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映画『万引き家族』作品情報
今回の絶対おすすめ映画は『万引き家族』です。
映画『万引き家族』は第71回カンヌ国際映画祭においてパルムドールを受賞した映画です。
パルムドールは最高賞にあたります。
是枝裕和監督らしさが出ている映画で生々しさが胸に響きます。
リリーフランキーさんや安藤サクラさん、樹木希林さんをはじめ、俳優陣の演技がさらに胸をえぐる映画となってます。
物語自体は実話ではありませんが、死亡届を出さずに年金を不正受給していた事件が元になっているとのこと。
それでは『万引き家族』の映画紹介です。
映画『万引き家族』は2018年に公開された日本映画です。同年にいろいろな国で公開されています。
上映時間は120分。
監督は是枝裕和監督。
『誰も知らない』『そして父になる』『三度目の殺人』などを監督しています。
キャストは
柴田治…リリー・フランキー
柴田信代…安藤サクラ
柴田亜紀…松岡茉優
柴田祥太…城桧吏
ゆり(りん、北条じゅり)…佐々木みゆ
柴田初枝…樹木希林
4番さん…池松壮亮
柴田譲…緒方直人
柴田葉子…森口瑤子
柴田さやか…蒔田彩珠
北条保…山田裕貴
北条希…片山萌美
風俗店店長…黒田大輔
根岸三都江…松岡衣都美
クリーニング店店主…清水一彰
山戸頼次…柄本明
米山…井上肇
日雇いバイトの管理者…毎熊克哉
前園巧…高良健吾
宮部希衣…池脇千鶴
ニュースキャスター…笠井信輔
ニュースキャスター…三上真奈
ほか。
映画『万引き家族』ネタバレ・あらすじ
古い平屋の一軒家に住む、お世辞にも裕福とは言えない柴田一家。
父親の柴田治(リリーフランキー)は日雇い労働のアルバイトが仕事で、母親の柴田信代(安藤サクラ)はクリーニング店に長年勤めていました。
そして息子の祥太(城桧吏)と信代の腹違いの妹である亜紀(松岡茉優)、さらに祖父の初枝(樹木希林)の5人で生活していました。
初枝は年金を受給していて、初枝の年金が生活の軸となっていて、不足するものは基本的に万引きをして入手していました。
2月、治と祥太はペアを組んで巧みな連携で万引きを成功させました。
万引きをして帰っている道で、寒い中団地のベランダに閉め出されている幼い女の子を治は見つけます。
治は何度かこの女の子がこういった目に遭っているのを目撃していて、見て見ぬふりはできないと女の子を自宅に連れて帰ってしまいました。
治が連れてきたゆりと名乗る女の子(佐々木みゆ)を見た信代はゆりの腕に傷があることに気が付きますが、治に拾ってくるなら金になるものはないとと言い、ゆりを住んでい家に治と共に返しにいくことにします。
しかし家の前まで来ると、中から両親が言い争いをしている声が聞こえてきて、産みたくて産んだんじゃないという言葉を聞いた信代はゆりを戻すことができずに、結局連れて帰ってきてしまいました。
ゆりは柴田一家との生活をスタートさせます。
祥太は学校に通っていませんでした。
家で勉強できない奴が学校で勉強するのだと治から言われていて、祥太はそれを信じて疑っていませんでした。
祥太は信代と治がいない時には1人で山戸頼次(柄本明)が営んでいる駄菓子に行って万引きをしていました。
ゆりも一緒に行きますが、万引きをしたのは祥太だけでした。祥太はゆりに今度教えてあげると約束していました。
治が仕事で足を怪我してしまいます。労災をあてにしていた治と信代でしたが、労災がおりないことがわかります。こうなると初枝の年金がいよいよ頼りになる柴田一家でした。
初枝は年金をおろしに銀行に行きますが、亜紀も同行しています。亜紀は初枝の口座の暗証番号も知っていました。
また亜紀はさやかという源氏名で「JK見学店」という風俗店で働いていました。
さやかという名前は亜紀の実の妹の名前でした。
初枝と亜紀は祖母と孫という関係ではありましたが、亜紀は初枝の夫の再婚相手の孫なので、血のつながりがあるわけではありませんでした。
ゆりも治から万引きを教わり、万引き活動をはじめます。
しかしゆりの存在が面白くない祥太は拗ねてしまい家に帰ってきません。
祥太は廃車の中にいました。治は祥太と話をして、ゆりが妹だと祥太を納得させました。
