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映画『市民ケーン』作品情報
今回のおすすめ映画シリーズは『市民ケーン』です。
映画『市民ケーン』はかなりというかめちゃくちゃ有名な映画なので、タイトルを聞いたことないという人はほとんどいないのではないかと思います。
ただタイトルは知っていたけど映画自体は実は観たことなかったという人も結構いるのです。
こういった有名な名作にはありがちなことですが。
監督・脚本・製作・主演をオーソンウェルズが務めていることでも有名な作品です。
それでは『市民ケーン』の映画紹介です。
映画『市民ケーン』は1966年に日本公開されたアメリカ映画です。アメリカ上映は1941年です。
上映時間は119分。
監督はオーソン・ウェルズ。
オーソンウェルズは監督の他に脚本、製作、主演も務めています。
キャストは
チャールズ・フォスター・ケーン…オーソン・ウェルズ
ジェデッド・アイアリーランド…ジョゼフ・コットン
エミリー・ノートン…ルース・ウォリック
スーザン・アレクサンダー…ドロシー・カミンゴア
ウォルター・サッチャー…ジョージ・クールリス
トンプソン…ウィリアム・アランド
ジェームズ・W・ゲティス…レイ・コリンズ
少年時代のケーン…バディ・スワン
ほか。
映画『市民ケーン』ネタバレ・あらすじ
舞台は1947年のフロリダ。フロリダにある『ザナドゥ』と呼ばれる豪邸に住む新聞王のチャールズフォスターケーン(オーソンウェルズ)が亡くなります。
ケーンは死を迎える直前に「バラの蕾(つぼみ)」と呟きこの世から旅立ちました。
新聞王のケーンの死を取り上げるメディアの人間たちはただ表面的にケーンの死を報道するのではなく、ケーンという人間がどういった人間だったのかなど、もっと深い部分で報道を行おうと考えます。
ケーンが残した「バラの蕾」にはいったいどんな意味が込められているのか。取材班はトンプソン(ウィリアムアランド)を中心にさっそくケーンを知っている人物たちに取材を開始します。
トンプソンはケーンの後見人だったウォルターサッチャー(ジョージクールリス)の日記を読み、さらにマネージャーだったバーンステイン、ケーンの2番目の妻だったスーザンアレクサンダー(ドロシーカミンゴア)、執事を務めていたレイモンドの順番に取材を敢行しました。
彼らの話を聞くことで謎の多かったケーンという人物の人間像が少しずつ浮かび上がってきます。
ケーンの家はもともと小さい宿屋を営んでいました。その中のお客が宿泊代金の代わりにお金にならなそうな鉱山の権利書を置いていったのですが、その鉱山が価値を持つようになり多額の財産を手に入れます。
ケーンの母親は転がり込んできた財産の管理をウォール街の銀行に勤めるサッチャーに任せます。
またケーンの母親はどうしようもない父親からケーンを遠ざけるためにサッチャーにケーンの教育なども頼みます。サッチャーは後見人となりケーンはニューヨークへと赴きました。
サッチャーに育てられたケーンは25歳になるとサッチャーの元を離れます。ケーンには莫大な資産があり世界でも6位の資産家でしたが、特にビジネスで儲けることに興味がなく新聞社の経営をスタートさせます。
ケーンには志があり、市民を悪徳な資本家から守りたいという志を持っていました。
ケーンは社長就任の際に改革宣言を書き記していて、その改革宣言はジェデッドアイアリーランド(ジョゼフコットン)が大切に保管していました。
ケーンはあらゆるジャンルの記事を取り扱います。さらに有名新聞社から記者たちをごっそりと引き抜き、自分の新聞社をアメリカトップの新聞社へと成長させます。
ケーンは美術品の収集を行い、大統領の姪のエミリーノートン(ルースウォリック)と結婚し妻に迎えます。
しかしエミリーとの夫婦生活は長くは続きませんでした。ケーンは多忙を極めエミリーと顔を合わせるのは朝食の時ぐらいしかなくそれが主な原因でした。
2人の関係は次第に冷めたものとなっていきました。
そんな中でケーンはオペラ歌手を目指しているスーザンと出会い惹かれていきます。ケーンはスーザンの部屋を訪ねるようになります。
