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映画『美術館を手玉にとった男』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『美術館を手玉にとった男』です。
『美術館を手玉にとった男』はドキュメンタリー作品で、ドキュメンタリーで実話と説明するのも変ですが、もちろん実際に起きている出来事のドキュメンタリーとなります。
むしろドキュメンタリーってそういうものですよね。
しかしこの『美術館を手玉にとった男』はまるでフィクション映画のような内容でもあるのです。
絵画の贋作に関してのドキュメンタリーなのですが、主人公のマークランディスの目的は金銭目的ではないのです。
『美術館を手玉にとった男』は非常にドラマを感じるドキュメンタリーとなっています。
それでは『美術館を手玉にとった男』の映画紹介です。
映画『美術館を手玉にとった男』は2015年に日本公開されたアメリカのドキュメンタリー映画です。
上映時間は89分。
監督はサム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン、マーク・ベッカー
キャストは
マーク・ランディス
マシュー・レイニンガー
アーロン・コーワン
ジョン・ギャッパー
ロバート・ウィットマン
ドナ・イングリッシュ
ほか。
映画『美術館を手玉にとった男』ネタバレ・あらすじ
マークランディスは贋作画家です。亡くなった姉のエミリーが所持していたという名目で、サリバンという美術関係の人間に希少な水彩画を見せるランディス。
亡くなった姉が所持していたという嘘は、その方が面倒なことになりづらいからついている嘘でした。
オハイオ州のシンシナティ、マシューレイニンガーはシンシナテ美術館でチーフとして働いていました。
レイニンガーはランディスの贋作に気が付いた男で、それから4年間ランディスの行方を追っていました。
ランディスは贋作を美術館を騙して売るわけではなく、無料で寄贈していました。
ランディスの目的はお金を得ることではなく、プロの目をいかにごまかすかにありました。
レイニンガーはランディスと面識がありました。以前の職場でランディスと会った時に、ランディスは自分の書いた絵を見せてくれました。
ランディスはこのこの時本名も名乗っていました。
レイニンガーはこの時のランディスの絵を、他の場所で見た覚えがあり、またランディスが持ってきたラピーヌの絵は、他の美術館でも保管されていることがわかりました。
レイニンガーはランディスの作品をじっくり調べますが、それは本物と間違えても仕方ない言える見事な出来栄えでした。
ランディスはメンタルケアの医療機関に通っていました。そこで担当医から自殺願望m楽しいことの有無などを質問されていました。
楽しいことに関してはランディスは回答しませんでした。
ランディスは贋作の活動に没頭している時に心地よさを感じていました。単純に絵を描くことが好きでした。
そしてランディスは見た絵を長時間記憶して、細部に至るまで描写することに長けていました。
ランディスは18歳の頃、精神病患者が多く入院しているメニンガー記念病院に入院していた時には病院スタッフたちはそのランディスの才能に関心を示していました。
当たり前ですが、美術館は贋作を展示することを避けることにできる限りの注意を払います。
オクラホマシティにあるオクラホマ美術館は贋作を展示していました。贋作だとわかり、その絵を外したのは展示してから5か月後でした。
多くの美術館がレイニンガーに連絡をしてきます。
レイニンガーは美術館の担当者と話し、贋作のことを説明するも、ランディスの出来栄えがいいためなかなか話が通じない美術館も多く、レイニンガーが苦労して説得をして確認をしっかりと行ってくれるという美術館も少なくありませんでした。
なんと30年間に渡って、20州46の美術館は本物だと思い贋作を展示していました。その数は100点に及びました。
ルイジアナ州のヒリヤード大学美術館のディレクターとして働いているトゥロスは、ランディスが絵画を持ってくる前に、約1億円の落札記録と画像を送ってくれたと話していました。
