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映画『レイジングブル』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『レイジングブル』です。
ロバートデニーロとマーティンスコセッシ監督がタッグを組んでいる映画です。
この時点で面白くないはずがなく、またロバートデニーロはこの『レイジングブル』でアカデミー賞の主演男優賞を受賞。
他の映画賞も数多く受賞しています。
体重の増減が話題に挙げられる映画ですが、デニーロをはじめとした共演者の演技が素晴らしく見応え十分な映画です。
それでは『レイジングブル』の映画紹介です。
映画『レイジングブル』は1981年に日本公開されたアメリカ映画です。
監督はマーティン・スコセッシ監督。
『タクシードライバー』『グッドフェローズ』『アビエイター』『ウルフオブウォールストリート』などを監督している巨匠です。
実在のボクサー、ジェイクラモッタの半生を描いた映画です。
キャストは
ジェイク・ラモッタ…ロバート・デ・ニーロ
ビッキー・セイラー…キャシー・モリアーティ
ジョーイ・ラモッタ…ジョー・ペシ
レノーラ・ラモッタ…テレサ・サルダナ
ほか。
映画『レイジングブル』ネタバレ・あらすじ
1964年のニューヨークのとあるクラブの控え室でジェイクラモッタ(ロバートデニーロ)は一人でトークのリハーサルを行っていました。
ジェイクの風貌は丸々と太っていて、今の体型からは想像がつきませんが、ジェイクはボクサーとして輝かしい経歴を持ったプロボクサーでした。
時は遡ります。
1941年、プロボクサーのジェイクラモッタはリングの上で戦っていました。
苦戦を強いられているものの試合の終盤で相手のジミーリーブスから何度かダウンを奪います。
試合は決着つかず判定となりますが、試合内容とは裏腹に判定の結果はジミーリーブスの勝利となり、明らかにジェイク優勢の末のこの判定に試合会場はブーイングの嵐となります。
ジェイクは信念を持っていました。
この時代はマフィアが仕組んだ八百長試合がはびこっていましたが、ジェイクはそういったものに一切加担しないボクサーでした。
そのためになかなか陽の目を浴びることができないでいましが、ジェイクは実力のみで戦い続けていました。
ジミーリーブスとの試合に敗戦したジェイクは悔しさを周囲にまき散らします。
ジェイクのマネージャーである弟のジョーイラモッタ(ジョーペシ)にはもちろん、自分の妻にも当たり散らしていました。
ジョーイはジェイクの性格に手を焼いていて、マフィアのザルビーから八百長試合に加担するように声を掛けられています。
ジェイクがそういったことに決して頼らないことをマフィアのボスのトミーは不快に思っていました。
ジェイクのボクシングの実力はピカイチで、ミドル級では明らかに抜きんでたボクサーでした。
実力があるだけにジョーイはジェイクに対してああしろこうしろと指図できない部分がありました。
ある日ジェイクは近所の市民プールに行った際にビッキーセイラー(キャシーモリアーティ)という女性に惹かれます。
そして八百長に加担しろと言ってきているマフィアのザルビーもこのビッキーを気に入っていることを知り、ジェイクはさらにビッキーを自分のものにしたいと考えます。
ジョーイの情報では簡単には口説けない女性という事でさらにジェイクに火が付きます。
ジェイクは自分がいかに稼いできたかをビッキーに見せつけることにしました。
高級な車や両親に買ってあげた家を見せてビッキーの気を引きます。そしてビッキーはそんなジェイクの裕福さに惹かれジェイクと交際を開始します。
ジェイクはかつて負けたことのある相手との再戦に臨みます。ジェイクはボクシングとなると非常に真面目で真摯に取り組むボクサーで、試合に備えて自らしっかりと制限をしていました。そして前回負けたシュガーを相手に見事に勝利をもぎ取りました。
