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映画『板尾創路の脱獄王』作品情報
突然ですが、僕は板尾創路という芸人が好きです。かなり好きです。
板尾創路という人の存在を知ったのは間違いなく『ダウンタウンのごっつええ感じ』です。
板尾創路の繰り出す言葉、空気に少年だった僕はお腹を抱えて笑っていて、毎回放送を心待ちにしていました。
元を辿れば板尾創路という才能をいち早く見つけ世に出したダウンタウンだと思いますので、やはりダウンタウン、これに関してはたぶん松本人志でしょうか、さすがとしか言いようがないすごさですね。
そして俳優としても活躍する板尾創路は本当に稀有な存在で、僕は豊田利晃監督が好きなのですが豊田監督の作品に板尾創路さんは出演していまして、『ナインソウルズ』という映画は超お薦めです。
しかし今回ご紹介するのは板尾創路監督作品『板尾創路の脱獄王』です。
それでは『板尾創路の脱獄王』の映画紹介です。
映画『板尾創路の脱獄王』は2010年に公開された日本映画。
上映時間は94分。
監督は板尾創路。
キャストは
鈴木雅之…板尾創路
金村…國村隼
北陸刑務所長…オール巨人
信州第二刑務所長…阿藤快
飯塚…木下ほうか
橋本…津田寛治
竜崎…木村祐一
臼井…宮迫博之
囚人…千原せいじ
小五郎…石坂浩二
他。
映画『板尾創路の脱獄王』ネタバレ・あらすじ
囚人・鈴木雅之(板尾創路)は刑務所の独房に閉じ込められています。
自分の前歯などを抜き脱走不可能と思われる独房から脱走し、追いかける看守たちをあざ笑うように刑務所の屋上で仁王立ちし看守たちを見下ろします。
信州第二刑務所に送られた鈴木は看守の金村(國村隼)と出会います。
鈴木はすでに二度の脱獄をしている囚人。鈴木の胸には富士山を逆さまにした入れ墨がありました。
鈴木は金村により独房に入れられますが、すぐに脱獄してしまいます。
鈴木に脱走されたことにより金村は叱責されますが、鈴木は刑務所を出てすぐの線路であえなく捕まります。
金村は鈴木に興味を持ち鈴木の過去を調べ出します。
ある夜鈴木の独房に見回りにいった金村は鉄の手錠を鈴木が外していることに気付きます。
鈴木は金村に対し何も答えず無言を貫きます。
鈴木は何度手錠をはめられても外してしまいます。金村は鈴木の身体検査を始めることを決めますが、ちょうど金村には出世の話が舞い降ります。しかし金村は出世話を断り刑務所に残り鈴木を監視します。
しばらくすると鈴木は手錠を外すのをやめ、おとなしく独房で過ごすようになります。金村は実家に帰るために長期休暇を取り刑務所を離れます。
間もなく、鈴木は洗面台の針金を飲み込み便として出てくる針金を使うことで看守の身体検査のチェックを免れ、針金を使い脱獄してしまいます。
脱獄に気付いた看守たちは金村にすぐに連絡を入れます。
捜索する看守たちでしたが、金村は自分の勘を信じ、鈴木がかつて脱獄した後に捕まった線路沿いを捜索するように指示を出します。
鈴木はまんまと線路沿いに現れあえなく捕まります。金村は再び鈴木を独房に閉じ込めます。
金村は政府高官の小五郎(石坂浩二)から目をかけられ、自身も政府高官へと出世しました。
金村が政府高官になってからも鈴木は脱獄を繰り返しては捕まり、金村は鈴木の動向をずっと気にかけていました。鈴木は元々たいした罪ではないのに度重なる脱獄の罪で無期懲役になっていました。
ある時、金村は小五郎の命令で各地の刑務所の様子を視察しに向かいます。
鈴木は手錠を外しては看守たちに暴行を受けていました。しかしこの暴行は鈴木の狙い通りで、鈴木は自らの血で鉄格子を錆びらせようとしていました。
そして暴行を受けて抜けた前歯を使い再び脱獄する鈴木。しかし脱獄した鈴木は逃げようとせずに刑務所の屋上で仁王立ちし捕まります。
脱獄を繰り返しすぎた鈴木はいよいよ監獄島へ送られることとなります。戸籍を抹消され社会復帰できることはまずないと言われている刑務所です。
金村は鈴木の輸送に付き添う事を決め、共に監獄島へとやってきます。
監獄島に入れられた鈴木。
金村が監獄島の記録を調べていると、胸に鈴木と同じ富士山を逆さにした入れ墨をしている男の写真を発見します。
鈴木は監獄島でも早速脱獄を企てます。しかし、建物から逃げたところでどうせ脱出はできないと看守たちはまったく慌てません。それを尻目に鈴木は胸に富士山の入れ墨のある男を探し回ります。
金村は確信します。鈴木がなぜ脱獄に成功してもそれ以上逃げなかったのか。鈴木はわざと罪を重ね、父親のいる脱獄島に来ることが目的だったのです。
鈴木が父親とともにこの島から脱出するつもりだと確信した金村は、急いで鈴木の父親である胸に富士山の入れ墨のある男を探します。
金村が探しだした男は胸に富士山の入れ墨がありました。
一方鈴木は父親だと思い込んでいる男と手作りのパラグライダーで島を脱出します。
大空を飛び満面の笑みを浮かべ自由を感じる鈴木と、鈴木が父親と勘違いしている見知らぬ囚人。
金村は一人で呟いた言葉とは…?
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映画『板尾創路の脱獄王』感想・評価
まさかこんなオチがあるとは思わず観ていました(笑)映画としては見事にそれまでシリアスに物語が続きますし、何より素晴らしかったのは國村隼さんのキャスティングでしょう。
キム兄も宮迫さんもせいじさんも真面目に演じているわけですが、もし吉本の芸人だけが出演している映画だったらどこかでエンディングは予測できたかもしれません。
津田寛治さんもそうだし、國村隼さんの存在がこのエンディングを想像させなかったと言っても過言ではないと思います。挙句の果てには石坂浩二さんまで出てきちゃうし(笑)この一連に関しては『やられた!』!と思ってしまいました。
ただ、だとしてもオチに到達するまで、大真面目にしっかりと作られた映画だと思いますし、普通になぜ脱獄を繰り返すのかを考えながら観てしまっていました。
物言わぬ板尾創路さんのお芝居もいいですし、吹き替えであろう身軽に身を翻しているシーンも全然安っぽくないし、エンディングが違った形であったとしても充分楽しめたんじゃないかと思います。
板尾さんの『らしさ』がしっかり出ている映画だと思いますし、充分楽しめてお薦めできる映画です。
いいじゃないですか!こういう映画があったって!!
映画『板尾創路の脱獄王』
その逃亡、ワケあり。
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