ケーンは州知事への立候補を決断します。新聞社37社、放送局、シンジケートの経営者となっていたケーンの力はすさまじく、人気も影響力も群を抜いていました。ケーンが掲げた公約の中には現知事であるジェームズWゲティス(レイコリンズ)の汚職を暴くというものも含まれていました。
ケーンの力に脅威を感じたゲティスはスーザンとの関係を盾にケーンに立候補をやめるように提案してきます。
ケーンはこの脅迫的な条件に乗らずに勝負に出ますが、これによりスーザンとの不倫関係を暴露され、評判を落としたケーンは落選してしまいます。
さらにケーンはエミリーとも離婚することになります。
ケーンを支えてきたリーランドはケーンのワンマンな振る舞いに辟易しシカゴへの転勤を希望します。
ケーンはエミリーとの離婚から半年後にスーザンと結婚を果たします。
ケーンはスーザンのためにオペラハウスをシカゴに建設しました。オペラ歌手になりたいというスーザンの夢を叶えるために一流のレッスンを受けさせ、劇場のこけら落とし公演にはスーザン主演の演目を上演しました。
しかし悲しいことにスーザンに輝く歌の才能はありませんでした。
最悪の劇評に溢れる中でリーランドも酷評を下します。ケーンはこれに腹を立てリーランドを解雇してしまいます。リーランドはケーンが最初に掲げていた改革宣言をケーンに送り、去っていきました。
ケーンはなんとかスーザンを一流のオペラ歌手にしようとしますが、ケーンの空回りとなってしまい、スーザンは精神的に追い詰められ自殺未遂を図ってしまいます。
ケーンはさすがにスーザンを一流にすることを諦め、豪邸ザナドゥを建設し、スーザンと共に引きこもるようになります。
しかしスーザンはこの豪邸に閉じ込められているような生活に嫌気が差し、ケーンに対して厳しい言葉をぶつけるようになります。
ケーンはなんとかスーザンの機嫌を直そうと贅沢をさせますが、スーザンはお金や物ではないのだとケーンに反発しケーンの元を去ってしまいます。
激昂したケーンはスーザンの部屋で暴れますが一つスノードームを手にした時にケーンの動きが止まります。
その後のケーンは孤独に豪邸の中で暮らし、最期を迎えました。ケーンが「バラの蕾」とつぶやいて命が消えた瞬間に、ケーンの手に持っていたガラス製のスノードームが落下しガラスが砕けます。
トンプソンは最後まで「バラの蕾」の謎を解くことが出来ないままでした。トンプソンは謎を残したままケーンの豪邸ザナドゥを去りました。
豪邸の中にあったケーンの遺品が整理されます。
その遺品の中に、ケーンが子供時代に遊んでいたソリがありました。焼却炉に放り込まれるソリには「バラの蕾」というロゴが記されていました。
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映画『市民ケーン』感想・評価
映画『市民ケーン』は1941年に制作された映画です。
そのことを頭に入れて観て頂くと、この映画がなぜ名作と言われているかを納得していただけるかと思います。
実は『市民ケーン』はなぜ名作と言われているのか、どこが面白いのかといった意見も多々見かめる映画なのです。
しかしよく考えて頂きたいのですが、1941年に制作された映画を現代に普通の感覚で観ていられること自体が凄いのです。
カット割りや撮影手法などが現代に使われている手法で、この当時は間違いなく革新的で斬新なものであったはずです。センスとこだわりを随所に感じる作品となっているのです。
そして結局意味不明だという意見を見掛ける『バラの蕾』の意味についてですが、僕も全然わかりませんでした。
どうやらオーソン・ウェルズの実生活の中に関係している言葉のようで、ライバル的な相手を皮肉るためにこの『バラの蕾』というワードを入れたのではないかと言われています。
愛人のことを「バラの蕾」と読んでいる人物がいて、それを皮肉っているのではないかと。
こういった話を知るとオーソン・ウェルズって最高に遊び心に満ちていて魅力的だなと思ってしまいます。
信憑性ありと僕は思っているのですが、この謎についてはググればすぐに出てきました。
しかもその遊び心が後世で物議を醸し出しているなんて本当にワクワクする逸話です。
タイトルは知っているけど観たことないという人は是非一度は観て頂きたいです。
おすすめ映画です。ぜひ。
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