そしてさらにシュガーとの再戦を迎えます。これまでのシュガーとの対戦成績は一勝一敗です。
この試合もジェイク優勢で試合は進んでいき、シュガーからダウンも奪います。しかし決着はつかず勝負の行方は判定へ。
ここで再び理不尽な判定結果が出されジェイクの敗戦となってしまいます。
判定結果に怒りを露にするマネージャーであり弟のジョーイとは裏腹に、ジェイクはこの試合結果を妙に落ち着いた態度で受け入れていました。
しかし内心は面白いはずがありませんでした。
それからジェイクはビッキーと結婚をしました。さらに弟のジョーイも結婚をしてお互いに子供にも恵まれます。ジェイクはボクシングの試合でも勝利を収め続け好調を維持していました。
勝ち続けたジェイクは1947年にジェニロというボクサーと試合を行う事になります。ジェニロに勝てばタイトルマッチが待ち構えていました。
この頃ジェイクは体重が増えていて本格的に減量を行わなければなりませんでした。そのためにはキャンプを張って練習するしかないとジョーイは決めます。
しかしジェイクはビッキーに対して疑いの心を持っていて、自分が不在の間に浮気をするのではないかと気が気ではありませんでした。
ビッキーは自分をそんな風に見るジェイクに対して疲れを感じていました。
キャンプでの猛練習の成果が出て減量は見事に成功します。ジェイクはジェニロとの試合で圧倒的強さを見せつけ勝利を収めたのでした。
しかしジェイクの心配は当たり、ビッキーはジェイクの不在をいいことにバーに行き開放感を満喫していました。
様子を見に来たジョーイはビッキーがマフィアのザルビーにビッキーが口説かれている現場を目の当たりにしてザルビーを殴打してしまいます。
そのせいでジョーイはマフィアのボスのトミーに呼び出されます。
トミーが間に入りジョーイとザルビーの仲を取り持ちますが、トミーは自分たちの事をないがしろにしてボクシングをしているジェイクに怒っていて、ジェイクにタイトルマッチは絶対にさせないとジョーイに告げました。
ジョーイはこの事をジェイクに話し、タイトルマッチをするために八百長試合に加担するようにジェイクを説得します。
ジェイクもタイトルマッチをするためにこの提案に従います。
そして八百長試合に臨んだ試合でジェイクは負けなければいけない事になっていたものの、対戦相手が弱すぎて思うようにやられることができません。
そもそも八百長を経験していないのです。なんとかして試合に負けたジェイクでしたが、自分自身に対する悔しさもありジェイクは試合後控え室で号泣します。
さらに悪い事にジェイクの負け方があまりに露骨だったためボクシング連盟から八百長を疑われてしまいます。
その結果ジェイクは違反行為をしたとみなされ出場停止処分を受けてしまいます。
これまで八百長に絶対に加担してこなかった男が…。
ジェイクがタイトルマッチを迎えるまで2年の歳月がかかりました。
タイトルマッチに挑戦できる事になり、さすがのジェイクもナイーブになります。
弟のジョーイと妻のビッキーが仲良さげにしているだけでも腹を立ててしまい、ビッキーに手を出してしまいます。
そして迎えたミドル級世界タイトルマッチ。相手はチャンピオンとして君臨しているセルダンというボクサーです。試合は激闘となります。
10ラウンド目でジェイクはセルダンに猛ラッシュで連打を浴びせます。セルダンの様子を見たレフェリーがストップをかけて、ジェイクは見事世界ミドル級王者となりました。
チャンピオンとなったジェイクは防衛戦を控えますが、不摂生がたたり身体には脂肪がつきかなりだらしない風体になっていました。
しかも妻のビッキーに対する嫉妬心はさらに悪化していて、弟ジョーイと関係を持ったのではないかとしつこく迫ります。
ビッキーは精神的に限界が来てしまい、口先で浮気をたくさんしているとジェイクに言い放ちます。これを聞いたジェイクは激怒しジョーイの元へ行き言い合いとなります。