落札者の名前の記載がなかったので訊くと、ランディスは母親のエミリーだと答えていたとのことでした。
姉の存在を使った時も名前がエミリーだったので、姉にも母親にもランディスはエミリーという偽名を使っていたのでした。
ランディスは絵画はパリで財産整理をしている時に見つかったと嘘を言い、さらにその絵画を寄贈したいと伝えました。
トゥロスはランディスが美術関係者のツボをよく抑えていると評価します。お金と芸術に弱いところをランディスは絶妙に抑える嘘をついていたのでした
。
シンシナティの大学にある美術館のギャラリーで働くアーロンコーワンはランディスに対して非常に関心を持っていました。
アーロンはランディスの金儲けではない、贋作を寄贈している動機を知りたいと思っていました。
ランディスと電話で話したアーロンでしたが、ランディスは長い話だと言い、アーロンは納得できる回答を得ることができませんでした。
ランディスは幼い頃に両親と欧州によく旅行に行っていました。父親にと一緒に美術館に行ってはランディスはパンフレットをもらって帰ってきていました。
そして留守の多かった両親のいない間はそのパンフレットに載っている絵画を模写して時間を過ごしていました。ランディスがまだ8歳の頃です。
ランディスは今でも贋作を制作しいる時には幼い頃のことを思い出していました。
アーロンはランディスが逮捕されないと思っている理由を尋ねました。するとランディスは自分が何も罪を犯していないからと答えました。
ランディスは母親を2年前に亡くしていました。精神科医もランディスの母親が亡くなっていたことを知りませんでした。
ランディスは母親の死をなかなか乗り越えることができずに苦しみます。
そんな中でランディスは1年ほど前から神父を行おうと思い、神父の格好をして慈善活動を行っていました。ただしもう長い間教会には足を運んでいませんでした。
ランディスのしていることを許せないと感じている美術関係者も多く、ランディスは刑務所に入るか入院をするべきだという意見が出ていました。
美術品の贋作などを担当しているFBI捜査官のロバートウィットマンの元にレイニンガーから贋作画家がいると連絡が入ります。
ロバートはレイニンガーがランディスについてあまりに詳しいため捜査の大きな力になってくれていることには感謝していましたが、レイニンガーのランディスへの思いが強すぎることが気になりました。
ランディスはレイニンガーと会ったことはあったものの、レイニンガーの顔は覚えていませんでした。ただレイニンガーが自分のことを追っているということはわかっていました。
レイニンガーは働いていた美術館から勤務中にランディスに関するメールや電話をすることを禁じられます。
それは仕事中ではない時にやるようにと言われます。そのがレイニンガーは美術館の仕事を追われ、仕事をしていない状態で子育てをしながらランディスのことを追っていました。
有名画家の絵画を美術館に持っていけば、大きなお金が動くのが常でしたが、さらにそれが贋作となれば詐欺行為になるのですが、ランディスはお金をまったく受け取らずに寄贈しているだけなので、贈られたものを受け取るかどうかは美術館の責任ということになります。
ランディスは父の死をきっかけに17歳の時から神経衰弱と診断を受け、その後は統合失調症の診断も受けていました。
そのほかにもランディスが医師から指摘された精神疾患はいくつかありましたが、指摘されたすべての精神疾患に対してランディスは自覚して納得しているわけではありませんでした。
ランディスの初めての贋作はディクソンのインディアンの作品で、図書館に行って本を読んで完成させました。
元々ランディスは贋作の制作をすべて手作業で行っていましたが、現在はランディスは作品を一度コピーするやり方で贋作制作を行っていて、引き延ばしてコピーを行ったらそれを板に張り付けて、絵の具で上から塗っていくというやり方を行っていました。
ニューヨークで記者をしているジョンギャッパーは上司からランディスの記事を書くように指示されます。
ジョンはまずランディスのことを調べ、次に住んでいるところを調べますが、ランディスは引っ越しを繰り返していて、いくつかの入手した電話番号に電話してもすべて不通でした。
