の打ち合わせのために職員と話す亡くなった人たち。
しかし渡辺と伊勢谷は未だに思い出を選ぶことができずにいました。そんな2人は最終打ち合わせも行う事ができず庭で時間を過ごしていました。
渡辺は記録テープを頼りに奥さんと一緒に観た映画の思い出を自分の大切な思い出にすることを決めました。
渡辺は思い出を選ぶことに時間がかかり迷惑をかけたことを望月に謝罪します。望月はそんな渡辺に、施設で働いている者たちは思い出を選ぶことができなかった者たちであることを打ち明けました。
思い出を映像化する撮影が始まります。
職員たちは撮影スタッフ、出演者を兼ねることになります。実際の撮影現場のように思い出の撮影は行われていきました。
日が変わり土曜日になります。
職員による楽団が演奏を奏でながら先導し、亡くなった人々は試写室へと入っていき、席に着きます。
渡辺は一通の手紙を望月に渡します。
望月が渡辺の担当を降りたいと上司に言ったのには理由がありました。渡辺の記録テープに映っていた渡辺の妻である渡辺京子(香川京子)は望月と結婚の約束をしていた女性だったのです。
望月は渡辺にそのことを黙っていたのですが、渡辺は気付いていて手紙にはそのことが記されていました。
しおりは渡辺の妻である京子の再現した映像テープを倉庫から持ち出します。
その映像には望月との思い出が映像化されていました。しおりは望月の元へ行き、京子との思い出を選ぶんでしょ?と訊きます。
望月は50年の歳月を経て、思い出を選ぶことができたのでした。望月はしおりに、施設で過ごした日々を絶対に忘れないと話しました。
日曜日になりました。思い出を選ぶことができた望月の思い出の映像が映し出されています。
望月はその映像を見ています。
映像が終わり試写室の照明がつきます。
そこに望月の姿は…?
伊勢谷は思い出を選ぶことができるのか…?
結末は本編をご覧ください。
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映画『ワンダフルライフ』感想・評価
映画『ワンダフルライフ』を観てまず思った事は、この物語を考える発想力がすごいなぁということでした。
そして自分だったら思い出を選ぶことができるだろうか、どの思い出を選ぶだろうかということも考えてしまいました。
この映画を鑑賞後にそう考えてしまう人はきっと多いのではないかと思います。
是枝監督は今や世界で有名な監督となっていますが、この頃は評価されていたものの映画好きの人の間では知られている存在といった感じだったと思います。
俳優が演技しているのを観ることに当たり前に慣れているので、初めて見たときはなんだか違和感すら感じたような記憶があります。
セリフをしゃべっている感じがほとんどないので。これがリアルなんだろうなぁとは思いつつ、でもセリフをいかにリアルに言えるかというのが俳優の技量を測る部分でもあると思うので、それが何よりいいことだとも言えないのですが。
映画『ワンダフルライフ』を初めて鑑賞したときから、伊勢谷友介さんは印象に残っていたんです。
今思えば現在これだけ活躍されているのも、この時から観る人の印象に残る何かを間違いなく持っていたからなのだろうなと思います。
井浦新さんも今も活躍されていますが、伊勢谷友介さんの方が鮮烈に印象に残りました。
しゃべり方が和歌もお特有のだるく喋る感じで、そういった演技を映画であまり観ることがなかったので結構衝撃でした。
次の言葉を探している感じもリアルで俗に言う『演技がうまい』という感じでは決してないのですが、それでもすごく印象に残りました。
あらすじを読んで頂けていたらおわかりだと思いますが、『ワンダフルライフ』はとても切なく感動の映画となっています。
ぜひ一度はご覧いただきたい映画です。おすすめです。ぜひ。
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