そのまま治は祥太に自分のことを「お父さん」と呼ばせようとしましたが、祥太は照れて言えませんでした。
ゆりが柴田家で過ごすようになって2か月が経過しました。ゆりの両親は捜索願を出していませんでした。
しかし児童相談所が警察に通報し、ゆりが行方不明であることがニュースで流れました。ニュースを見て治たちはゆりの本名がじゅりだと知ります。
治は自分のしたことが罪になることを恐れてゆりに1人で歩いて帰れるかと訊き、本当の家に帰そうとしますが、信代はゆりを放っておくことができず、ゆりの髪を切りさらに名前を『りん』に改名しました。ゆりも髪を切って嬉しそうにしています。
りんとなったゆりも柴田家に残ることを望みました。
信代は気を良くして選んでくれたんだよ、選んだ方が絆が強いんだよと初枝に話します。それを聞いた初枝は信代に自分もあなたを選んだんだよと話しました。
りんと信代は一緒にお風呂にはいり、信代の腕の火傷をりんはずっと撫でていました。信代はりんに断ってから、りんが柴田家に来た時に着ていた洋服を燃やしました。
新たな洋服は万引きで調達しました。じゅりでもなくゆりでもなく、りんとして新たに生活をスタートさせたい気持ちでした。そしてりんを抱きしめて、好きだと言って愛情を伝えました。
時は流れ夏になります。治の足の怪我は治っていましたが治は一向に労働意欲を出しませんでした。
また信代が務めているクリーニング店では、不景気により人員削減が行われ、時給の高い信代と同僚の根岸三都江(松岡衣都美)のどちらかを解雇しなくてはいけないと伝えます。
当人同士の話し合いになり外で2人で話した時に、根岸は信代に、行方不明の女の子と信代が一緒にいるところを見たと脅迫してきました。
脅された信代は解雇されることを選び、根岸に「話したら殺す」と最後に告げました。
初枝は元夫の月命日になると夫の息子夫婦の家に行きます。
元夫の息子夫婦からはお金を受け取っていました、また亜紀は初枝と暮らしていましたが、両親は亜紀が海外に留学していると思い込んでいました。
亜紀は風俗店のお客で4番さんと名付けている発達障害をもったお客(池松壮亮)に何か通じ合えるものを感じ、お店の外でも共に時間を過ごしました。
りんは祥太のことを「お兄ちゃん」と呼ぶようになっていました。祥太はりんを連れて駄菓子屋やまとやに行き、りんに万引きをさせます。
ところが帰り際に店主の山戸からお菓子を渡され、「妹にはさせるなよ」と忠されます。店主の山戸はこれまでのこともすべて知っていたのでした。
祥太は治に話しますが、治はたいして気にも留めず取り合ってくれません。祥太は生まれてくる罪悪感に戸惑いながら、家族と庭から花火大会の打ち上げ花火を見ていました。
柴田一家はみんなで海水浴に行きました。初枝はのんびりと砂浜でくつろぎ信代と話していました。初枝はの表情ははしゃぐ家族を見て嬉しそうでした。
翌日、初枝が帰らぬ人となっていました。亜紀は悲しみに打ちひしがれますが、信代はこういうのは順番だからと気丈でした。
家は初枝のものであり初枝のみが暮らしていることになっていて、初枝の年金がストップすると暮らしていけないため、治と信代は初枝を家の床下に埋めました。
そして子供たちに自分たちは5人家族だと話しました。
初枝の死後も年金をおろしつづける信代を祥太は見ていました。
祥太は信代に万引きは悪いことではないのかと訊ねました。信代は店が潰れなければいいんじゃないかと話します。
さらに信代と治は初枝のもっていたへそくりを見つけて大喜びしていました。
祥太はその様子も見ていました。祥太は治が万引きを続ける中、自分は万引きをしなくなりました。
駄菓子屋のやまとやの店主の山戸が亡くなってしまいます。祥太は過去に万引きをしてきたことから罪の意識に襲われます。
その後、りんと一緒にスーパーに行き万引きをして店員に見つかります。りんを巻き添えにしないために祥太はわざと派手に逃げて店員に自分を追いかけさせます。
逃げている途中で祥太は仕方なく高いところから飛び降り、その際に足を骨折してしまいます。
祥太の件で病院に呼び出された治と信代は事情聴取を警察からされますが、なんとかごまかし病院から抜け出します。祥太は両親を庇って車の中で暮らしていたと嘘をつきます。