ジョーイも兄に対して怒りを露わにします。ジェイクはジョーイを殴打し、その場にいて止めに入ったビッキーも殴ってしまいます。
顔を殴られアザを作ってしまったビッキーはさすがに荷物をまとめて出て行こうとします。
しかしジェイクは急にビッキーにすがりつき謝り倒し、そばにいてくれと懇願しました。
ビッキーはそんなジェイクにほだされ結局出ていくことが出来ずジェイクのそばに残る事になります。
防衛戦を迎えたジェイクは見事に防衛を果たします。
しかしジェイクとジョーイの関係はぎくしゃくしたままでした。ビッキーが仲を取り持とうとしますが、ジェイクはジョーイに歩み寄ろうとはしませんでした。
ジェイクは次の防衛戦で敗れてしまいます。打ちのめされましたがダウンはせずにジェイクはリングに立ち続けていました。
1956年、ジェイクはマイアミにいました。ボクシングを引退しマイアミでクラブを経営しています。
ビッキーとの関係は続いていて3人の子供に囲まれてのんびりと過ごしています。ジェイクの身体にボクサー時代の面影はなく、かなり太っていました。
ジェイクが経営するクラブはなかなかの人気クラブになっていました。ジェイクはこのクラブでやりたい放題で、トークでお客を盛り上げるまではいいのですが、お客の女性とも浮気をしていました。
そんな日々は突然終わりを告げます。ビッキーはジェイクに呆れ果て離婚を告げてジェイクの元を去って行きました。
ビッキーは以前から離婚に向けて準備を進めていて、ジェイクは家族はもちろん家などすべてを失ってしまいました。
さらにジェイクはお店で未成年の女の子を雇っていた事で逮捕されます。
一度は保釈されたものの起訴され刑務所送りになってしまいます。
示談に持ち込むお金はジェイクにはなく、ジェイクを助けようとしてくれる人間もいませんでした。
刑務所に入ったジェイクは乱闘騒ぎを起こし独房へと入れられます。ジェイクはこれまでの自分を省みて思わず泣き出しました。
1958年。服役を終えて出社したジェイクは酒場のステージでトークをする芸人になっていました。
ある夜、ジェイクは弟のジョーイを見かけました。
ジェイクは追いかけますがジョーイはジェイクを気にもしない様子です。
ジェイクは構わずジョーイを抱きしめました。
ジョーイは特に嬉しい様子もなく迷惑そうにしています。
さらに時は経ち1964年…ジェイクの現在の姿は…?
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映画『レイジングブル』感想・評価
男の一生を綺麗事抜きで描いている映画で、観ていて自分の心が痛むシーンもあれば呆れてしまうシーンもありでリアリティに富んだ映画だと思います。
白黒で魅せる映像がストーリーに素晴らしくマッチしていて、さらにボクシングシーンでは白黒の映像が臨場感をより出してくれています。
特にジェイクが滅多打ちにされる最後の防衛戦はあまりに痛々しく表現されています。デニーロの演技の凄さももちろんあるのですが…。
主演のロバートデニーロですが、もうさすがと言いますか全編で圧巻の演技を見せてくれます。
不機嫌になって当たり散らしたりその後に後悔したり、人を馬鹿にしたり心の底から悔しがったり、全てのシーンでリアリティを見せつけてくれます。
本当は人間ってこんなもんなだよなと切実に思わせてくれます。
そして個人的にはジョーペシも最高です。声から風貌から最高です。
デニーロ演じるジェイクにキレるシーンではデニーロがアドリブでジョーペシがカチンとくる言葉を言っていたという話を聞いたことがありますが、多分本当だろうなと思う迫力の演技を見せてくれます。
何か得体の知れない切なさも醸し出しているんです。
この『レイジングブル』でもそんな雰囲気をまとっていてとても魅力的なのです。
歴史に名を残しているだけあってやはり名作です。
おすすめ映画です。ぜひ。
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