ジョンはランディスの現在住んでいる場所を訪ねたり、母親の家を訪れたりもしました。
近所の人間に話を聞くと、みんなランディスを変人扱いしていました。ジョンはランディスを訪ねますが、不在です。
ジョンはランディスにどうしても会ってみたいと思いましたが、待ってもランディスは現れず仕方なくその場を去りました。
しかしその翌日、ランディスからジョンに電話が入り、ジョンはランディスとコンタクトを取ることに成功しました。
ランディスの贋作活動はこれまで何十年も続いてきましたが、ランディスの行く手を阻もうとする者はこれまで誰もいませんでした。
しかし今はレイニンガーがランディスの前に立ちはだかろうとしています。
ランディスは自分が贋作作家であることは認めていました、ランディスの心配は美術館に出入り禁止にならないかということでした。
シンシナティで働くアーロンはランディスの記事を見て、ランディスの個展を開くアイディアを思いつきます。
これまでのランディスの贋作を集めて圧倒的な質を見せつけると共に単なる倒錯ではないことを多くの人に目撃してもらいたいと考えました。
アーロンはレイニンガーに連絡を取ります。レイニンガーもこのアイディアに賛同しました。
レイニンガーはこのランディスの個展が、額面通りに物事を受け取ってはいけないという教訓になればと考えていました。
ランディスの贋作が次々と送られてきました。ランディスの贋作を見てレイニンガーは改めてランディスに贋作のクオリティの高さに驚愕し圧倒されました。
ランディスの作品を、絵画として評価することの必要性も感じてきていました。
ランディスの個展が開催され、多くの人たちが来場しています。
贋作というスキャンダラスな面について絵画を見ながら話している人もいれば、ランディスの画家としての腕前を絶賛している人たちもいます。
ランディスは緊張の面持ちで個展に姿を現しました。来場者から『確実に才能があるから自分のオリジナル作品を描くべきだ』という声を多く頂いていました。
アーロンにランディスは中を案内してくれと頼みます。
そこでランディスはレイニンガーと会います。ランディスは初めましてと言いそうになりながら久しぶりと言い直しました。
そしてこれまでレイニンガーの連絡を無視し通けていた理由を話し、これからは友達だからちゃんと連絡を取り合うと話しました。ランディスとレイニンガーは芸術について会話をします。
オリジナル作品を描くべきという声に対して、ランディスは実は自分の母親を描いた絵が展示されていることを話しました。
ランディスは芸術家になりたいという思いは持っていましたが、自分を芸術家だとは思っていませんでした。ランディスはある考えを持っていました。
ランディスが持っていた考えとは…?
結末は本編をご覧ください。
映画『美術館を手玉にとった男』感想・評価
映画『美術館を手玉にとった男』ですが、一言で言うと本当にすごい実話だと思います。
ドキュメンタリー映画って僕はそこまで観るほうではないのですが、この『美術館を手玉にとった男』は文句なしに面白かったです。
ランティスの天才的な部分とコミュニケーションを人とうまく取れない部分が、まさに天才の描写なのかなと感じました。すごくピュアな部分もよかったです。
美術館にとっては迷惑な行動かもしれませんが、ランディスからしたら愛のある行動なんですよね。
特に紛失や盗難にあった絵画を持ち主に返すなんて。
お金儲けが悪いことだとは思いませんが、やはりランティスの一番驚くべき部分はすべての贋作を無償で贈り。目的が一切金銭ではなかったということでしょう。
贋作を作り続け、美術館を騙し、さらに来場者もだまし続けていながらも逮捕されることのなかったランティス。
額面通りに物事を受け止めてはいけないという言葉が『美術館を手玉にとった男』には出てきますが、逆を言えなそう思い込んで、そしてそれが真実であると心から信じていて幸せならそれでいいんじゃないかしらとも思いました。
非常に面白いドキュメンタリー作品でした。
おすすめです。ぜひ。
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