夜になり、いろいろなことが露呈することを恐れた柴田一家は祥太を残して荷物をまとめて逃げ出そうとします。しかしちょうど警察が駆け付け夜逃げは失敗に終わりました。
警察が治と信代のことを調べると様々なことが嘘であったことがわかりました。治も信代も本当の名前ではなく偽名でした。なんと祥太という名前は治の本名でした。
信代と治は壮絶な過去を持っていて、信代の元夫を刺殺して土に埋めていました。祥太も実の子供ではなく、りんと同じように拾ってきた子だったのです。
前園巧(高良健吾)と宮部希衣(池脇千鶴)の2人の警官が中心となり、事情聴取が行われます。
祥太とりんは警察からいろいろ聞かれますが、治と信代を庇う発言しかしませんでした。祥太は施設に預けられることになり、りんは本当の両親の元へ返されることになりました。
亜紀は初枝が両親から毎月お金を受け取っていたことを知ってショックを受けます。亜紀は初枝がお金が欲しかっただけで、自分と暮らしていたのかと思い悲しくなりました。
初枝の遺体が家の床下から発見されました。
治には前科があることから、信代は刑はが重くなるからと自分一人で罪を被ります。りんが本当の親の元へ帰りたいと言っていると刑事から言われた信代は信じませんでした。
しかし刑事が信代に「じゅりちゃんはあなたのことをなんと呼んでいたか」と訊かれると信代は何も答えられずただ涙を拭っていました。
亜紀はみんなで過ごしていた家に戻ってみましたが、そこにはもうかつての面影はありませんでした。
信代が望んで治と祥太が刑務所にいる信代の面会にやってきます。
信代はあっけらかんと過ごしているようでしたが、突然祥太を拾った場所などを話しはじめ、実の親の手掛かりも話します。
本気で探せば見つけられるよと話す信代。治は焦ってしきりに動揺しています。
そんなことを言うために呼んだのかという治に、信代はうちらじゃダメなんだよと言いました。
祥太は治のアパートに泊まることにしました。昔よく食べていたカップラーメンとコロッケを食べ、布団に入って眠ろうとする2人。
祥太は自分を置いて本当に逃げようとしたのかを治に問いました。治はそうだと認めると、考えてから「父ちゃん、おじさんに戻るよ」と祥太に告げました。
治と祥太は最後にどんな会話をしたのか…?
じゅりはどんな日常を過ごすのか…?
結末は本編をご覧ください。
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映画『万引き家族』感想・評価
映画『万引き家族』ですが、是枝裕和監督の色であることなので観るうえで避けらないし、だからこそ高い評価を受けているのだと思いますが、本当に生々しくてリアルで心をえぐられる映画になっています。
実話をもとにしているとまではいかないようですが、実際に起きた年金の不正受給の事件が映画『万引き家族』のもとになっているようです。
初めてこの映画の『万引き家族』というタイトルを見た時は、家族で万引きばっかりして生計を立てている話なのかなと思っていたのですが、実際に映画を観てみて、そんな風に思っていた自分の浅はかさをただただ恥じました。
『万引き家族』というタイトル、すごくいいタイトルだと思います。様々な思いが込められているタイトルだと思います。
そして是枝裕和監督の演出力の高さが光っているのですが、俳優陣が誰一人力の入った演技をしていなくて、これってなかなかお目にかかれないことだと思います。
是枝裕和監督の作品では毎回お目にかかれることではあるのですが。自然とはこのことだというお手本のような演技を目撃することができます。
個人的には決して多くはない出番で印象を強く残してくれた池松壮亮さんが素晴らしかったです。とても好きな俳優です。
樹木希林さんは言わずもがな素晴らしいです。リリーフランキーさんも出し子役も素晴らしいしみんなですね。りん役の女の子は門脇麦さんの少女時代って感じでした。
それぞれに事情があって、それぞれに正義がある、だからこそ観ていて切ないです。
おすすめです。ぜひ。
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